環境への耐性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 15:50 UTC 版)
「シオダマリミジンコ属」の記事における「環境への耐性」の解説
この種の生息域は上記のように潮間帯と言っても、高潮線の更に上にある潮溜まりである。そこにある水は常に新鮮な海水の供給を受けることが保証されておらず、大半の時間を海から切り離され、孤立した小さな止水として存在する。そのため晴天の昼間には非常に高温となり、また冬には海水より遙かに低温になる。塩分濃度の面でも蒸発による高濃度化、雨水など淡水の流入による低下が起きる。この動物はそのような変化への強い耐性がある。和歌山県白浜町の調査では、シオダマリミジンコの生息場の環境は、水温では冬には4℃に下がり、夏には40℃まで上昇する。ちなみに北海道での研究では最低水温は-2℃であった。塩分濃度は最低時に0.25‰、最高で49.59‰であった。塩分濃度は季節に限らず、潮の干満や蒸発、降水などで変化したが、30‰以上の高濃度になるのは夏期に限られていた。蒸発が激しいと干上がる場合があるが、直後の降水で貯まった水にこの動物が動いているのが観察された例もあり、また、そうでなくても2週間後には発生が見られた。これは卵が卵嚢に包まれていることである程度の耐久性があるのではとも考えられている。
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