続 8 「 嫌われる勇気 」 人生が変わるアドラー心理学 2014-12-23
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117.アドラーとお金の関係 2014.12.23
「嫌われる勇気」 しか、読んでいないと、アドラーとお金が、結びつくことは、ないでしょう。
しかし、アドラーも 「お金に精通したユダヤ人」 だったはずです。
同じ、オーストリア系ユダヤ人の、アインシュタイン博士も、勤務先として、報酬の高い大学を、望んでいました。
どんなに立派な偉人であっても、生活者であることに変わりはなく、お金との関係を、切り離して、考えることはできません。
ここで、 「嫌われる勇気」 の後、お勧めする本 を、ご紹介します。
中野明著 「勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本」 です。
なぜ、この本がよいのかと言うと ・・・
「嫌われる勇気」 が、ベストセラーになったことを前提に、異なる角度から、書かれているからです。
実は、中野さんの本には、ずいぶん、助けられています。
ドラッカー、ポーター、クリステンセン、シュンペーターなど、難解な理論は、中野さんの本を通じて、理解を深めました。
難解、かつ複雑な理論を、わかりやすく、単純に説明 する才能に、大変、恵まれた方です。
この本も、その長所が、いかんなく発揮されています。
「嫌われる勇気」 に、書かれていない内容の1つとして、アドラー渡米後の生活が、紹介されています。
1929年、アドラーは、米国永住を決意します。
その後、アドラー心理学は、米国で、大人気となります。
1930年代半ばには、 全米で最も高収入の講演家として、お抱え運転手付きの高級車で、移動 していたそうです。
講演料は、聴衆と主催者にとっては低く、講演者にとっては高く、あって欲しいものです。
アドラー講演料の高騰化には、アドラー自身の希望も、強く反映 されていた、にちがいありません。
お金は汚いものではなく、人生にとって、非常に大切なものです。
だからこそ、 「お金と自由」 の関係について、正しく理解し、人生に役立てたいものです。
以前、ご紹介した、加瀬英明著 「ユダヤ人の知恵」 には、ユダヤ人のお金に対する考え方も、書かれています。
また、 ユダヤ商法についても、簡単に説明 されています。
興味のある方は、ぜひ、ご一読ください。
下手なマーケティング本や、儲け本より、はるかに役立つことでしょう。
118.「かせぐ」 「つかう」 「ためる」 2014.12.25
お金と、上手につきあえば、私たちは、心身ともに、多くの自由を、手にすることができます。
しかし、 お金に囚われすぎると、主従関係が逆転し、お金の奴隷 になってしまいます。
健全な関係を維持するためには、お金に対しても、強い主体性を発揮すること。
つまり、お金に対して、精通し、使いこなすことです。
そのためには、まず、自分自身の現状について、次の3点から、客観的に評価してみましょう。
「① かせぐ」 「② つかう」 「③ ためる」 。
さらに、お金を、 「金額」 と 「内容」 に分けて、検討する。
そこから導き出した方法を実践し、結果と状況に応じて、改善を続けることでしょう。
お金を 「金額」 から検討すると、その公式は、いたって、シンプルです。
「① かせぐお金 ≧ ② つかうお金」 、一生を通じて、これなら、OKでしょう。
ただし、老後は収入が減るため、 「① かせぐお金 ≦ ② つかうお金」 になります。
だから、現役時代は、 「① かせぐお金 − ② つかうお金 = ③ ためるお金」 を、増やしておく必要があります。
お金に対する執着は、 「不足している」 という感覚から、生じるものではないでしょうか。
実際に不足している場合は、 「① かせぐ」 を増やすか、 「② つかう」 を減らす しかありません。
収入のコントロールが難しい、主婦やサラリーマンの方は、後者の方法に偏りがちです。
何れにしても、実際の状態と、自分の感覚が、ほぼ一致している場合は、健全と言えます。
しかし、実際には不足していないのに、お金に対して、強い執着をもつ 人も、少なくありません。
