ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 ウクライナのルハンシク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州を占領している(全領域ではない)ロシアは、2023年春に、占領地の鉄道を統合する形で、連邦国家一体企業「ノヴォロシア鉄道」=ФГУП "Железные дороги Новороссии"なるものを創設した。上の地図は、しばらく前に出たこちらの記事が、ロシア本土のロストフ、タガンロク、ドネツク州のマリウポリ、ザポリージャ州のベルジャンスク、メリトポリ、そしてクリミアのジャンコイを結ぶ新線の建設を始めたというニュースを伝えた時のものである。

 そして今般、こちらの記事が、ノヴォロシア鉄道が復興計画をまとめたということを伝えた。自称「ドネツク人民共和国」のD.プシーリン首長が明らかにした。

 プシーリンいわく、鉄道サービスに関しては、列車を運行するための準備はすべて整っている。オペレーションが可能になり次第、直ちに運行させる。戦線が前進するのに応じて、鉄道インフラを監査し、段階的に復旧させている。さらに、ノヴォロシヤ鉄道会社は、デバルツェヴォ、ヤシノヴァタヤ、イロヴァイスク、ヴォルノヴァハといったハブ駅を考慮した2025年から2030年にかけての復旧プログラムを策定している。実際の鉄道運行は、ドンバスとノヴォロシアの領域ですでに行われており、ロシア全体の鉄道網に接続する可能性もある。プシーリンは以上のように述べた。


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 欧州最大の原発であるザポリージャ原発は、今般のロシアによる全面軍事侵攻が始まって以来、ロシア側の支配下にある。原発の1号機が稼働開始したのは1984年12月だったので、原発はロシアによる占領という異常な状況下で、このほど稼働40周年を迎えた。

 それで、ウクライナ統治下では原発は「エネルゴアトム」によって経営されていたが、ロシア占領下ではロスアトムの子会社である株式会社「ザポロジエ原発操業機構」=АО «Эксплуатирующая организация Запорожской АЭС»によって管理されているということである。

 そして、その副社長であり、かつ原発の所長を務めているのが、ユーリー・チェルニチュークという人物である。こちらにその経歴が出ているが、ロシア側が派遣したわけではなく、元からウクライナの原子力業界で働いていた人物であり、近年はザポリージャ原発で幹部を務めていたところ、ロシア軍がやってきて、それに協力することにし、2022年11月に現職に就いたようだ。原子力コラボラトゥールといったところか。

 それで、今般TASSのこちらの記事で、ザポリージャ原発40周年を受けたチェルニチューク所長のインタビューが掲載された。あまり詳しく取り上げる余裕はないが、現時点では6つある原子炉のすべてが停止しているところ、2025年には一部でも再稼働にこぎ着けたく、そうなれば「ノヴォロシア」、ドンバス、クリミアの電力需要を全面的に賄えるようになる、といったことを述べている。


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 かつてのソ連/ロシアには「対外経済銀行」というのがあり、近年ではそれが国営の開発機構となり、略称をとってVEB.RFという名称になっている。こちらの記事によると、このほどM.ミシュスチン首相がVEB.RFのI.シュヴァロフ総裁と会談し、国内6箇所の空港の新規建設事業への協力を要請したということである。

 6箇所とは具体的には、ロシア南部の主要都市クラスノダル、ガス王国として知られるヤマル・ネネツ自治管区のサレハルド、シベリアの奥地ゴルノアルタイスク、ウラル地方の製鉄都市マグニトゴルスク、西シベリアの代表都市オムスク、そして北カフカスの保養地アルフィズだという。

 私はプーチン路線のことを、「大砲もバターも、そして、コンクリートも人も」と呼んでいるのだが、果たして無茶な戦争を続けるプーチン・ロシアに、空港6箇所の新規建設という芸当は可能なのだろうか?


