大相撲の賭博問題で、日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、特別調査委員会が提示した処分の勧告案を受け入れることを決めた。野球賭博に関与した大関琴光喜と大嶽親方(元関脇貴闘力)に対しては「解雇以上」(解雇か除名)で懲戒処分の手続きに入る。7月4日の臨時理事会、評議員会で2人の解雇以上の懲戒処分が決まれば角界追放となる。

 名古屋場所の開催条件だった勧告を受け入れたことで、名古屋場所(7月11日初日・愛知県体育館)を予定通り開催すると発表した。

 琴光喜と大嶽親方の懲戒処分については、相撲協会外部理事で特別調査委員会の伊藤滋座長(早稲田大特命教授)が記者会見で明らかにした。

 野球賭博に関与し、調査委から厳罰を求められた時津風親方(元幕内時津海)については「降格以上」で懲戒処分の手続きを始める。

 大嶽親方は28日の理事会の前に相撲協会に退職届を提出したが、受理されなかった。特別調査委は同親方が野球賭博などで膨らんだ借金の返済に困り、大関琴光喜関から2000万~3000万円を借りていた事実を把握。関係者によると、同親方は琴光喜関が仲介役に求めた勝ち金500万円について「自分の野球賭博によるものだった」と説明していたことも分かった。