過剰な 「浪費癖」 をもつ人の中には、自分でつかうために、他人から奪うことに、熱心な人もいます。
過剰な 「貯蓄癖」 をもつ人の中には、心の底に人間不信があり、人よりお金といった信念を、明確にもつ人もいます。
どちらも、自己愛の強いタイプで、精神的に不健全であり、お金との主従関係が、逆転しています。
「① かせぐ」 「② つかう」 「③ ためる」。
バランスよくいきたいと ころですが、 人間誰しも、何れかに偏ったり、苦手としている ものです。
まずは、自分自身のことを、よく知って、実際にお金が不足していたら、生活態度を見直す。
お金に対して 「不足している」 という感覚が過剰であれば、考え方を見直すべきではないでしょうか。
119.お金を 「内容」 から、検討する 2014.12.27
お金について、さらに、 「内容」 から、検討してみましょう。
「① かせぐお金」 が、不労所得だけの場合、生活は保障されますが、人生の充実感は、今ひとつ です。
なぜなら、共同体に対する 「貢献感」 と 「所属感」 が、得られにくいからです。
このような理由で、私は、不労所得に対して、まったく興味がありません。
逆に、共同体に対する 「貢献感」 と 「所属感」 が、得られやすいのは、 「労働」 です。
「嫌われる勇気」 にも、働く資産家が、例として、紹介されていました。
特に、少人数の職場では、1人の存在が、重要視されるものです。
また、 労働に携わっていると、様々な成長の機会に、出会う こともできます。
また、お金を 「① かせぐ」 方法として、 他人を欺いたり、反社会的な仕事も、よくありません。
金額の大小にかかわらず、やめることです。
このような仕事は、共同体に対して、損失を与えるものです。
動機は利己的なものであり、共同体に対する 「貢献感」 「所属感」 とは、正反対のものと言えます 。
「② つかうお金」 については、内容を区分すること。
お金の使い方には、 「投資」 「消費」 「浪費」 があります。
「投資」 とは、将来のためになる支出や、心を豊かにするための支出。
「消費」 とは、生活に必要なものに対する支出であり、 「浪費」 は避けるべき支出のことです。
若い頃は、 「③ ためるお金」 を気にせず、どんどん、自分に「投資」すべき です。
私は、50 代半ばですが、過去数年間を振り返ると、毎年、 18 〜 45 万円の本を、購入しています。
アドラーは、亡くなる直前まで、人間は生まれ変われると、言いました。
つまり、生きている限り、成長できるということです。
一方、 「③ ためるお金」 について、私に語る資格が、あるのかどうか。
あくまで、一般論としては、貯蓄があると、もしものときに、備える ことができます。
また、浪費を防止し、お金の大切さを知ることもできます。
ただし、貯蓄は目的ではなく、人生や生活のための、一手段ということを、忘れないことでしょう。
120.なぜ、 「1 円」 にこだわるのか 2014.12.30
「嫌われたくない」 という思いが強いと、人間は、相手に近づこうとします。
しかし、相手に近づきすぎると、本当の姿が見えにくくなります。
だから、 相手との間には、適当な距離が必要 と、 「嫌われる勇気」 にも、書かれていました。
実は、お金についても、同じことが言えます。
お金は大切なものですが、小さなお金にこだわると、もっと大きなお金や、もっと大切なものが、見えなくなります。
私は、20年以上、税理士をしています。
しかし、 小さなお金にこだわる人で、かつ、物心ともに豊かな人生を送る人に、未だ、出会ったことがありません。
反対に、コピー紙の裏を使うなど、小さなお金に、目の色を変える人には、数多く、出会っています。
なぜ、1 円にこだわるのでしょうか。
言い換えれば、なぜ、 「金額」 には、関心が高いのに、 「内容」 には、関心が低い のでしょうか。
それは、わかりやすいからです。
金額は、円という単位で、数値化されており、金額の大小は、小学生でも、わかるからでしょう。
一方、お金の内容については、わかりにくいものです。
人格や人生にも、影響を及ぼしますが、見えにくく、わかりにくいものです。
お金に対して、 「精通」 を目指すなら、この 「わかりにくい部分」 に、注目 しなければいけません。