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、カーティス・メイフィールド率いるインプレッションズは好調が続いており、今週7位にはImpressions - Amenがランク入りしている。たまたま、『レコード・コレクターズ』誌2025年1月号でコモエスタ八重樫氏がこの曲のことを取り上げている。1963年に公開された米映画「野のユリ」というのがあり、日本ではその劇中歌をダニー飯田とパラダイス・キングが取り上げたりしたが、カーティスもその映画を観て感銘を受け同曲をカバーしたらしい。

その頃ソ連では
1965年1月1日:ソ連の中央省庁として、石油精製・石油化学省、建材産業省、軽工業・食品産業・家電産業省が新設される。

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 こちらの記事が、2024年の販売動向を踏まえ、2025年にロシアの乗用車販売市場がどうなるかについての見通しを示しているので、以下で主要部分の要旨を紹介することにする。なお、上図は記事に添付されていた2024年1~11月の主要モデル販売台数の図。

 2024年1~11月のロシアの乗用車販売市場は前年比54.1%増となっており、2023年の62%増に続く成長となった。しかし、2025年には、輸入業者やメーカーはより控えめな販売を予想している。これは、一般的な経済成長の鈍化と、自動車市場特有の要因の両方に起因している。後者は具体的には、リサイクル税の引き上げ、物流コストの上昇、そしてもちろんルーブル安である。にもかかわらず、現時点でロシアでは自動車に対する駆け込み需要は生じておらず、逆に市場に在庫過剰の兆候が見られる。輸入業者は販売促進のため、値引きや販促キャンペーンを実施せざるを得なくなるので、消費者にとっては悪くない。

 2024年4月1日以降、ロシアはユーラシア経済連合加盟国を経由して自動車を輸入する際の規則を厳格化した。これまでは、自動車を購入し、たとえばキルギスに持ち込み、現地の規則に従って通関させ、比較的少額の関税を支払ってロシアに輸入することが可能だった。しかし、4月1日以降、この抜け道は塞がれた。専門家によると、2022年から2023年にかけてはそうした「代替」輸入車が輸入車の35~37%を占めていたのに対し、2024年1~11月の時点ではすでに23%まで減少している。

 2025年の市場成長は期待できない。専門家のA.モジェンコフは、「2025年の総販売台数は2024年に比べて減少すると思う。高い金利とリサイクル税が、購入者にとっての購入価格を上昇させることになる。2025年の販売台数は130万~140万台になるのはずだ」との考えを示している。Avtostat社のS.ウダロフも、2024年の販売台数は158万~159万台だったが、2025年には基礎シナリオでは10%減の143万台、ネガティブシナリオでは20%減の127万台となるだろうと述べている。Avtostatによると、自動車市場は2024年末からすでに減速し始めていたという。


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 こちらのサイトに、ウクライナ鉄鋼業の2024年の実績と2025年の予想という記事が出ていたので、以下で要点をまとめておく。なお、上図はその記事に添えられていたもので、左は鉄鋼輸出量、右は鉄鉱石輸出量を示しており、ともに単位は100万tで2024年と2025年は見通しとなっている。

 2024年にウクライナの鉄鋼生産は予想を上回ったが、2025年の生産は9%、輸出は16%低下する可能性がある。これは、長引く戦争の影響と、世界市場での競争激化によるものである。

 これはウクライナの経済見通し全体にも影響を及ぼす。鉄鉱石・鉄鋼部門は2023年にウクライナGDPの5.7%を占め、輸出の15%を稼ぎ出した。

 2024年の粗鋼生産は予想を大きく上回り、前年比21%増の750万t程度になると見られる。ただ、戦前の2021年には2,140万tだったので、それに比べれば65%も少ない。

 2023年後半に海路による輸出の道が開かれたことが、奏功した。アルセロールミタル・クリヴィーリフの第2高炉が2024年春に稼働再開し、その結果、2024年1~11月の時点で、半製品の輸出は60%増の65万t、完成鋼材の輸出は40%増の50万tとなった。

 また、海路による中国向けの鉄鉱石輸出も復活し、1~11月に中国向けに1,300万tを輸出、これは全鉄鉱石輸出の43%を占めた。

 しかし、2025年のウクライナの鉄鉱石・鉄鋼の生産と輸出には、一連の逆風がある。戦闘が続くこと、中国の過剰生産による世界市況の低迷、EUによる関税優遇措置の撤廃、原料炭輸入の必要、鉄道・電力・ガスなどの料金の上昇、国内需要の低迷などである。


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 Ria Novostiのこちらのページに、I.アルクスニスという記者の執筆で、2024年の10の主要な結果という記事が出ている。ロシア国営通信社の記事につき、あくまでもプーチン体制の世界観によれば、ということになるが、そういうものとして認識しておけば一応参考にはなるので、以下箇条書きで整理しておく。

