エトスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 哲学 > 哲学 > エトスの意味・解説 

エトス【(ギリシャ)ēthos】

読み方:えとす

エートス


エートス

(エトス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 17:08 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

エートス (古希: ἦθος, ἔθος; ethos, 複: 古希: ἤθη ἤθεα; ethe, ethea) は、「いつもの場所」 (ἤθεα ἵππων) を意味し、転じて習慣・特性などを意味する古代ギリシア語である。他に、「出発点・出現」または「特徴」を意味する。

それを元に、「道徳」や「道徳観の発露」を意味する ἠθικός (ethikos) という言葉が生まれ、ラテン語には ethicus として流用される。また、その女性形である ἠθική φιλοσοφία (ethica) は古フランス語ethique中世英語ethik を通じて、現代の英語の ethics へと変化した。「倫理的生活態度」ともいわれる[1]

アリストテレスのエートス論

アリストテレスが著書『弁論術』で述べたところによると、エートスは説得法の重要な三つの方法的条件の一つ(他はロゴスパトス)である。まず、始めに話者はエートスを確立しなくてはいけない。この言葉は単に「道徳の能力」を意味するが、アリストテレスはこれに専門的意見と知識(エピステーメー)を加えた。アリストテレスは特に、エートスは、聞き手の予想によってではなく、話者の発言により生み出されるべきとした。この考え方はしばしば非難の的となり、イソクラテスなどは、エートスはとりわけ道徳的な特徴、またその話者の生涯と結びついているとした。

エートスには三つのカテゴリーがあり、発言の状況に従って、低次から高次へと発展する。

エートスは話者にではなく、聞き手に属する。聞き手がその話者が高いエートスかそれとも低いエートスを持っているかを判断する。エートスの反則にはたとえば以下のものがある。

  • 話者が会話の結果に直接の関心を持つ(例えば、無実を主張している人)
  • 話者が会話の結果に秘密の動機を持つ
  • 話者が専門意見を持たない(その事柄の専門家でない人)

留意すべきは、上記の反則にあたるような議論を無効として退けることは形式的誤謬である。

社会学におけるエートス論

エートスを、社会認識の基軸として捉え返したのがドイツの社会学マックス・ヴェーバーである。ヴェーバーによれば、エートスは、以下の三つの性向を併せ持つ。

  • 生活態度 - 古代ギリシア語のエートスが、「習慣」を意味しているように、エートスは、それにふさわしい行為を営む中で体得される「習慣によって形作られた」行為性向である。社会化によって人々に共有されるようになった行為パターンないし生活形式ともいえよう。
  • 心的態度 - しかし、ある行為がいくら機械的に反復されてもエートスは作り出されない。その行為性向は意識的に選択される必要があるからだ。この「主体的選択に基づく」行為性向がエートスである。
  • 倫理的態度 - そして、この行為を選択する基準が「正しさ」である。「正しい」行為とは、内在性の基準(行為に固有の価値)が選択され、(目的達成の手段ではなく)行為それ自体が目的として行なわれるような行為のことである。外的な賞罰なしには存続しえない行為性向はエートスではない。したがって、エートスの究極的な支えは個人内面にある。

こうした行為性向の中で、習慣の契機が強調されると、エートスは、文化人類学における「文化パターン」概念に生まれ変わり、選択性あるいは主観性の契機が強調されると、エートスは倫理学における倫理・道徳概念へと転化することになる。これに対し、ヴェーバー社会学は、倫理的態度を生活態度の特定の方法的・合理的な在り方と捉えることで、以上の性向を総合的に認識しようとするものである。

脚注

  1. ^ (116)ゾンバルトの言葉が響く”. 産経ニュース (2021年12月11日). 2021年12月11日閲覧。

関連項目


エトス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 05:32 UTC 版)

宇宙戦艦ヤマト 復活篇」の記事における「エトス」の解説

ゴルイ エトス星艦隊司令長官強権振りかざすSUS国のやり方疑問感じている。第3次移民船団攻撃参加するが、自らを犠牲にしても移民船団を護るヤマト敬意を表するうになる武人の心を持ち優秀な敵、味方に対して敬意を表するという文化持ち続ける。 SUS反旗を翻しアマール星を急襲したSUSとの戦闘戦死シーガル艦長 ゴルイ艦隊旗艦シーガル艦長金髪青年で、ゴルイ意志汲み取る優秀な軍人であり、優秀な敵(ヤマトに対して敬意を払う

※この「エトス」の解説は、「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」の解説の一部です。
「エトス」を含む「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」の記事については、「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「エトス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



エトスと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「エトス」の関連用語






6
気風 デジタル大辞泉
58% |||||



エトスのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エトスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエートス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの宇宙戦艦ヤマト 復活篇 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS