喪失症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 18:50 UTC 版)
「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」の記事における「喪失症」の解説
「そうしつしょう」と読む。この作品の舞台となる世界で蔓延している架空の病気。といっても、厳密な意味での病気ではないようだ。 原因、発症条件、治療法などはすべて不明。 喪失症の症状は段階的に表れる。これらの症状の進行には大幅な個人差があり、突然急速に進行したり逆にある段階で止まったりすることもある。 1.名前の喪失 最初の症状として、発症者の名前を誰ひとりとして思い出せなくなる。これは本人も例外ではなく、また紙などに書かれた名前に関しても、その部分が白紙化することで失われる。ただし、失われる名前は本名だけであり、「取締役」「秘書」といった役職や、「姫」などといったあだ名は失われない。 この症状は薬、都市などの無機物にも発症する。そのため、この世界の道路標識は地名が消えたものがほとんどである。無機物に発症した場合、この先の段階に進むことはない。 2.顔の喪失 発症者の顔を映した写真、絵画が白紙になり、さらに誰も発症者の顔を思い出せなくなる。 3.色の喪失 発症者の体から色がなくなる。最初は色白程度だが、最終的には白黒映画のような完全なモノクロとなる。 4.影の喪失 光が発症者を透過するようになり、影がなくなる。 5.存在の喪失 発症者は最後に存在を失い、この世から消える。その際、その人が残した文章や絵、その人に関する記述やデータなど、その人の痕跡がすべてこの世から消え、残るものはその人のそばにいた人たちの記憶のみであり、それさえも顔や名前が思い出せない希薄なものである。 ただし、人間の存在の喪失とともに消えるものは、確実にその人と関連があるとわかるものであり、「誰が誰について書いたのかわからない文章」などは消えない。
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