  1. 「特別軍事作戦」でロシアが主導権を奪い返す。
  2. 2020年の憲法修正を受け、3月の大統領選でプーチン氏が再選。
  3. 3月1日、国家のエリート養成プログラム「英雄たちの時代」が始動。
  4. 11月21日、極超音速中距離弾道ミサイル「オレシュニク」でウクライナのユジマシ工場を攻撃。
  5. 欧米からの圧迫を受けロシア国家・国民の結束が高まる。
  6. ロシア経済は4%に迫る成長を達成も、ひずみも顕著に。
  7. 3月22日にクロックスシティでテロ発生、その他にもウクライナがテロを仕掛ける。
  8. 10月にカザンでBIRICSサミット、欧米によるロシア孤立化の試みが失敗。
  9. 世界的にリベラリズムが危機に直面する。
  10. ガザ、シリアをめぐり中東の危機続く。

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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「最近の音楽鑑賞『5大プライオリティ』」です。よかったらご笑覧ください。

 今年のブログ更新は以上となります。皆様良いお年をお迎えください。


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 こちらの記事が、2024年のロシア冶金産業の生産動向を論じている。そのうち、鉄鋼業は21世紀初頭以来、最悪の1年に終わりそうということである。実は有料レポートへの誘導記事なのだが、有料版を買う余裕はないので、以下チラ見せ記事の要旨を紹介する。

 2024年は、ロシア冶金産業にとって、21世紀初頭以来最悪の年となるかもしれない。これは第3四半期の指標によって示されており、第4四半期にも改善は期待できない。

 ロシア統計局によると、2024年1~9月期の粗鋼生産量は前年同期比5.9%減の5,380万tとなり、過去7年間で最低の水準となった。完成鋼材の生産は6.2%減の4,530万tだった。しかも、鉄鋼生産は四半期を追うごとに悪化した。第1四半期は前年同期比1.5%減、第2四半期は4.4%減、第3四半期は11.6%減だった。

 2023年は、制裁や外部環境の悪化にもかかわらず、内需によりプラスを達成することができた。それに対し、2024年は内需・外需を問わず、販売が完全に不振となった。

 輸出の難しさは明らかであり、当初から期待はされていなかった。欧米市場は制裁措置のためにロシア製品に対して実質的に閉じられており、さらに中国市場の飽和状態で世界に中国製鉄鋼製品が溢れ出している。

 他方、内需の不況は鉄鋼メーカーにとり誤算だった。例年はロシア経済の牽引車となる建設部門の伸びが、2024年には減速した。2024年1~9月の建設業の伸びはわずか2.5%だったが、2022年と2023年にはその3倍の伸び率を記録していた。RIA Ratingとセヴェルスターリによると、2024年1~9月の国内鉄鋼消費量は前年同期比2.8%減の3,410万tで、第3四半期の減少率は9.5%にも達した。中でも75%以上を占める建設部門では、第3四半期の鉄鋼消費が9.8%減の830万tに留まった。通年では、ロシア国内の鉄鋼消費量は前年同期比5~7%減少すると予想される。

 鉄鋼需要の減少は、中銀の金融引き締めと住宅ローン優遇融資制度の縮小の直接的な結果であった。さらに、2024年初めには、高速道路M-12を含む多くの主要インフラ・プロジェクトの実施が一時的に中断された。こうしたことから、建設工事の伸び率は鈍化し始めたのだった。

 また、鋼管需要の周期的な減少も状況を悪化させ、1~9月の鋼管生産量は4.4%減の957万tとなった。ただ、昨年の実績が記録的なものだったため、そのベース効果で減少した面もある。それでも、ガスプロムの投資が7%減少し、幹線パイプラインの建設が減少したことも影響を与えた。結局、石油・ガスパイプライン用大口径パイプの生産量は、1~9月に前年同期比14%減少した。

 鉄鋼業の業績が極端に悪かったのに対し、非鉄金属の業績はかなり改善された。ロシア統計局によると、基本的貴金属およびその他の非鉄金属の生産、核燃料生産(OKVED 24.4)は、1~9月に前年同期比3.1%増加した。とりわけ、銀、金、アルミニウム地金、鉛、コバルトの生産が増加した。一方、亜鉛の生産量は大幅に減少した。未加工のチタン、マグネシウムおよびその合金の生産量も減少した。

 非鉄冶金の成長は、機械製造企業による内需と、より良好な外需に牽引された。西側諸国への輸出の減少は、東方への供給によって部分的に補われた。

 ロシアの非鉄金属産業全体では、1~9月に生産が0.6%減少した。通年でも状況に大きな変化はないと予想され、したがって、2024年通年では冶金産業全体で約1〜2%の減産となろう。その際に、鉄鋼生産は少なくとも7~8%減少すると見られる。


