江戸時代の楯無とは? わかりやすく解説

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江戸時代の楯無

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/30 01:38 UTC 版)

楯無」の記事における「江戸時代の楯無」の解説

江戸時代中期地誌類では、萩原元克甲斐名勝志』では菅田天神社社殿内に楯無鎧が祀られていると記し、これを源頼義後冷泉天皇から下賜され武田家累代宝器としており、これは近世文献楯無鎧が菅田天神社伝来していることを記した初見であると考えられている。 文化11年1814年)に成立した松平定能編『甲斐国志』は楯無に関する多様な伝承記している。『国志』によれば楯無鎧は源頼義前九年の役に際して拝領したもので、新羅三郎義光から武田氏伝来し軍神として崇拝されたという(巻109)。また、戦国期には鬼門封じのため菅田天神社納められ於曽氏により管理されたことを記し武田滅亡の際に鎧が埋められ向嶽寺大杉の下は、かつで新羅三郎義光が楯無鎧を埋め武田信重出奔に際して鎧を埋めたという伝承記しており(巻75向嶽寺」)、楯無鎧を埋納したという伝承近世文献において確認されるまた、『国志』では武田氏滅亡に際して滅亡の地である田野から勝頼着用の鎧を回収して菅田天神社納めて楯無鎧と称されたと記し江戸時代元文年間には青木昆陽文蔵)が甲州調査した際に鎧櫃見聞し、これを契機存在知られ観覧者増加し盗難され破損する事件発生したという(巻109)。 『国志』によればこの事故受けて幕臣である清水時良(平三郎)、中村知剛(八太夫)により修復企図され、寛政3年1791年)から翌寛政4年には江戸で甲冑師明珍宗政・宗妙親子による修復が行われたという。『国志』には菅田天神社神職土屋将良(左衛門)からの伝聞情報記した榊原香山による修復記録収録しており、修復中には香山自身も鎧を実見している。 同記録では楯無鎧の破損状況修復に至る経緯記されており、同じく『国志』に収録されている菅田天神社神職日記によれば楯無鎧は寛政3年12月4日江戸へ到着し寺社奉行による内覧12月18日には将軍徳川家斉による上覧経たという。また、陸奥国白河藩主で幕府老中務めた松平定信は、全国各地書画古器物武具などを模写した集古十種』を編集し享和文化初年刊行されている。『集古十種』では楯無に関して記述されており、寛政4年1792年時点での破損していた状態の楯無鎧を図解記している。楯無鎧は同年修復され将軍の上覧を仰いでいるが、定信楯無鎧の複製作成し寛政7年1795年)に現在の福島県白河市鹿島神社奉納している。 『名勝志』『国志』などの記載から18世紀代には菅田天神社伝来小桜韋威鎧鎧が武田家相伝された楯無鎧であるとする認識定着していたことが確認されるが、楯無鎧を所蔵する菅田天神社府中八幡神社(現八幡神社)での交代祈祷義務づけられた勤番であったが、寛政3年将軍家斉が楯無鎧を上覧した際には天正11年徳川家康が鎧を上覧したという由緒紹介しており、文化14年1814年)には将軍朱印状得て勤番役を免除されており、楯無に関する伝承の成立菅田天神社自立連動していることが指摘される(注3西川論文西田かほる「楯無鎧をめぐる伝承実体化」『口頭伝承文字文化』(2009、思文閣)、菅田天神社勤番体制から自立した課程については西田かほる「近世後期における社家活動言説-甲州国中菅田天神社文書素材として-『史学雑誌』(1997)。

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