よくうつ‐しょうじょう〔‐シヤウジヤウ〕【抑鬱症状】
抑うつ症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:58 UTC 版)
「境界性パーソナリティ障害」の記事における「抑うつ症状」の解説
BPDの抑うつには特有の構造が見られ、それは見捨てられることに関連する特殊な感情反応に由来している。憤怒、空虚感、絶望、寄る辺のない不安、孤立無援感、抑うつ、自暴自棄の感情といったマーガレット・マーラーが「見捨てられに関連する黙示録の七人の騎士」と呼んだ破壊的な感情である。BPDにはこれらの抑うつの嵐が次々と、あるいは一挙に襲ってくるという特殊な構造が見られ「穴に吸い込まれる」「落ち込む」と表現される深い抑うつの波は伝統的なうつ病(内因性うつ病)の姿とは異なるものである。 ジョン・ボウルビィの研究によると母に置き去りにされた子どもは周囲を探索し、いないとわかると淋しくなり、悲しくなり、不安になり、しくしくと泣き始める。それでも帰って来ないと恨みと怒りから大声で泣き出し、やがて泣き止むが、最後には孤立無援感、空虚感、寄る辺のない不安から遂には無気力状態に陥るという。BPDに共通する感情は、こうした見捨てられるということによって生じる感情体験そのものであり、これら言語成立以前に端を発する衝動が、過食、性的逸脱、リストカット、過剰服薬、アルコール依存などの行動化として表現される。
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