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 先日お伝えしたように、12月16日に毎年恒例のロシア国防省拡大幹部会議が開催され、プーチン大統領の演説、ベロウソフ国防相の報告などがあった。それで、今般改めて国防省の当該ページを良く見たら、国防相の報告がPDFのプレゼン資料として掲載されていることに気付いた。いくつか使えそうなグラフが掲載されており、ロシアの主張に同調しないまでも、公式見解を知るのには役立ちそうなので、改めてこれを取り上げる。ただ、ロシア国防省HPは外国からはアクセスできず、VPNを介してアクセスする他ない。

 まず、上図には、ロシアの連邦財政に占める「国防費」の割合がマゼンタ色の棒で、国防費の対GDP比が折れ線グラフで示されている。2024年の対GDP比が5.5%の見通しであるという数字は、個人的に初めて見た。

 以下のスライドでは、ロシアが「ルガンスク人民共和国」、「ドネツク人民共和国」、ザポロジエ州、ヘルソン州の領域の何%を占領しているか、2024年の四半期ごとにどれだけの領土を占領したか、そして下段にはウクライナ軍が戦争開始以来どれだけの人員と軍用機器を失ったかが示されている。人的喪失は死者ではなく死傷者のはずである。

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 下図の左は、ロシア軍に入隊する契約数を示しており、2023年は42.4万人だったのに対し、2024年は12月16日時点で42.7万人となりほぼ予定数を満たしたことを描いている。

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 最後に、下図の左は、各兵器の供給が2022年から2024年にかけてどれだけ増えたかを示しているが、これに関しては先日すでにお伝えした。

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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 激動の1964年も、最終週を迎えた。今週は、6位のLittle Anthony & the Imperials - Goin’ Out Of My Headに耳を傾けてみることにしよう。こういうムーディーな作風を得意としたRandazzo-Weinsteinのコンビによる楽曲。

その頃ソ連では
1965年1月1日:ソ連がアジア・アフリカ・中南米の開発途上諸国から輸入される商品に対する輸入関税を撤廃。

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 「ロシア経済を9つのグラフで読み解く」という記事が目に留まった。少々ありきたりなグラフも多かったが、ロシア企業は高金利にもかかわらず借入を増やしているというくだりには興味を覚えた。

 記事によれば、「企業や消費者向け融資の増加は、インフレのもうひとつの促進要因である。2桁の金利にもかかわらず、企業は借入を続けている。2024年1~10月に、ロシアの企業借入残高(債券を含む)は16.4%増加した。これを考慮し、中央銀行は銀行部門の企業向け融資の伸び率予測を上方修正した」とある。

 ただ、私の理解によれば、上図は、ロシアの経済主体が借り入れている融資全体ではなく、優遇融資だけを示しているはずである。棒グラフは下から、中小企業、農業企業、その他企業、住宅ローンを示しており、とりわけ紫色の優遇住宅ローンの残高が大きいことがお分かりいただけるであろう(ロシアには、幼い子供のいる家庭は6%、極東住民は2%で住宅ローンが借りられる優遇制度がある)。折れ線グラフは、黒が優遇融資残高の対GDP比、赤は優遇融資が融資残高全体に占める比率である。こういうグラフは個人的に初めて見たので興味深かった。


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 取り上げるのが遅れたが、こちらのサイトに見るとおり(日本からは接続不能だが)、12月16日に、毎年恒例のロシア国防省拡大幹部会議が開催されたということである。こちらに見るように、プーチン大統領も出席した。以下では、ベロウソフ国防相が2024年の国防産業の成果について述べた部分のみ、抄訳しておく。なお、上図はその内容を図表化したもので、こちらのニュースから拝借。

 2024年には、2022年と比較して(注:2023年ではないので注意)、戦車(新車および廃戦車の再生)の供給は7倍に増加した。歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車は3倍、無人航空機は23倍、砲弾は22倍となった。

 これだけの数量があれば、特に需要の高い種類の弾薬や武器、装備品の納入が滞ることは実質的にない。260品目のうち、納入が遅れたのはわずか4品目だ。

 とはいえ、2025年と2026年の武器・装備・弾薬供給の持続可能性を確保するためには、多くの追加措置を講じる必要がある。

 製造サイクルが12カ月から16カ月である兵器を2026年に供給するためには、今月中に契約を締結する必要がある。それ以外の兵器については、遅くとも2025年の第2四半期の初めまでに契約を締結する必要がある。