わかりにくいものを、理解するためには、学習と経験によって、知恵を身につける必要があります。
たとえば、 「損して得を取れ」 と言われます。
これは、 「目先の小さな利益を譲り、より大きな利益を目指せ」 という意味では、ないでしょうか。
また、 歴史を振り返れば、お金に関する教訓など、無数にあり、そこから、多くを学ぶ ことができます。
さらに、自分の過去を振り返れば、お金に対する、自分の傾向を、見出すこともできます。
継続的に、お金をかせぐためには、健全な方法でなければいけません。
そのためには、健全な精神を持った人たちから見て、自分が 「好ましい人間」 に、ならなければいけません。
もし、守銭奴のような、自己愛に満ちた存在であれば、おそらく、敬遠されることでしょう。
1 円にこだわる暇があったら、人生にとって、もっと重要なことに、こだわりを持ちたい ものです。
121.お金を 「異なる単位」 から、とらえる 2015.01.06
お金に精通するためには、お金の仕組みを、知らなければいけません。
言い換えれば、それは、 「世の中の仕組みを知る」 と言っても、過言ではありません。
私が、税理士として、 よく目にする間違った例 を、いくつかご紹介します。
頭の体操レベルで、読んでいただければ、幸いです。
1番目は、 コピーの裏紙の使い方。
目先の損得だけで考えると、コピーした紙の裏を、もう一度、印刷に利用しても、おかしくはありません。
しかし、裏紙を使うと、紙がつまりやすくなります。
この処理に、一体、いくら、コストがかかるのでしょうか。
従業員にかかる人件費は、賃金の他に、通勤手当、社会保険料など、多くの経費がかかります。
これらを含めると、 年収 450万円の従業員で、1秒あたり約 1 円のコスト になります。
もし、コピー紙がつまり、その対応に 10 分かかったとすると、 600 円 のコスト増になります。
これは、用紙1枚当たり 50 銭とすると、 1,200 枚分のロスと、同様の結果になります。
また、裏紙を使うと、コピー機の耐用年数を縮めます。
1 回の 修理に 2 万円かかるとすると、用紙にして 40,000 枚分のロス。
さらに、修理をしている間、利用できないことによる、人件費のロス。
買換時期が早まれば、もっと大きなロスが発生します。
紙の節約のために、裏紙を使うのは、資源やエネルギーの観点から見れば、悪い話ではありません。
しかし、コスト面から見ると、正解とは言えないでしょう。
なぜなら、 人件費等において、それ以上のロスが発生する、可能性が高い からです。
さらに、このレベルで満足していると、効果的なコスト・ダウンへ進むことはありません。
現在の日本で、最も高騰したのは、人件費です。
だから、人件費を無視して、モノベースだけで、コストを考えるのは、まったくの間違いです。
また、人件費の基本的な算定方法は、「時給×労働時間」です。
つまり、 目に見える 「モノの価格」 よりも、目に見えない 「労働時間」 が、ポイントになります。
122.「発言者の利益」 を考える 2015.01.07
私たちは、他人の発言に対して、ほとんど疑うことなく、正しいと信じがちです。
「あなたの悪口を、Aさんが言いふらしている」 と、誰かから、言われたとします。
すると、事実を確認することなく、相手を避けたり、悪く思うのではないでしょうか。
このような方法で、 他人の人間関係を悪化させるのは、太古の昔から、よくある話 です。
相手の発言が、事実であるかどうかは、別として、相手の発言を、鵜呑みにするのは、危険と言えます。
アドラーの目的論を、拡大解釈すれば、その 発言には、必ず目的がある はずです。
その隠れた目的を、十分、推測した上で、行動すれば、過ちを避けることができます。
推測の正確性を、高めることも、人生の課題と言えます。
たとえば、2015 年 1 月 1 日、相続税法の改正により、事実上、増税されました。
これに伴い、銀行や証券会社までもが、節税対策キャンペーンを、行っています。
なぜ、税理士でもない企業が、このようなことを行うのか。
このような意味を、直観できるようになると、騙される確率が大幅に減少 します。
銀行や証券会社が、専門外の分野に、首を突っ込んでくる目的は、どこにあるのでしょうか。
