入射加群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/09 07:01 UTC 版)
Jump to navigation Jump to search数学において、入射加群(にゅうしゃかぐん、英: injective module)、あるいは移入加群(いにゅうかぐん)とは、関手 Hom(–, E) が完全となるような加群 E のことである。 ホモロジー代数における基本的な概念のひとつ。
動機
一般の加群 Q に対して反変関手 Hom(–, Q) は左完全である。 つまり任意の短完全列
- 任意の単射準同型 f : Q → M は分裂単射
- 任意の短完全列 0 → Q → M → K → 0 は分裂する
自己移入環
環 R が自身の上の左加群として移入的であるとき、左自己移入環と呼ぶ。右自己移入環も同様。
性質
- Qi はすべて移入加群 ⇔ ∏Qi は移入加群
Baerの判定法
左 R-加群 Q が移入加群であるための必要十分条件は、R の任意の左イデアル L と任意の準同型 L→Q に対して、その拡張 R→Q が存在することである。
移入分解と移入次元
加群 M に対し、各
- 岩永, 恭雄、佐藤, 眞久、佐藤眞久 『環と加群のホモロジー代数的理論』 日本評論社、2002年、第1版。ISBN 4-535-78367-5。
- Lam, Tsit-Yuen (1999). Lectures on modules and rings. Graduate Texts in Mathematics No. 189. Berlin, New York: Springer-Verlag. ISBN 978-0-387-98428-5. MR1653294.
関連項目
入射加群
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