99年に解散したロックバンド聖飢魔IIが2日間限定で「再集結」し、東京・両国国技館でチャリティーライブを開くことが22日、分かった。魔界にいる「悪魔集団」の同バンドがチャリティーイベントを主催するのは初。大震災など数々の難局に見舞われている日本へ強力なエールと勇気を送るため、デーモン閣下ら悪魔が人間界への“降臨”を決めた。賛同した氣志團やNOKKOら多くのアーティストも参加。収益は全額被災者のために寄付するという。

 解散していた聖飢魔IIの5悪魔が「再集結」するのは、11月30日と12月1日の2日間。両国国技館でチャリティーライブイベント「聖飢魔IIPresents

 Tribute

 to

 JAPAN」(両日午後6時開演)を開催する。

 「魔界の悪魔集団」である聖飢魔IIはチャリティーを「人間界」のためにすることはなかった。95年の阪神淡路大震災後にチャリティーイベントに出演したことが1度あるが、今回のように、同種のイベントを自分たちで主催するのは初めて。

 東日本大震災や自然災害など数々の国難に見舞われている日本に対してエールを送り、被災者を力づけるために、魔界から人間界へ“降臨”して再集結し、一時的に復活して音楽を届けることを決意したことが理由という。

 ボーカルのデーモン閣下は今年5月、宮城県石巻市の被災地を単独で訪れ、現地で歌を歌ったり、ネット中継機材を調達し、相撲評論家として、被災者に相撲を視聴してもらうなどのボランティア活動をしたという。閣下が被災地の状況を目の当たりにしたことも「限定復活」決意の背景にあるようだ。

 賛同したアーティストも多数参加予定。初日には元レベッカのNOKKOやMAN

 WITH

 A

 MISSION、カリガリらが、2日目には初共演となる氣志團のほか、田村淳がボーカルのjealkb、ROOKiEZ

 is

 PUNK’Dらが出演し、インパクトのある大型イベントになりそうだ。また、相撲評論家であるデーモン閣下は以前から「両国でミサ(ライブ)をやりたい」と言っていたといい、一層熱が入る会場になる。

 聖飢魔IIは99年に解散。「地球デビュー25周年」だった昨年は期間限定で再集結し、国内外約20カ所でツアーをしたが、年末に解散していた。収益は全額、被災者のために日本赤十字社に寄付するという。関係者によると今回、デーモン閣下らは「魔界から自分たちが2日間再集結すること」そのものがメッセージとして、言葉で何かを事前に語ることはしていないという。