最小自乗法
さいしょう‐じじょうほう〔サイセウジジヨウハフ〕【最小自乗法/最小▽二乗法】
最小二乗法
実験値と計算値の残差の二乗和を最小にするように未知パラメータを決定する方法。結晶構造解析や分光スペクトルの波形分離などに利用されている。未知パラメータの線形結合(Σai・xi + b)によって残差の二乗和を最小化する場合を(線形)という。フィッティングに非線形関数を用いる場合を非線形という。関数を仮定せず数値計算によって未知パラメータのフィッティングを行う場合も非線形である。たとえば、収束電子回折図形の強度と結晶構造モデルから計算される強度との残差二乗和の値を最小にするような構造パラメータ(原子位置、温度因子)を求めるのに使われる。ある構造パラメータの組について残差二乗和を求め、残差二乗和の各パラメータに対する微分が負になるような構造パラメータの組を発生させ、それらの値に対する残差二乗和を計算する。この過程を繰り返して残差二乗和の最小値に到達する。
- 最小二乗法
最小二乗法
ある系列の数値を、より大きな規則性を示す他の系列によって置き換えることが望ましい場合がある。この過程は補整 1として知られ、一般的には、時系列やあるいは申告年齢別人口分布のような別種類の系列で観察された複数の数値の間に、滑らかな曲線を当てはめることによって行われる。フリーハンドの曲線が描かれた場合、グラフ補整 2と呼ばれ、分析的な数学的方法が用いられた場合、曲線の当てはめ 3と呼ばれる。最小二乗法 4によって数学的曲線がデータに当てはめられることがあるが、それは元の系列と平滑化された系列の間の差異を最小化するような方法である。他の方法としては、移動平均 5や有限差異の微積分 6を使用するものがある。これらの手法の一部は内挿(補間) 7、すなわち所与の数値の間にある数値を推定するために用いられたり、外挿(補外) 8、すなわち所与の範囲の外側にある数値を推定するために用いられたりする。
最小二乗法
最小二乗法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/23 01:22 UTC 版)

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最小二乗法(さいしょうにじょうほう、さいしょうじじょうほう;最小自乗法とも書く、英: least squares method)は、誤差を伴う測定値の処理において、その誤差の二乗の和を最小にするようにし、最も確からしい関係式を求める方法である。測定で得られた数値の組を、適当なモデルから想定される1次関数、対数曲線など特定の関数を用いて近似するときに、想定する関数が測定値に対してよい近似となるように、残差平方和を最小とするような係数を決定する方法[1][2][3]、あるいはそのような方法によって近似を行うことである[1][2][3]。
歴史
1805年にアドリアン=マリ・ルジャンドルが出版したのが初出である。しかし、1809年にカール・フリードリヒ・ガウスが出版した際に1795年には最小二乗法を考案済みだったと主張したことで、最小二乗法の発明者が誰であるかについては不明になっている。
計算の概要
前提条件
最小二乗法では測定データ
脚注
注釈
- ^
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