典故・伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 05:12 UTC 版)
古詩十九首は古代の人々の素朴な感情を歌い上げ、新鮮な作風かつ高度な芸術性を備えているとされ、後世の評価は非常に高い。『文心雕龍』には古詩十九首を「五言の冠冕(首位)」と評するほか、同じく梁の鍾嶸の『詩品』でもこれらの詩群を筆頭に掲げ、また評して「心を驚かし魄を動かす、幾(ほと)んど一字千金と謂ふべし」と述べる。 陸機以来、陶淵明・江淹・鮑照・李白・韋応物・洪适など後世に多くの擬作(擬古)があるほか、古来駢儷体の名文として知られる李白の「春夜宴桃李園序」を初めとして、典故も枚挙に暇がない。『文選』に親しんだ日本文学にもその影響は大きく、例えば「去る者は日々に疎し」という諺の直接の由来である『徒然草』第三十段は、第十四首「去者日以疎(去る者は日を以て疎なり)」を踏まえている。 第十首の「迢迢牽牛星」はまた、七夕の織姫・彦星伝説の起源の1つとしても知られている。牽牛星・織女星の名は既に『詩経』の小雅・大東の中に見えているが、この星々の位置関係を恋愛物語に仕立てた記述は、この歌が最古である。ただしこの詩の中では七夕の夜の逢瀬については触れておらず、今日に伝わる形で記録されるのは6世紀の『荊楚歳時記』等においてである。
※この「典故・伝説」の解説は、「古詩十九首」の解説の一部です。
「典故・伝説」を含む「古詩十九首」の記事については、「古詩十九首」の概要を参照ください。
- 典故・伝説のページへのリンク