担当記者たちの心に響いたコメントをまとめた年末恒例の「言葉の力」を、今年も3回に分けてお届けします。
第3回はメジャー、侍ジャパン、アマチュア編です。
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ドジャース 大谷翔平
「自分のチームを好きだからこそ、相手チームの選手にブーイングしたりすると思うので。そういう熱量っていうのは、ドジャースファンでもブルージェイズのファンでも、野球好きなんだなって。そういうリスペクトを逆に感じるところかなと思います」
(4月26日、前年のFA交渉で最終候補まで残っていたブルージェイズを相手に本塁打。敵地ファンからの大ブーイングを前向きに捉えた=斎藤庸裕)
ドジャース 大谷翔平
「全員がそこを目指して頑張っていると思うので。1年の集大成として、やっぱり自分自身の、野球人生の中の1つとしても大きなものかなと思います」
(10月24日、ワールドシリーズの前日会見で。世界一の位置づけについて、心境を明かした=斎藤庸裕)
ドジャース 大谷翔平
「今年1年で言えば、ほぼ満点に近い。チームとしてやっぱり結果を出したのが満点に近い要因の1つ」
(11月21日、DHでは史上初、2年連続の満票でMVP獲得後の質疑応答で。個人成績とチームの勝ちが絡み合った24年シーズンの充実感を示した=斎藤庸裕)
ドジャース 大谷翔平
「いいことも悪いこともほとんど忘れているので、1戦目の全体的な感じも忘れてますし、短期決戦は特に、終わったことは、全部終わったあとに振り返ればいい、そんな感じなので。本当に明日勝つことだけに集中して出来ていれば今はいいかなと思います」
(10月10日、宿敵パドレスとの決戦を前に、独特の考え方を示した=斎藤庸裕)
ドジャース 大谷翔平
「後がないとかっていう感覚自体が今の僕には特にないかなと思うので。2連勝すればオッケーっていう、そういうゲームだと思ってます」
(10月8日、地区シリーズのパドレス戦で1勝2敗とされ、負けられない状況となった中で示した勝者のメンタリティー=斎藤庸裕)
パドレス ダルビッシュ有
「ヒットを打たれた後に、自分の中でニコッとしてしまって、なんだかんだ情が入ってたんだなと思う」
(3月20日、韓国での開幕戦で親交のあるドジャース大谷と対戦し、第2打席で右前打を許して。人間性が垣間見えた=斎藤直樹)
パドレス ダルビッシュ有
「人生で言うと死ぬ間近。だから、死にたくないというところが強くて、野球の中で年齢もそうですけど、年齢に負けて消えていくというのは…。なるべくもがきたい、というところがあるので」
(10月11日、ナ・リーグ地区シリーズ第5戦で敗退。38歳にして、なお前向きな姿勢について=四竈衛)
カブス 今永昇太
「球宴に選ばれるようなトップ選手でも、この試合前にしっかりと準備をしている。フィジカルに劣る自分が準備を適当にはできないなと、この2日間で勉強できました」
(7月16日、初めての球宴で登板した後の感想=水次祥子)
侍ジャパン 牧秀悟
「いろんな国の人に名前を知られているのはうれしい。面白いかは分からないけど、自分らしく代表ユニホーム着て出られる限り出たいし努力したい」
(プレミア12で海外メディアからインタレスティング・ファニー・ボーイと呼ばれるほど人気上昇)
侍ジャパン 辰己涼介
「診断は骨折れてるって言われたんですけど、痛みは特にないですね」
(11月18日、プレミア12のドミニカ共和国戦の試合前のぶら下がり取材で。同17日キューバ戦で受けた右肘の死球に謎の骨折宣言。18日同戦は欠場も、21日米国とのスーパーラウンドから先発復帰)
侍ジャパン 井端弘和監督
「選手は9試合、非常によくやってくれた。勝たせられなかったのは私の責任。勝てなかったことを各選手胸に刻んで、これからも頑張ってもらいたい」
(11月24日プレミア12決勝台湾戦で敗れ、26年WBCで世界一奪還を期した)
侍ジャパン 井端弘和監督
「俺は知ってるぞ !最終日に吉見(投手コーチ)に怒られてたことを。そんなところが今後の課題」
(8月28日、兼任するU15W杯初優勝会見で、未来のプロ野球選手候補もお年頃の中学生に、期待を込めて最後の叱咤=しった=激励)
慶大 清原正吾
「今までのお父さんは本当にとがってて、怖くて、意地っ張りで頑固だったんですけど、事件を経て、ほんとに円くなって優しくなって。僕は長男として、お父さんをもう1回元気づけてやろうっていうふうに思ったんです。野球っていうツールがバラバラの家族を戻してくれました」
(4月、紆余=うよ=曲折あったプロ通算525本塁打の父和博氏について語る=金子真仁)
東大 渡辺向輝
「春に中継ぎでそれなりに活躍して、エスコンフィールド開催の6大学オールスターに行けることが決まった。父親が現役の頃なかった球場で、投げる権利を得られた。まず1つ、自分の中でちょっと勝てたなって。大学生の頃の父親までは、まず絶対に追いつこうって」
(12月、「ミスターサブマリン」として下手投げで活躍した元ロッテの父俊介氏について語った=佐瀬百合子)
早実 和泉実監督
「甲子園は優しいね、みんなに。負けたあとの声援は心に刻みました。生徒の頑張りを見ると本当に感極まるね。両チームの生徒が美しかった。一生懸命な姿は、今日見ていただいた方の目に焼き付けられたんじゃないかなと思います」
(8月17日、甲子園3回戦、大社戦。延長11回、タイブレークの激闘の末、2-3でサヨナラ負け後に=保坂淑子)
健大高崎 箱山遥人
「もう2度と高校野球ができない…。すごい、悲しいです…。すごく幸せな2年半でした。この先、大観衆の中で熱い気持ちを持って泥くさくやる野球は、2度とできないと思うので」
(8月14日、甲子園2回戦で敗れ、インタビューで絶叫と号泣=金子真仁)
京都国際 小牧憲継監督
「子どもたちからこんなおっさんに素晴らしい夏休みをもらえた。本当にありがとうのひと言です」
(8月23日、夏の甲子園で初優勝を飾り、お立ち台で発した言葉。うれしさと個性が詰まっていた=古財稜明)
大商大 渡部聖弥
「すごいなぁって思いと、悔しい思い。でも、悔しいが大きい方が成長できる。逃げるより見に行った方が、もっと悔しくなれて頑張れる」
(関大・金丸、青学大・西川ら同世代が参加した3月の侍ジャパン壮行試合を京セラドーム大阪で観戦。10月のドラフトでは西武から2位指名を受ける=中島麗)