感染例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 20:14 UTC 版)
アメリカ合衆国では、イランやアフガニスタンからの帰還兵から多く報告されている。日本では2008-9年福岡大学病院、2010年藤田保健衛生大学病院、2009-10年帝京大学病院といった、感染症の検査態勢が整った大学病院において、アシネトバクターの集団感染が発見され注目を浴びつつある。問題はほとんどの抗生物質が効かない(多剤耐性)もの(MRABまたはMDRAB)が出現してきていることと、通常の滅菌処理が有効ではないことである。 帝京大学の感染例では、感染症制御の遅れによる業務上過失致死罪の適用も視野に入れた警察の捜査が始まったという報道もあった。これに対して全国医学部長病院長会議が緊急声明を出し、「故意性、悪意性のある医療事故ではなく、どの病院でも起こり得る細菌感染による医療問題」であり、刑事事件としての捜査にはなじまないと訴えている。 福岡大学で有効だった抗生物質は、ミノサイクリンとイセパマイシンだけであった。 韓国で流行しており、福岡大学病院での最初の患者は韓国で入院した患者であった。 福岡大学では人工呼吸器のバイトブロックを滅菌再使用していたが、菌が検出されたために再使用をやめた。 厚生労働省は、2011年1月から感染症法5類感染症として定点観測の対象にすることにした。 感染が問題になるのは基礎疾患(持病、入院の理由である病気)が重症である場合だけで、普通の人間には無関係であり、病院での行動に注意をする必要すらない。ただし、重症患者については、最近、超多剤耐性菌(有効な抗菌剤や抗生物質が0-2種類しかない)による感染や死亡が目立っており、特にニューデリー・メタロベータラクタマーゼ(NDM)を持った菌が注目されている。WHOは2010年8月20日の声明で、耐性菌のまん延に対する懸念を示し、2011年のWHO総会でのテーマになるだろうと述べた。
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