硫黄分
【英】: sulfur content
石油類に含まれる硫黄には遊離硫黄、硫化水素、メルカプタン、二硫化アルキル、各種の環状硫黄化合物などがあり、試料中のこれら硫黄の総量を硫黄分(全硫黄)と呼ぶ。 硫黄分の多い製品は、灯油では悪臭の原因に、重油では大気汚染の原因となる。その他、金属腐食の原因となったり、冶金{やきん}用などでは製品の品質低下を来す。硫黄分の定量には、ランプ法、酸水素炎法、燃焼管法、ボンベ法、放射線法などが用いられ、日本工業規格(JIS)の K2541(原油および石油製品硫黄分試験方法)にその規定がある。酸水素炎法は、試料を酸水素炎で燃焼して生成物を過酸化水素水に吸収させ、生じた硫酸の量を容量法または比濁法で求める。この方法は、開発者の名をとってウイックボルド法(Wickbold method)と呼ばれる。ランプ法は、酸水素炎の代わりにランプを用いて燃焼するもので、原理的には酸水素炎法と同じ。燃焼管法は、燃焼管中に空気(空気法)または酸素(酸素法)を送って試料を燃焼させ、燃焼ガスを過酸化水素水に吸収させ、生成した硫酸の量を求める。ボンベ法は、酸素を圧入したボンベ中で試料を燃焼して硫黄を硫酸塩とし、これを取り出して硫酸バリウムの沈殿として分離して、重量法によって定量する。最後の放射線法は、試料に X 線を当て、発生した蛍光 X 線を測定するか(励起法)、透過したときのエネルギーを測定する(透過法)。 |

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