それは、善意とか親切ではなく、 「自社の金融商品を売りつける」 ・・・ ただ、その利益のため だけです。
税理士法の関係で、そこには、税理士が、同席しているはずです。
しかし、金融機関と組んで商売をしていますから、金融機関や金融商品のことを、悪く言うはずがありません。
ここで思い出して欲しいのが、リーマン・ショック。
金融機関が、無責任に売りさばいた商品で、大損害をこうむった人も、少なくありません。
しかし、金融機関は、一切、責任を負いませんでした。
喉もと過ぎれば、すっかり忘れるのではなく、 金融機関の性質について、学習すべき です。
誰かの発言に対して、操作や要求など、隠された意図 (悪意) がわかると、不毛な人間関係を、見抜くことができます。
反対に、他意もなく、気軽につき合える相手が、誰なのかも、見抜けるようになります。
ただし、相手に求めるのではなく、自分自身をしっかりさせることが、まずは、第一 です。
人間はお互いに不完全、許容範囲を拡げることも、自分自身の課題ではないでしょうか。
123.「貧乏」 より 「大金」 に注意する 2015.01.09
多くの人は、貧乏を恐れて、大金に憧れます。
しかし、 日本人は、貧乏には、意外に強い ものです。
おおむね、それなりに順応して、生きていきます。
私の事務所の顧客でも、貧乏が原因で、大事に至った人は、1人もいません。
しかし、臨時的な収入、特に大金には、注意が必要です。
「大金とは、過去に手にしたことがないような大きなお金」 と、ここでは、簡単に、定義しておきましょう。
大金を手にすると、人間は判断力を狂わせる ものです。
それによって、遠からず窮地に陥ります。
具体的に、どのような症状が表れるのでしょうか。
たとえば、生活レベルが上がり、浪費が激しくなります。
また、偉くなったと勘違いし、いばり始める人もいます。
最もいけないのは、謙虚に努力しなくなること でしょう。
一体、いくらのお金までなら、正気、あるいは平常心を、維持できるのか。
これは、人それぞれです。
年収500万円で、狂う人もいれば、P.マッカートニーのように、年収100億円でも、平常心を維持できる人もいます。
この金額が大きくなければ、お金持ちには、なれない訳です。
それでは、大金を手にしたら、何に注意すればよいのでしょうか。
金額面においては、あくまで 「臨時収入」 であって、決して続くものではないと、自覚することです。
人生には好不調のサイクルがあるので、その後、悪い時期が、訪れることもあります。
生活レベルの高騰に、十分、注意して、そのお金を、なるべく残しましょう。
以前、お話したように、成功したときこそ、 「反省」 が求められます。
反省とは、これまでの経験を、客観的に分析し、将来に生かすためのものです。
ドラッカーのいうとおり、 「予期せぬ成功」 には、成功のためのヒントが、隠れている可能性があります。
1つの成功に踊らされることなく、反省を徹底し、そこからヒントを見出し、その成功を、継続的なもの にしましょう。
124.「生命保険」 の掛けすぎに注意 2015.01.14
人生の中で、最も高い買い物、と言えば、 「不動産」。
2番目が 「生命保険」 で、3番目が 「自動車」 でしょう。
「不動産」 と 「自動車」 を、購入する場合は、十分、注意して、検討するものです。
しかし、 「生命保険」 は、複雑怪奇なので、外交員の言われるまま かもしれません。
私は、外交員の言われるままでも、悪くはない、と考えています。
ただし、相手が 「生命保険に熟知」 し 「自分自身の状況を理解」 してくれており、 「良心的」 であれば、という条件付きです。
外交員の中には、恐ろしく無知な者もいれば、自分が得る、手数料収入の高いものだけを、押し売りしてくる者もいる からです。
また、飛び抜けた成績の外交員は、途中解約せざるをえない、高額な保険を勧めてくる、傾向があります。
外交員を選ばないと、このような被害に、遭いやすいものです。
さらに、生命保険のリスクを高めているのは、毎月、支払うおかげで、少額だと、勘違いしてしまうこと。
結果が出るまでに、時間がかかるため、説明内容と異なっていても、外交員の責任を問えない こと。
契約した本人が死亡し、保険金を得るのが、遺族のため、結果に対して、無関心なことなど。
