量刑
処断刑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 23:18 UTC 版)
観念的競合の場合は、その最も重い刑により処断することとされている(刑法54条1項)。ただし、2個以上の没収については吸収されずに併科される(同条2項、49条2項)。 どの刑が最も重いかは刑法10条により定まる。原則として、重いものから死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料の順であり(同条1項)、同じ刑種の間では、刑期や罰金額で比較し(同条2項)、刑期・罰金額が同じ場合には犯情の重い方を「重い刑」とする(同条3項)。 刑の比較に際しては、刑種の選択や刑の加重・減軽を行う前の法定刑自体を比較することとされている(大審院大正5年4月17日判決・民録22輯570頁)。すなわち、重い刑種のみをそれぞれ取り出して比較対照するという重点的対照主義がとられている(最高裁昭和23年4月8日判決)。もっとも、判例は、刑法54条1項の規定は軽い罪の最下限の刑よりも軽く処断することはできないという趣旨を含むとして、重点的対照主義を修正している(最高裁昭和28年4月14日判決、最高裁昭和32年2月14日判決)。また、最も重い罪の刑は懲役刑のみであるがその他の罪に罰金刑の任意的併科の定めがあるときには、最も重い罪の懲役刑にその他の罪の罰金刑を併科することができる(最高裁平成19年12月3日決定)。
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