拡散近似
【英】:diffusion approximation
重負荷 (heavy traffic) 時における待ち行列の特性量に対する漸近的近似. 待ち行列における系内客数, 待ち時間等の確率過程が, 重負荷時に適当な正規化の下で拡散過程に弱収束することを示す重負荷極限定理 (heavy traffic limit theorem) そのものを指す場合と, これらの特性量の拡散過程モデルを指す場合の2つの意味で用いられる. 後者の意味では, 流体近似の精密化と位置付けられる.
待ち行列: | 待ち行列長 待合室の容量 後着順サービス 拡散近似 指数サービス 最短サービス時間順規律 有限呼源待ち行列 |
待ち行列ネットワーク: | 待ち行列ネットワーク 待ち行列ネットワークの部分安定性 応答時間 拡散近似 指数分布 推移速度行列 有限呼源待ち行列 |
拡散近似
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/05 08:54 UTC 版)
遺伝子頻度変化の連続的な変化は拡散方程式を用いて記述できる。 集団における対立遺伝子の初期頻度をp, 時間t 経過後の対立遺伝子頻度をx として、確率分布を ϕ ( p , x ; t ) {\displaystyle \phi (p,x;t)} とする。 時間の流れに従って確率分布を記述する場合、 ∂ ϕ ( p , x ; t ) ∂ t = − ∂ [ M ( x ) ϕ ( p , x ; t ) ] ∂ x + 1 2 ∂ 2 [ V ( x ) ϕ ( p , x ; t ) ] ∂ x 2 {\displaystyle {\frac {\partial \phi (p,x;t)}{\partial t}}=-{\frac {\partial \left[M(x)\phi (p,x;t)\right]}{\partial x}}+{\frac {1}{2}}{\frac {\partial ^{2}[V(x)\phi (p,x;t)]}{\partial x^{2}}}} , これは、コルモゴロフの前向き方程式と呼ばれる。 生物学的に解釈すれば、M(x)は世代あたりの定方向性を持つ効果(突然変異、自然選択等)による対立遺伝子頻度変化が起こる確率、V(x)は遺伝的浮動による対立遺伝子頻度変化が起こる確率である。 また、時間の流れに逆らって確率分布を記述する場合、 ∂ ϕ ( p , x ; t ) ∂ t = M ( p ) ∂ ϕ ( p , x ; t ) ∂ p + V ( p ) 2 ∂ 2 ϕ ( p , x ; t ) ∂ p 2 {\displaystyle {\frac {\partial \phi (p,x;t)}{\partial t}}=M(p){\frac {\partial \phi (p,x;t)}{\partial p}}+{\frac {V(p)}{2}}{\frac {\partial ^{2}\phi (p,x;t)}{\partial p^{2}}}} , これは、コルモゴロフの後ろ向き方程式と呼ばれる。 この式において、左辺が0のとき、全ての集団においてある対立遺伝子が固定している状態を表す。この場合の式は特に次のように記述される。 0 = M ( p ) d u ( p ) d p + V ( p ) 2 d 2 u ( p ) d p 2 {\displaystyle 0=M(p){\frac {{\mathit {d}}u(p)}{{\mathit {d}}p}}+{\frac {V(p)}{2}}{\frac {{\mathit {d}}^{2}u(p)}{{\mathit {d}}p^{2}}}} , u ( p ) {\displaystyle u(p)} は、初期頻度pの対立遺伝子が完全に固定する確率である。
※この「拡散近似」の解説は、「遺伝的浮動」の解説の一部です。
「拡散近似」を含む「遺伝的浮動」の記事については、「遺伝的浮動」の概要を参照ください。
拡散近似と同じ種類の言葉
- 拡散近似のページへのリンク