また、市販の本を読んで、細かい数字まで、詳しく語る人もいます。
「A社のこの商品は、B社の同じ商品より、いくら得する」 など。
何でもそうですが、自分で理解するのは、大切なことです。
ただし、人間は、 自分の知恵の範囲内でしか、理解できないので、最後は、信頼できる専門家の意見に、従う べきです。
私は、生命保険のことを 「絵に描いた餅」 、または 「気休め」 ぐらいにしか、考えていません。
今、亡くなったとしても、1千万円の保険金収入と、住宅ローンの団信弁済のみです。
もし、原因がガンであれば、つき合いで加入した保険金が、さらに入る予定ですが、我が家は、ガンの家系でもありません。
家族の年齢などから、これくらいの金額で、十分ではないでしょうか。
子供たちには、人並みの財産が残せれば、上出来でしょう。
自分の人生は、自分自身で責任をもって、積極的に切り開いていく ・・・ これが、アドラー流です。
知恵をつけて、社会に役立つ仕事を、たくさんしていれば、生活費に不自由することなど、ありえません。
過剰な財産よりも、生きることの厳しさを知ること、それを乗り越える知恵と勇気の方が、はるかに重要だと、私は考えています。
125.生命保険は 「目的」 別に入る 2015.01.15
私自身、個人的には、生命保険に、関心がありませんが、仕事では、日常的に関わっています。
今回は、保険の選び方について、少し、お話をします。
重要なのは、 「どのような目的で、加入するのか」 を、明確にする ことです。
それによって、より効果的な選択ができるはずです。
たとえば、子供が自立するまでに、一家の主が亡くなると、家族に大きな負担をかけます。
もし、そのための保障が、目的であれば、ポイントは 「死亡保険金」 にあります。
他の条件はさておき、まずは 「死亡保険金」 の、大きな商品を、選ぶ べきでしょう。
解約返戻金のない、いわゆる 「掛け捨て」 の生命保険は、一般的に 「死亡保険金」 の額が、大きいものです。
また、法人の節税対策など、一時的に経費を増やすことが、目的のケース。
ポイントは、 「解約返戻金」 にあります。
解約返戻率が高いのは、もちろんですが、かつ、返戻率のピークが、長期間に及ぶものが、理想と言えます。
これによって、 自社の都合に合わせて、最適な時期に、解約する ことが、可能になります。
生命保険に求めるものは、人それぞれ、また、同じ人でも、年齢や状況によって、異なります。
死亡保険金、解約返戻金、満期返戻金、病気・怪我に対する保障、節税効果など。
これら、 すべてを、1つの商品だけで、十分に満たすのは、不可能 です。
優先順位の高いものから、それぞれ、保障内容の大きなものを、選択すべきです。
たとえば、親族に、ガンを患う人が多ければ、必ず、ガン保険に、入っておきましょう。
ガン保険は、ガンの場合しか、保険が支払われません。
このように、支払条件が限られているものほど、低い保険料でも、高い保障が、受けられます。
反対に、 あらゆる病気に対応する保険を選ぶと、同じ保険料でも、小さな保障しか、受けられない はずです。
最後に、リスク分散について。
生命保険会社が倒産すると、他の生命保険会社が、契約を引き継ぐことがあります。
ただし、一度、倒産すると、保障額が20%減ると、言われています。
リスク分散のために、複数の会社の商品、できれば異なる国の会社のものを、選択 しておきましょう。
126.支出は 「金額」 「内容」 「現状」 から、判断する 2015.01.16
日常生活の中で、数多くの支出が、発生します。
何も考えずに、支払っていると、資金ショートを起こします。
そこで、 何らかの基準を設けて、制限 します。
その基準として考えられるのは ・・・ 「金額」 「内容」 「現状」でしょう。
この中で、多くの人が失敗する原因は、 「金額」 にあるのではないでしょうか。
1つは、金額に囚われすぎるケースと、もう1つは、金額を無視するケース。
何れも、 「内容」 と 「現状」 を、正しく把握していない点に、問題があります。
結果的に、お金と、うまくつき合っているとは、言い難いものです。
たとえば、堅実な生き方をされる人は、金額に囚われすぎる傾向にあります 「内容」 と 「現状」 の点から、検討してみましょう。