 大統領の指示に従い、兵器契約を透明性のある価格フォーミュラに切り替える。固定価格での連続製品の供給に関する長期契約の締結を確保する。

 大統領令に従い、国家発注の一環として、特定の種類の武器・装備品の調達に関する新たな柔軟なメカニズムの導入を完了する。これにより、調達期間が数カ月から1~2週間に短縮される。

 この大統領令に関する細則の採択が遅れていることは問題である。年末までに確実に採択する必要がある。


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 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2025年1月号のご案内。1月号は、「トランプ政権復活で注目される米ロ関係の行方」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。

 服部個人は、今号では、特集の枠内で「ロシアの肥料輸出は好調を維持 ―米国も輸入を継続」を、枠外で「軍事偏重を余儀なくされるウクライナ国家予算」を執筆しています。また、表紙の写真も担当しました。11月に米出張に出かけた際に撮影した国連本部の写真です。


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 以前からウラジオストクにロシア科学アカデミー極東研究所というのがあったのだけれど、そこが2022年7月にロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所に改名されたというのを、今般初めて知った。今のロシアを反映して、どうも半分くらいの部局は中国関係のようで、そうした実情に合わせて組織名自体に中国を入れることにしたようである。

 それで、こちらの記事で、その中国・現代アジア研究所のK.ババエフ所長が、いわゆる「東方シフト」の2024年の成果につき論じているので、以下で抄訳しておく。

 2024年は、ロシアの外交政策における「東方シフト」の流れが勢いを増し、大きな成功を収めた年となった。ロシアは今年ようやく、アジアのベクトルが政治的にも経済的にも具体的な配当をもたらしてくれることを完全に理解したようだ。加えて、ロシアの西側国境に新たな鉄のカーテンが出現してからの3年間で、ロシアの実業家、官僚、学者、文化人はすでにアジアの同僚との仕事の複雑さを学び、比較的新しい環境にうまく対応することができるようになった。2022年には、何十もの企業や部署が中国・現代アジア研究所を訪れ、中国、インド、ベトナム、インドネシアの同僚とのコミュニケーション方法についてのセミナーやブリーフィングを求めた。今日では、そのようなパニック的な依頼は少なくなっている。

 新たな習得が実を結んだ。2024年のロシア対外政策は、東と南で多くの重要な突破口を開くことに成功し、2020年代における主要課題である大ユーラシア・パートナーシップの形成に向けた努力を強化した。

 その中で最も重要な役割を果たしたのが、カザンで開催されたBRICSサミットであり、22カ国の首脳を含む36カ国の代表団が一堂に会した。サミットの実質的な結果(その有無については議論の余地がある)にかかわらず、ロシアはグローバルサウスにおける影響力の増大と、世界の多数派のリーダーの一人としてのイメージを自信をもって示した。カザンのサミットは、首脳の数という点ではロシア史上最大のイベントであり、その主要なメッセージは、世界の舞台でロシア国家を孤立させようとする努力が明らかに失敗した西側諸国に向けられた。

 トランプ次期大統領はBRICSが独自の共通通貨を導入すれば100%の関税を課すと脅しており、米国がBRICSを重要なライバルと見なし始めたことは明らかだ。

 二国間レベルでは、ロシアはインドとの関係で大きな進展を遂げ、7月にはモディ首相がモスクワを訪問した。インドは、南アジアにおける最大のエネルギー・パートナーとなっており、インドとの接近は、ロシアの最も野心的なユーラシア・プロジェクトのひとつである南北輸送回廊の成功のための基盤となっている。インドは今後も多方面にわたる外交政策を試みるだろうが、同国にとって主要なベクトルのひとつがロシアであることは、今日否定できない事実である。

 習近平、モディといったアジア主要国の指導者との個人的な関係構築は、明らかにプーチンの外交戦略の流れになりつつあり、アジア文化の特質を考慮して、かなりうまく選択されている。例えば、ウズベキスタンの専門家によれば、ロシアとウズベキスタンの首脳間の良好な関係が、ウズベキスタンの親欧米派が反対していたロスアトム・プロジェクトを選択する主な論拠になったという。

 ロシアはASEAN諸国との関係をダイナミックに築き続けており、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシアの4カ国がBRICSの新たなパートナーに加わったことは、ロシアの東南アジアへの政治的な躍進を象徴している。

