東京ガス 石川 1勝 視察のDeNA高田GM「成長している」

[ 2013年7月14日 06:00 ]

<四国銀行・東京ガス>力投する東京ガス先発・石川

第84回都市対抗野球1回戦 東京ガス3―1四国銀行

(7月13日 東京ドーム)
 1回戦3試合が行われた。2年ぶり出場の東京ガス(東京都)は、四国銀行(高知市)に3―1と逆転勝ち。今秋ドラフト候補のエース・石川歩投手(25)が7回5安打1失点、8三振を奪う力投を見せ、2年ぶりの初戦突破を決めた。また、JFE西日本(福山市・倉敷市)と三菱重工名古屋(名古屋市)も2回戦に進出。14日も1回戦3試合が行われる。

 調子が悪くても簡単に崩れない。石川が確かな成長を示した。初回1死満塁を最少失点で切り抜けると、尻上がりに調子を上げ7回5安打1失点。チームを2年ぶりの2回戦進出に導いた。

 「球が走らずに上ずってしまった。立ち上がりはいつも悪い。勝って良かったけど、次は修正していきたい」

 最速150キロを誇る直球は145キロ止まり。得意のシンカーの制球もいまひとつだったが、2回以降は110キロ前後のカーブを効果的に織り交ぜて緩急をつけた。4回は1死から相原、小野和を変化球で連続三振に仕留め完全に波に乗った。

 東京ガスに入社した11年の都市対抗は東日本大震災の影響で京セラドームでの開催。石川は「2年前は最悪でした」と振り返る。チームは伯和ビクトリーズとの1回戦にサヨナラ勝ちしたが、自身は先発して3回3失点でKOされた。2回戦のJR東海戦では出番はなくチームも敗退。昨年は出場を逃しただけに、待ちに待ったリベンジの舞台だった。初体験の東京ドームで、今度は好投して白星。ただ「少しは雪辱できた。でも、優勝を目指しているのでまだまだ」と満足はしていない。

 楽天・田中、広島・前田健らの黄金世代と同じ88年生まれの今秋ドラフト候補右腕。視察したDeNA・高田繁GMは「成長しているね。今年は結果も残している」と評価した。中部大時代もプロから注目されたが志望届を出さず、社会人2年目の昨年は指名漏れ。「プロには行きたいとずっと思ってきた。もっと直球で勝負できるようにしていきたい」。過去最高となるチームの4強超え、その先にある自身の夢へ。石川は真っすぐ突き進む。

 ◆石川 歩(いしかわ・あゆむ)1988年(昭63)4月11日、富山県魚津市生まれの25歳。小3から野球を始め、魚津西部中では軟式野球部に所属。硬式野球は滑川からで、3年夏は富山大会3回戦敗退など甲子園出場なし。中部大では1年春からリーグ戦に登板して通算15勝、4年春に防御率0・69で1位、2年春は全日本大学選手権8強。11年に東京ガス入社。家族は祖父母と両親、姉、弟。1メートル85、70キロ。右投げ右打ち。

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