もし、 その支出が、将来、起こりうる、致命的な失敗を、避けるためのものであれば、早期に、支払わなければいけません。
そうすれば、支出金額も少なく済みます。
しかし、堅実な生き方をされる方の中には、その支出を、出し渋る 人も少なくありません。
また、現状の把握も、十分ではなく、すでに悪化していたとしても、目を背ける傾向にあります。
その結果、対応が後手にまわるため、最終的に、支出額が大きく膨れあがるケースが、ほとんどです。
生産活動に対する悪影響も、長期化するため、さらに痛手を拡大することになります。
もう1つは、金額を無視するケース。
浪費家の場合は、病気かもしれません。
精神科医や、心理学の専門家に、診てもらうのが、よいでしょう。
もし、 配偶者であれば、離婚という選択肢 もあります。
また、堅実な生き方をされてきた人が、突然、つまらないものに、大金をつぎ込むケースがあります。
騙されている可能性もありますので、ご家族は、警察や弁護士に、相談しましょう。
以前、お話ししたように、 「金額」 の大小は、わかりやすいものです。
「金額」 という簡単な基準だけではなく、 必ず、 「内容」 と 「現状」 についても、検討されるとよい でしょう。
127.お金に精通する 2015.01.18
「心理学とお金は、関係ない」 と、思われるかもしれません。
しかし、太古の昔から、人間の心は、お金の影響を、強く、受けてきました。
さらに、 お金は、つき合い方によって、 「良薬」 にもなれば、 「猛毒」 にもなります。
だから、お金に精通する必要があると、私は考えています。
その点において、非常に優れているのが、ユダヤ人。
彼らが、 一生を通じて学ぶのが、タルムードと呼ばれる、1万頁以上の書物 です。
これをマスターすることによって、ユダヤ人は、生きるための、様々な 「知恵」 を、身につけているようです。
もちろん、お金の本質についても、書かれています。
・ 金は人の欠点を隠してくれる
・ 金は無慈悲な主人であるが、同時にこれほど優れた召使いもいない
・ 金は善人によいことをさせ、悪人に悪いことをさせる
・ 金は何でも買えるから、人に全能になるような錯覚を与える
さらに 「貯蓄」 についても、触れられています。
・ 稼ぐ人よりも、ためる人の方が勝つ
・ 自分の将来を憂えない人は、将来、自分の過去を憂えるようになる
以上は、加瀬英明著 「ユダヤ人の知恵」 からの、抜粋です。
お金に精通するためには、経験と知識からの、2本立てで、いきたいものです。
1つは、 「かせぐ」 「つかう」 「ためる」 という経験、もう1つは、本などからの知識。
本を読む場合は、長い歴史を耐えぬいた名著など、優れたもの を、選択しましょう。
日本の、にわか成金さんの本は、親しみやすいですが、 「その時、たまたま、本人だったから」 という、条件付きかもしれません。
また、本人が著作権で儲けたり、高額なセミナーに導くために、書かれた本 (小説) もあります。
ロバート・キヨサキ著 「金持ち父さん 貧乏父さん」 の内容を、実践して、大損をされた人もいるでしょう。
私たちが、心の自由を追求するとき、お金の問題は、避けて通れないものです。
お金の本質、人生に及ぼす影響、自分自身の傾向などを知り、豊かな人生の実現に、役立てたい ものです。
D.最後の1秒まで、成長を目指す
127.「成長」 とは、何よりも楽しいもの 2015.01.19
アドラー心理学によれば、亡くなる2、3日前まで、人間は変わることができるそうです。
よい方向へ変わることを、私は 「成長」 と、呼んでいます。
つまり、 人間は、何歳になっても、成長する ことができる。
このように、考えています。
私は、成長するのが、何よりも好きな人間です。 向上心が強い訳でもなければ、成長を義務と感じるほど、真面目な人間でもありません。
動機はただ1つ、 成長すると、人生が楽しくなる からです。
「楽しくなる」 には、2つの意味があり、1つは 「楽になる」 と、もう1つは 「面白くなる」 。
実は、成長すると、物事の真意や、真実の姿が、見えるようになります。
たとえば、この本に書かれていた、 「容姿を気にする若者」 。
成長すると、 「自分の顔を気にするのは、自分だけ」 と、気づく ことができます。
