捕音器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:46 UTC 版)
開発にあたり、搭載を想定しているような大型艦は対潜艦艇などと比較して吃水が深く装備スペースにも余裕がある事から、水力雑音の低減や測角精度の向上および捕音器の換装に入渠を必要としないことを狙いとして、捕音器数を九三式水中聴音機の16個から右舷側15個、左舷側15個の合計30個へと増加し、これを真水を満たした艦首タンク内に直径4mの二重円配列にする事が検討された。 これは、それまで用いられていた装備方では捕音器の配列形状が楕円形に近い配列となり、さらに艦型により配列形状が異なる事から真の楕円とはならず、測角精度が一様ではない(艦首方向より正横方向の方が精度がよい)という問題があったのに対して、上記の配列法では真円に近い配列が可能となり、指向性のみの観点から考えると全周にわたり一定の測角精度が得られるという利点があったためである。 なお聴音にあたっては両舷の捕音器群を使用する他に、時には聴測方向に応じて、例えば右舷方向に対しては右舷装備捕音器15個を、左舷方向に対しては左舷装備捕音器15個を使用して聴測する事も可能であり、これは整相器の装備捕音器舷選択把手により両舷、右舷、左舷の切換え操作を簡単に行えるようになっていた。
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