元日に初勝利を挙げた茂木浩幸調教師(44)。この世界に飛び込んだきっかけは「テレビをつけたら、たまたまナリタブライアンが勝った朝日杯3歳Sの直線だったんです。『なんだこれ、めちゃくちゃかっこいいな』と思って」。93年の暮れに初めて競馬を知り、どっぷりはまったという。

その後も「たまたま」が重なった。高校では「競馬部だと思った(笑い)」と馬術部に入り、卒業後は栃木県の乗馬クラブに就職。7年ほど勤めていると、馬術部の厩舎が浦和の野田トレセンにあったことが縁で川崎の足立厩舎で厩務員を探している話が舞い込んできたという。足立厩舎では浦和記念を含む重賞4勝を挙げたブルーラッドなどを担当。足立厩舎の解散後は山崎尋厩舎、林隆厩舎の厩務員を経て、16年に調教師補佐試験に合格した。「林厩舎ではホースマンシップを学んだり、フランスに研修に行かせてもらえたり。補佐でもいろいろとチャレンジさせてくれました」。

昨年の調教師試験に合格して4月に調教師となり、11月に厩舎を開業。「馬も人もあまり飛び級させないようにやっていきたいなと思います」。適性を見極めていく方針だ。【牛山基康】