足を引っぱっていたのは、自己への執着、自己中心性 ・・・ つまり、自己愛でしょうか。
また、20代前半で、成長が止まる人も、少なくありません。
このような人たちの中には、数十年もの間、生活費を稼ぐためだけに、いやいや仕事をしている、人も見かけます。
反対に、成長を続けている人たちは、仕事の中に、喜びや楽しみを、見出すことができます。
アドラー心理学の 「共同体感覚」 「貢献感」 を、マスターすれば、必ず、やり甲斐に出会える はずです。
人生のどん底にいる人の場合は、どうでしょうか。
お金にも、財産にも、愛情にも、友情にも、運にも、ツキにも、見放された人。
このような人にも、平等に与えられているのが、 「成長」 です。
成長するか否かは、自分自身の課題ですから、自分が成長すれば、そこから抜け出すことができます。
幸せは、どこか遠くへ出かけると、手に入るもの、ではありません。
幸せは、今、自分が存在している環境の中に、自分自身で、見出すべきもの です。
だから、変化を求めるべき相手は、他人ではなく自分。
つまり、 「自分自身の考え方を、成長させること」 、 まずは、ここから、スタートすべきではないでしょうか。
128.脳は死ぬまで 「成長」 する 2015.01.20
「20代前半で、成長が止まった人」 、これまで、何度か、このような表現を使ってきました。
特に、学生時代まで、成績がよかった人に、しばしば、見られる傾向です。
このような人が、40代前半を迎えた場合、次の2つの問題を、指摘することができます。
1つは、考え方が 「年齢的に未熟」 、もう1つは、 「20年前の常識のまま」 だということです。
以上は、私自身が、日常の中から、感じたことですが、脳医学の面からも、この点を指摘した本に出会いました。
医学博士、加藤俊徳著 「脳の強化書」 によれば、 脳が最も成長するのは、20〜40代 なのだそうです。
脳細胞の数が、最も多いのは、誕生した瞬間。
その後、ものすごい数の脳細胞が、毎秒、休むことなく、死滅していきます。
もし、この点だけで判断すると、赤ちゃんが、最も賢いことになりますが、そうでありません。
実は、脳細胞の数は、年齢とともに、減りますが、逆に、アミノ酸等の物質が、脳内で増え続けます。
これらの物質を栄養源として、 脳は死ぬまで、成長を続ける そうです。
ここから先は、脳の持つ能力のことを、 「脳力」 と、勝手に名付けて、話を進めます。
それでは、なぜ、高学歴の人の中に、社会に出た後、失速する人が、少なくないのでしょうか。
それは、一部の脳力しか、鍛えていない 点に、あるそうです。
多くの人は、20代前半まで、学校に通います。
学校では、 「決められたことを、求められる通りに、再現する脳力」 だけが、大きく成長します。
一方、社会に出ると、それとは異なる、様々な脳力が、多面的に、求められます。
「決められたことを、求められる通りに、再現する脳力」 だけでは、うまく対応できません。
たとえば、読書の場合、学生時代までは、原文と一字一句違わない、暗記が評価されました。
しかし、 社会人になると、内容を理解した上で、自分の言葉に置き換え、実際に役立てなければいけません。
高学歴の人の中には、過去の成功経験に、固執する人もいます。
その結果、一部の脳力に頼るため、満足な成果が得られなくなります。
脳は各部分で、得意分野が異なりますが、このような違いを認識し、各部分の連携を鍛える と、さらに効果的なのだそうです。
そのためには、異なる経験を、たくさん積み、8つの脳力を、鍛えるべきだと、この本には、書かれいます。
129.20代前半で 「成長」 を止めないこと 2015.01.21
仕事の能力が、最も高まるのは、50 代。
2 、3 年前、どこかで、このような記事を、目にしました。
速さを求められる能力は、すでにピークを越えていますが、総合力では、50 代が、最も優れている。
このような内容だったと、記憶しています。
脳医学の面からは、20 〜 40 代に、成長のピークを迎えることが、わかりました。
また、プロセスと結果には、タイムラグがあるものです。
両者を踏まえた上で、仕事について言えば・・・
「 20 〜 40 代の成長」 の結果として、 「 50 代で最も大きな成果が得られる」 という仮説を、立てることができます。