 イランのペゼシュキアン新大統領とも信頼できるコンタクトが確立されている。ロシアとイランの包括的パートナーシップ条約は調印の準備が整っており、両国にとって、西側諸国と対峙するための努力の強化がまたひとつ確認されることになる。国防の要素も含むこの条約の調印が遅れているのは、ウクライナ問題をめぐるロシアと米国の今後の交渉に関係している可能性があるが、近い将来、何らかの形で条約が調印され、イランがモスクワの実質的な同盟国となることは明らかである。

 極東においては、北朝鮮が新たな同盟国となった。11月に批准された包括的パートナーシップ条約は、25年前には実質的に存在しなかった両国関係を、本格的な軍事・政治同盟へと変貌させた。日米韓の軍事的パートナーシップの「トライアングル」を受け、この条約は事実上、ロシア・中国・北朝鮮の対称的なトライアングルを形成し、逆説的にも、朝鮮半島の安全保障と軍縮という長年の懸案から取り除いている。核保有大国による直接的な法的保証により、今や朝鮮半島の安全保障も現存する兵器も脅かされることはなくなった。

 アジアにおけるロシアの主要なパートナーである中国との関係も、緩やかではあるが大きく進展している。2024年には、ロシアから中国への渡航者数は2.5倍になると予想されている。中国はビジネスマンと観光客の双方にとって、急速に主要な訪問先となりつつあり、UAE、エジプト、タイを抜き、トルコに急速に追いつきつつある。一方、中国からのインバウンド観光客の訪問は、1年間で7倍もの伸びを示している。ビザの順番待ち、支払い問題、言語や文化の壁を見事に乗り越え、ロシア人と中国人は急ピッチで距離を縮め、ビジネスを行い、パートナーシップを築き、お互いを研究し続けている。つまり、「東方シフト」と戦略的パートナーシップは、政治、ビジネス、文化、スポーツだけでなく、私たちの心のなかでも具体化しつつあるのだ。


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 最近ロシアの経済・社会で一番問題となっているバターの不足・高騰につき、ちょっと考えてみた。

 まず、基礎的な指標として、ロシアにおける各種基礎商品の輸入依存度をまとめた表を、上掲のとおりお目にかける。これを見てお分かりのとおり、総じて自給率が高いロシアながら、牛肉、乳製品という「牛さん関係」は輸入依存度が高く、3割前後に上っている。ただ、乳製品などはベラルーシから輸入している分が多く、その場合には実質的に国内生産と言って差し支えない(?)。

 なお、上表は2021年で更新が止まってしまっているが、確認したところ、ロシア統計局は2022年以降の当該指標を発表しなくなったようだ。食料安全保障にかかわる機微なデータということなのだろう。

 他方、ロシアは以前、EU諸国からかなりバターをはじめとする乳製品を輸入していた。しかし、2014年のクリミア併合で、欧米がロシアに経済制裁を科すと、ロシアはそれへの対抗制裁として欧米からの主要食品の輸入を禁止した。EUからのバターの輸入も止まり、ロシアはベラルーシと南米から輸入してしのいできたが、従来の主要供給国を切り捨てたことで、バターの輸入条件は悪化していたと言えるだろう。世界的にもバターは価格が上昇しているし、今般のようにルーブル安が加われば、ロシア国内市場が不安定化しやすい条件が整ってしまったのだろう。

 別の問題として、ロシアの場合、主要食品の自給率が一見高くても、それを生産するのに必要な原料や資材等を輸入に依存しているパターンがある。バターの場合は、7割が国産ということになっているが、原料となる生乳はかなり輸入している。したがって、国際的に生乳が不足したり価格上昇したりすれば、ルーブル安のロシアは苦しい。

 なお、先日テレビに出演した際に、「ロシアはバターの消費量が多いのか?」と訊かれ、さしたる根拠もなく「もちろんです」と答えてしまったのだが、その後改めてデータを確認してみた。こちらのサイトによると、ロシアにおける国民一人当たりの年間バター消費量は2.74kgで、世界36位ということだ。世界平均の1.55kg、日本の0.67kgよりはもちろん多いけれど、割と平凡な数字という気はする。他の私の関係国では、ベラルーシが4.44kgで18位、アゼルバイジャンが3.93kgで20位、モルドバが2.91kgで31位だった。


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 プーチンが12月19日に行った大規模記者会見・国民対話につき、もう1点だけコメント。プーチン5期目の目玉政策として、高速鉄道網の整備というのがあったはずである。いわばそのロシア版新幹線計画については、何か言及があっただろうか?

