ゲノム構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 10:13 UTC 版)
環境中に数百万種類のファージが存在することから、ファージのゲノムはさまざまな形と大きさを持っていると考えられる。MS2のようなRNAファージは、わずか数1,000塩基の最小のゲノムを持っている。しかし、T4のようなDNAファージの中には、数100個の遺伝子を持つ大きなゲノムを持つものもあり、カプシドの大きさや形状は、ゲノムの大きさとともに変化する。最大のバクテリオファージのゲノムは735 kbの大きさにもなる。 バクテリオファージのゲノムは、高度にモザイク化されていることがある。すなわち、多くのファージ種のゲノムは、多数の個別のモジュールで構成されているように見える。これらのモジュールは、異なる配列で他のファージ種に見られることがある。マイコバクテリオファージ(英語版)や、マイコバクテリア宿主を持つバクテリオファージは、このモザイク性の優れた例を提供してきた。これらのマイコバクテリオファージでは、遺伝子の品ぞろえは、部位特異的組換え(英語版)(一定の配列相同性を持ったセグメント間でのDNA鎖交換)および非正統的組換え(英語版)(細菌宿主の遺伝子配列のファージゲノム獲得の結果)を繰り返した結果である可能性がある。細菌ウイルスのゲノムを形成する進化の機構は、ファミリー間で異なり、核酸の種類、ウイルス構造の特徴、ウイルスのライフサイクルのモードに依存している。
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