この仮説から、次の 2 つのことが、考えられます。
1 つ目は、 「 50 代で最も大きな成果を得る」 ためには、 20 〜 40 代の過ごし方が、非常に重要 だということ。
この間、脳を成長させるためには、その目的に沿って、努力をしなければいけません。
それが、 50 代で、仕事のピークを迎えるための、必要条件とも言えます。
努力の方向性としては、学生時代までの、 「決められたことを、求められる通りに、再現する脳力」 に偏らないこと。
なるべく、 多様な経験をして、それによって、脳力を多面的に鍛える ことでしょう。
もし、 22 歳から、社会人としてスタートし、これらの努力を怠り、28 歳で仕事のピークを迎えると、どうなるのでしょうか。
仕事の成果のグラフが、正規分布曲線だとしたら、 34 歳以後は、 「不要な存在」 になる、可能性があります。
2 つ目は、 人生のピークを、さらに、高い年齢まで、遅らせる こと。
20 〜 40 代で、脳の成長ピークを迎えるのは、一般的なケースです。
実際には、自ら、その前に、成長を、止めてしまう人もいます。
であれば、反対に、成長のピークを、遅らせることも、不可能ではないはずです。
脳の成長を、延長することができれば、仕事のピークを、60 代まで遅らせることが、可能かもしれません。
あくまで、机上の空論ですが、61 歳でピークを迎えた場合、社会人として、100 歳まで、通用する可能性があります。
社会保障が削減されつつある今、ここまで準備しておけば、たぶん、大丈夫でしょう。
そのためには、50 歳を過ぎても、新たな経験を積みながら、未知のことを、学ぶ 必要があります。
130.本気で努力している人は、全体の 2.5 % ? 2015.01.22
社会人の中で、 一体、どれくらいの人が、本気で努力しているのでしょうか。
これまで、5 %を目安にしてきましたが、新たに、2.5 % という割合を、発見しました。
統計学上の確率から、求められた数字を、基にしています。
ここから先は、中野明著 「勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本」 からの内容です。
確率分布を、標準正規分布と考えると、標準偏差 ± 1.96 の範囲内に、通常、起こりうる現象の 95 % が含まれます。
残り 5 % は、発生しにくい現象として、棄却されるため、統計学上、 「棄却域」 と呼ぶそうです。
「特によいこと」 「通常の範囲内のこと」 「特に悪いこと」 に分けると、2.5 %、95 %、2.5 %、の確率で起きます。
この本には、 「滅多に起きないことに、気を奪われずに、残り 95%に主眼を置きましょう」 と、書かれています。
ここで、お断りしておきますが、私は、数学に詳しい訳ではありません。
以後の内容が、数学的に間違っていたら、申し訳ありません。
上記の解釈を、人に置き換えると、どうなるのでしょうか。
成長するために、 本気で努力している人が 2.5 %、中間が 95 %、まったく努力していない人も 2.5 % になります。
この数字に対して、2 つの反応が、考えられます。
① 上位 2.5 % に、自分はとても入れないと、怖じ気づく
② たった 2.5 % しか、本気で努力していないなら、自分にもチャンスがある
私は ② と考えています ・・・ なぜなら、この 10 倍の 25 % が、本気で努力していたら、より激しい競争になるからです。
もし、 今日から、成長を目指して、本気で努力すれば、数年後には、上位 2.6 % 当たりに、到達する 可能性があります。
そこから先は、なかなか、順位が上がるものではありませんが。
しかし、上位 2.6 % に入るだけで、かなりの成長と成功を、実感できるはず。
また、ここまでのプロセスにおいて、成長するためのコツが、見つかるのではないでしょうか。
これに近い割合が、税理士試験の最終合格率、約 2 %。
猛烈な学習量が、求められるため、学歴に関係なく、努力の量によって合格します。
成長や成功のために、本気で努力している人の割合が 2.5 %。
案外、真実を表しているのかもしれません。
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