 結論から言うと、あまり本格的な言及はなかった。唯一、チェチェンのテレビ局「ヴァイナフ」のR.ヴェセラエヴァが、モスクワからソチ(具体的にはそのアドレルという地区)まで建設が決まっている高速鉄道路線を、チェチェン共和国の首都グロズヌィ、ダゲスタン共和国のマハチカラまで延伸するのはどうかという問題提起を行い、それに対しプーチンがコメントした場面があった。

 この問題提起に関し、プーチンは否定はせず、本プロジェクトの優先課題はソチ中心部からアドレル地区への渋滞解消(特に休暇時期)であるが、その問題を解決したあかつきには、次の段階としてグロズヌィ、マハチカラ延伸を検討することはありうるという考えを示した。

 それで、アドレルだのグロズヌィだのマハチカラだの言われても、善良な市民の皆さんは位置関係が分からないだろうから、ネット上で地図を拾ってきて、上掲のとおり転載させていただいた。ただ、緑の線の終点がアドレルではなくソチとなっているが、だいたい同じようなものだとご理解いただきたい。それで、ソチ/アドレルからグロズヌィ方面へ延ばすのは山岳地帯ゆえに不可能だろうと個人的に思ったのだが、やはり地図によればクラスノダルから分岐するような形でグロズヌィ方面に延びる路線が描かれている。まあ、ありうるとすればそんなルートだろう。なお、こちらの記事によれば、プーチン発言後、R.スタロヴォイト運輸相も、将来的な計画として、グロズヌィおよびマハチカラへの延伸も実現可能であると発言した。

 新幹線計画全体に関して言えば、まずパイロット・プロジェクトと位置付けられるモスクワ~サンクトペテルブルク路線を開通させるのが最優先課題である。しかし、その資金計画がなかなか決まらず、苛立ったプーチンが先日、内閣に急ぐよう指示する場面があった。具体的な進捗がないのに、また風呂敷を広げてみせたというのが、今回の北カフカス延伸話だったという印象である。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、1964年はビートルズがアメリカを席巻した年として記憶されているが、ただ、Billboard Hot 100でビートルズが大暴れしたのは主に上半期であり、こうやってビートルズの曲が1位になるのは、ちょっと間が空いたという気がする。しかし、その間にビートルズは音楽的に変化を遂げて、ずいぶん遠いところまで来てしまった。というわけで、The Beatles - I Feel Fineを。

その頃ソ連では
1964年12月24日:ソ連政府、1965年5月をもってナチス戦犯の訴追を停止するという西ドイツ政府の決定に関し声明を発出

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19641226a
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1220

 昨日開催されたプーチンの大規模記者会見および国民対話。そんなに面白くなかったという評価が多いのだろうか。個人的には、リアルタイムで観たりする余裕はなく、今日になってテキストで追っている程度だ。

 個人的には、商売柄、やはり経済寄りの話題が気になる。特に興味深いと思ったのは、「環アゾフ海道路を建設する」というくだりだった。もしかしたら以前から話に出ていたのかもしれないが、個人的には初めて聞いたので。

 プーチンは、「新領土」の経済再建、インフラ投資を行うという文脈の中で、以下のように述べた。すでに実現しつつある素晴らしい手始めの作業がある。我々は環アゾフ海道路を建設する計画である。アゾフ海はロシアの内海になった。クリミアのタヴリダ連邦道路のような、すべての優位性を備えた4車線道路となる。すでにその第一歩として、タガンログ~マリウポリ間のうち、40kmを建設した。これは短い区画に過ぎないが、それを環アゾフ海全体に広げる。プーチンは以上のように述べた。

 なお、上図は、イメージしやすいように、こちらの記事から拝借したもの。


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6

 先日、「遅れ馳せながら中欧班列のHPを発見」というエントリーをお届けした際に、「中国⇔欧州だけでなく、中国⇔アジアというデータも出ており、後者が何を指しているか個人的にはよく分からないのだが、これもそのうち確認してみたい」とコメントした。今般、必要に駆られ、その確認作業を行ったので、以下報告したい。

 調べてみて確認できたのは、要するに中国鉄道は、欧州とのコンテナ列車の行き来を「中欧班列」と呼び、アジアとのコンテナ列車の行き来を「中亜班列」と呼んでいるという事実だった。統計上は別扱いであり、後者が前者に含まれるわけではない。

