真人とは? わかりやすく解説

しん‐じん【真人】

読み方:しんじん

真理悟って人格完成した人。

道教で、理想とされる高の人俗世界超越し、道の極致達した人。仙人


ま‐うと【真人】

読み方:まうと

⇒もうと


ま‐ひと【真人】

読み方:まひと

天武天皇制定した八色(やくさ)の姓(かばね)の第一位皇族出身の者に授けられた。まっと。


もうと〔まうと〕【人】

読み方:もうと

【一】[名]《「まひと」の音変化

「まひと」に同じ。

貴人また、人を敬っていう語。

雲井より降りたるより、—に思ひ聞こえ給ふ人を」〈宇津保・菊の宴

【二】[代]二人称人代名詞平安時代目下の者をよぶ語。

「この姉君や、—の後の親」〈源・帚木


真人

読み方:マヒト(mahito)

八色の姓第一級


しんにん 【真人】


真人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/19 09:16 UTC 版)

真人(まひと)は、天皇から氏族に対して授けられた姓(カバネ)の一つ。天武天皇13年(684年)に制定された八色の姓で最高位に位置づけられた。

概要

朝臣宿禰などとともに八色の姓で新たに作られた姓である。『日本書紀』の天武天皇13年10月条に、「守山公・路公(みちのきみ)・高橋公・三国公・当麻公・茨城公(うまらきのきみ)・丹比公(たぢひのきみ)・猪名公(ゐなのきみ)・坂田公・羽田公・息長公(おきながのきみ) ・酒人公(さかひとのきみ)・山道公、十三氏に、姓を賜ひて真人と曰ふ」[1]とある。これら公(きみ)姓氏族はおよそ応神継体天皇用明天皇皇子の子孫である。それ以降、天武天皇までの天皇・皇子の子孫についても、奈良時代にたびたび賜姓が行われ、『新撰姓氏録』の載せる真人姓は48氏に上った(それ以外に国史にのみ記載があるものがある)。

真人賜姓天武天皇が構想する皇親政治の一翼を担うものであった。対象となったのは、(不確かな伝承ではなく)確かな事実で過去の天皇の子孫であった氏族である[2]。彼らはもとからの勢力は強くなく、天武天皇によって取り立てられて重要な地位についた[2]。氏を持たず王を名乗るが、代を隔てて皇位継承の圏外にあるような皇族と、真人はしばしば同列におかれた[2]。天武天皇の治世を通じ、真人の氏は、朝臣・宿禰の諸氏より冠位が高かった[3]

しかし、天皇が持統天皇に代わると早くも真人の相対的な地位低下がはじまった。朝臣姓の藤原氏橘氏が台頭する一方で、真人姓の氏族は振るわなかった。最初に真人姓を受けた氏族のうち議政官を輩出したのは多治比氏のみであり、その他も文室氏氷上真人塩焼高階真人成忠清原真人夏野清原真人長谷などわずかな例しかなかった。また光仁天皇以降の天皇の子孫が臣籍降下した際には、延暦6年(787年)に光仁天皇皇子の諸勝が広根朝臣姓、桓武天皇の皇子岡成が長岡朝臣姓を賜ったように、新たな真人姓氏族とされることはなかった。また高階氏清原氏のように真人姓の氏族が朝臣姓を賜ることで、真人姓の氏族は更に減少していった。

出自・使用の両方で特異なのが、明経道家学とした広澄流清原氏である(天武系の清原氏とは同名別氏族)。『新撰姓氏録』では、海氏(あまうじ)は、海神ワタツミを祖とする神別氏族とされる。それにも関わらず、海広澄は、清原真人の氏姓を下賜されて清原広澄となった[4]太田亮の主張によれば、これは、海氏(凡海氏)の凡海麁鎌が天武天皇の養育者であった縁でもって、海氏は天武後裔であると仮冒かぼうしたのではないかという[4]清原氏系図の一本によれば、広澄流清原氏は室町時代15世紀まで真人の姓を使い続け、清原業忠の代で初めて朝臣に改姓したという[4]。また平安時代後期に奥羽で勢力を誇った出羽清原氏も真人姓清原氏を称していた。

明治時代公家大名の子孫で華族に列せられた家はほとんど朝臣姓の家系であり、真人姓を称していたのは多治比氏の後裔を称していた丹党出身の大名華族のみであった[5]

道教との関わり

天皇の称号が道教天皇大帝に由来するという説とともに、この「真人」も道教由来のものとする説がある[6]老荘思想道教において人間の理想像とされる存在や仙人の別称として用いられる言葉である。また始皇帝に代わる一人称として、真理を悟ったとして「真人」を使用している。八色の姓のなかでは道師も道教の神学用語と重なっている。また天武天皇(おくりな)の「瀛真人」(おきのまひと)は道教の神学では「瀛州」という海中の神山に住む仙人の高級者を意味する。

主な真人姓氏族

脚注

注釈

  1. ^ 真人の姓を得た中原氏は、天武天皇後裔弘宗王の子らを氏祖とするが、この一流は振るわなかった[7]十市氏後裔で明経道明法道を家学として繁栄したいわゆる中原氏(中原宿禰のち中原朝臣)とは別氏族[7]

出典

  1. ^ 日本書紀』巻第二十九、天武天皇13年10月1日条
  2. ^ a b c 原島礼二「八色姓と天武政権の構造」、101頁。
  3. ^ 原島礼二「八色姓と天武政権の構造」、97 -98頁。
  4. ^ a b c 太田 1934, pp. 1985–1986.
  5. ^ 華族類別録』1878年https://books.google.co.jp/books/about/%E8%8F%AF%E6%97%8F%E9%A1%9E%E5%88%A5%E9%8C%B2.html?id=yjSaJsiMneEC&redir_esc=y 
  6. ^ 福永光司 『道教と古代日本』人文書院1987年、10頁
  7. ^ a b 太田 1936, pp. 4251–4252.

参考文献

関連項目


真人(しんじん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 15:10 UTC 版)

アンリミテッド:サガ」の記事における「真人(しんじん)」の解説

神が自らの写し身として作った人種。かつて一大文明築いていたが、「終末の日」に殆どの者は絶命

※この「真人(しんじん)」の解説は、「アンリミテッド:サガ」の解説の一部です。
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