こう‐りょく〔カウ‐〕【抗力】
抗力
クルマが走行するとき、クルマが受ける前後方向の空気力をいう。クルマの走行を妨げる抵抗として働き、平坦路の走行抵抗の主要な要素である。車速の2乗に比例して増加し、多くのクルマで、車速80km/h付近で、それまで主体の転がり抵抗を超え、高速走行時のクルマの燃費、加速性能、最高車速などに大きく影響する。間接的に操縦安定性にも影響する。抗力は、クルマ前後の圧力差による圧力抵抗と、空気の粘性による摩擦抵抗によって生じるが、前者が大部分を占める。抗力の低減には、抗力係数の低減のほか、エアダムなど空力付加装置も有効である。用語として空気抵抗もよく使われる。抗力を動圧と前面投影面積で割って無次元化した値を抗力係数といい、抗力の発生しやすさを示す。
抗力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/28 07:27 UTC 版)
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抗力(こうりょく、英: drag)とは、流体(液体や気体)中を移動する、あるいは流れの中におかれた物体にはたらく力の、流れの速度に平行な方向で同じ向きの成分(分力)である。流れの速度方向に垂直な成分は揚力という。
追い風で水面をかき分けて進んでいる帆船は、空気から進行方向の抗力を、それより弱い逆方向の抗力を水から受けている。また、レーシングカー等ではマイナスの揚力でダウンフォースを発生させている。抗力も揚力もケースバイケースで、その方向が字義通りではない場合がある。
数学的表現
抗力は物体の相似比の2乗(あるいは投影面積)に比例する。また、レイノルズ数が小さいときは速度に、大きいときは流体の密度と流速の2乗に比例し[1]、後述する抗力係数 CD を用いて以下のような数式モデルで表されるのが一般的である。このモデルは係数が異なるだけで揚力と同形式である。
力の向きによる分類
- 摩擦抗力
- 物体表面に沿った力に起因する抗力。粘性抵抗とも呼ばれる。せん断力による形状抗力に等しい。半径
鳥の初列風切には翼端に発生する翼端渦を抑えて誘導抗力を減らすことで翼への抗力を減少させる効果がある
世界記録を持つ人力飛行機、MIT Daedalus(ダイダロス)。アスペクト比は約38
脚注
- ^ 望月修; 市川誠司『生物から学ぶ流体力学』養賢堂、2010年、63頁。ISBN 978-4-8425-0474-2。
- ^ 牛山泉『風車工学入門』(2版)森北出版、2013年、50頁。ISBN 978-4-627-94652-1。
- ^ 東昭『流体力学』朝倉書店、1993年、pp. 103-104頁。ISBN 4-254-23623-9。
- ^ Anderson, Jr., John D. (2001). Fundamentals of Aerodynamics, 3rd International ed.. New York: McGraw-Hill. pp. pp. 354-355. ISBN 0-07-118146-6