私たちはひとつの家具との出会いをきっかけに、日本のモダンデザインに目を向けることとなりました。それが、昭和を代表する建築家、村野藤吾が都ホテル(現ウェスティン都ホテル京都)のために手掛けたラウンジチェアです。ホテルという特別な空間のために生まれた家具ながら、その佇まいがもつタイムレスな普遍性に私たちは惹かれていったのです。村野の家具がもつ魅力のルーツを紐解くうち、私たちは時の流れのなか埋もれてしまった数多の良作の存在を知ります。
2007年秋、私たちは「JAPANESE MODERN MASTER」と冠したプロジェクトを通じて名品の復刻を行うことを決めました。先達のデザインに学びながら、私たちは、ものづくりの姿勢や受け継ぐべき思想や理念、豊かな生活とは何かを探っています。
なぜ私たちは「JAPANESE MODERN MASTER」に心惹かれるのか。名作の佇まい、生まれた背景、そして現代の暮らしにおける魅力とはなにか。あらためて今の視点で、「JAPANESE MODERN MASTER」の魅力を捉えていきます。

  • #02倉俣 史朗SHIRO KURAMATA

    1934年に東京で生まれた倉俣史朗は、1960年代から90年代にかけて空間デザインやプロダクトデザインにおいて活躍したデザイナーです。 工業的な素材を用いながらも、ポエティックで浮遊感あふれる類を見ないデザインは海外でも高く評価され、いまなおその魅力は色あせることがありません。

    倉俣史朗の家具ラインナップ
    • interview 言葉を超える、イメージのかたち
      Sing, Sing, Sing ほか 語り 須摩光央、二俣公一

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    • interview 言葉とスケッチ
      F.1.86 語り 田根剛

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  • #01村野 藤吾TOGO MURANO

    1891年佐賀県生まれの、昭和を代表する建築家。
    村野は生涯を通じて、モダニズム建築から和風建築、教会など、多岐にわたる300以上もの建築作品を残しました。
    大規模の建築においてもディテールにこだわり、高度な技術による美しい仕上がりを求めた作品には、「人間の手でものを作り上げる」という村野のヒューマニズムをみることができます。その豊かな表現力は、村野が手がけた家具においても遺憾なく発揮されています。

    村野藤吾の家具特集
    • interview ザ・プリンス 箱根芦ノ湖
      SWAN CHAIR 写真・語り 工藤桃子

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    • photography 目黒区総合庁舎
      CHIYODA SOFA 写真・文 鈴木理策

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