不動産業界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 16:56 UTC 版)
情報格差の問題については、不動産業界においても取扱物件のブロードバンド利用の可否が物件の価値、契約の成否を少なからず左右しかねない時代になっており、取扱物件に発生し得る情報格差に対しても敏感になっている。 とりわけ、20代〜30代以下の若年層をメインターゲットとした分譲住宅、学生向け賃貸物件などでは、ブロードバンドでもとりわけFTTH導入の可否が販売成約率や入居率を少なからず左右し、販売価格や家賃などにまで影響を及ぼすケースも見られる。 そのため、現在では多くの企業で付加価値を向上させる策として、取扱物件のブロードバンドへの対応が積極的に進められている。特にFTTHが導入可能な物件においては、広告にその旨が宣伝文句として大々的に記載されていることが多い。 同様に短期賃貸マンションや若者向けの賃貸物件では、入居時にパソコンさえ持ち込めば即時インターネット使用可能というシステムを構築している所も少なくない。 2008年頃からは解消されつつあるものの、首都圏でさえ少し郊外部に行けば、FTTHが市街地のみでその周辺地区には存在しない(さらにADSLはあるものの、局までの距離があるため速度がほとんど出ない)という場所は決して珍しくなかった。だが、この様なインターネット能力の差が、地価にも若干ながら影響を及ぼしているケースもあると言われている。 他にも、いわゆるパソコン世代ではないベテランの営業販売担当者などには、この情報格差に関する知識に乏しい者も多く、不動産は高額の商取引であるだけに、この情報格差の問題については営業担当者の知識不足が顧客とのトラブルなどの訴訟リスク要因になるのではないかという危惧を、現在では一部の不動産会社が抱くところとなっている。このため、営業担当者へのブロードバンドに関する知識の教育など、対策に取り組む企業も存在している。 この様なことがあって、特に郊外部では、住宅・アパートを新築する際に、FTTHが導入可能な地区かなどの事前チェックが入念に行われることも多い。 また、FTTHが導入可能な地域に所在し、工事をすれば導入可能であっても、インターネットに対する大家の無理解が原因で導入できない賃貸物件は大都市圏でも見られている。だが、これは入居を希望する側が近隣の物件との間での比較検討をする際には、多くのケースでネガティブな要因として扱われ、上述している様に究極的には入居率や家賃などにも響いてくる。そのため、物件の価値の維持・向上のために、不動産業者が大家に対してブロードバンド、さらにはインターネットそのものについての啓蒙を行うケースも見られている。
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