真珠養殖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 02:31 UTC 版)
貝殻の内側に異物が混入すると、その異物を核として真珠層を巻く性質があり、真珠の養殖に使用されている。養殖では、別の貝の貝殻を真円状に加工したものを核としている。埋め込む核は2個であることが多い。ボタンやカフリンクス、ネクタイピン、真珠、ネックレス、指輪等の装身具に用いられる。 産卵期は5~9月。受精後約20日で殻高0.2mmほどに成長、足糸を出して浅瀬の岩に付着する。プランクトンや有機性懸濁物を濾過して、エネルギーとすることが多い。ある程度成長すると、養殖が可能となり、養成場へ移される。 日本では愛媛県の宇和海、長崎県の大村湾、三重県の英虞湾などで養殖されている。ほかにも、西日本各地の透明度の高い内湾でアコヤガイを利用した真珠養殖が行われている。浜揚げ目安は3年の経過である。 1990年代後半に感染症が拡大したため日本のアコヤガイ養殖は打撃を受け、中国産のアコヤガイが導入された。中国産は病気には強いが真珠の品質が劣るため、交雑が問題となっている。 2019年以降、愛媛県の宇和海で稚貝が大量死する例が見られた。2022年までに国と愛媛県の研究機関は、原因がビルナウイルス科に分類される新種のウイルスに感染したものと特定した。
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