 ここで肝心なのは、同じユーラシア諸国であっても、ロシアおよびベラルーシとの行き来は中欧班列、カザフスタンをはじめとする中央アジア諸国との行き来は中亜班列であるという点である。中亜班列にはこのほか、モンゴル、東南アジアとの行き来が含まれる。

 それで、2024年1~11月の国境別の中欧班列・中亜班列の貨物通貨量を整理すると、上図のようになる。重要なポイントは、阿拉山口およびホルゴスは中欧班列と中亜班列を両方含んでおり、たとえば中国からコンテナが運ばれた際に、地元カザフ(およびその他中央アジア諸国)に留まれば中亜、それを越えてさらにロシア、ベラルーシ、EUまで運ばれれば中欧という扱いになるわけである。対モンゴル国境の二連浩特に関しても同様である。

 このように、だいたいのことは判明したが、一つ分からないのは、「中亜班列」というネーミングである。「中欧班列」は、中国と欧州を結ぶ輸送路なので、そう呼ばれる。「中亜班列」も、私は中国と亜細亜を結ぶからそう呼ばれているのではないかと思ったのだが、中国語で「中亜」というのは中央アジアのことであり、もしかしたら「中央アジア班列」という意味なのかもしれない(中国人留学生がそのように主張していた)。私は、モンゴルや東南アジアもあるので、あくまでも中国・亜細亜だと思うのだが、どんなもんだろうか?


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2017

 ロシアでは現在、21%という高い政策金利が設定されているわけだが、11月のルーブル急落を受け、12月20日に予定されている中銀の次回政策決定会合で、さらなる利上げがあるのではないかと見られている。

 こうした情勢を受け、タス通信が様々な関係企業の専門家に利上げに関するアンケートを行った結果が、こちらの記事に出ている。それをまとめたのが上表で、現行の21%から2%ポイント引き上げられ、23%となるという見方が大勢となっている。21%で据え置かれるという見方がツィフラ・ブロケルの1社。アルファ・フォレックスは23~25%、ペールヴァヤは24~25%と、より大幅な利上げの可能性も示している。


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3470

 こちらの記事によると、EUのうち10ヵ国がロシア産金属への制裁拡大を提案したということなので、以下記事の要旨を整理しておく。主にアルミニウムが懸案になっているようだ。

 EU加盟国のうち、デンマーク、アイルランド、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、フィンランド、チェコ、スウェーデン、エストニアが、アルミニウム等のロシア産金属に対するさらなる制裁を提唱する書簡を作成し、2週間前に送付した。アルミ大手ルサールなどが今のところEUの制裁リストに入っていないという背景がある。EU議長国のハンガリーはこれに反対していたが、1月に議長国はポーランドに交代する。

 署名国は、「ロシアにとって、化石燃料のほかに金属が最も重要な収入源であるため、金属についても輸入禁止措置を講じる必要がある」と主張している。

 EU委員会は1月後半に新たな制裁パッケージを提案し、ロシアによるウクライナ侵攻3周年を迎える2月中の成立を目指す。

 EUの金属需要家の大半は、ペルーやセルビアからの銅など、他国からの代替供給を見出しているが、EUは依然として大量のロシア産アルミ地金を輸入している。

 米国と英国は今年、ロシアで生産された金属の輸入を禁止したが、EUはフランスを含む加盟国の抵抗により、それを断念した。「この問題に関して、われわれはいかなる立場も持たないが、すべての提案を精査する」と、フランスのEU代表部のスポークスマンは語った。

 EUは今のところ、ワイヤー、チューブ、箔を含むアルミ製品のみを禁止しており、これらは輸送、包装、建設産業で使用される金属のEUの輸入の15%以下である。

 情報筋によると、EUはロシアの金属に高関税を課すことになる可能性があり、それであればEUの全会一致は必要ないし、禁輸よりも受け入れられやすいという。

 EUのアルミ地金輸入に占めるロシア産のシェアは、2022年1~9月は20%、2023年1~9月は11%、2024年1~9月は6%だった。


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2016

 Yahooニュースに、「『約3年でたったこれだけ!?』ロシア製旅客機“ぜんぜん製造できていない”状況あきらかに 経済制裁の影響 “純ロシア産”で再起できるのか?」という記事が掲載されていて、目を奪われた。2022年2月のロシアによるウクライナ全面軍事侵攻開始以来、ロシアの合同航空会社が制裁の影響でわずか7機の旅客機しか生産できていないというのである。

 それで原典に当たろうと思い調べたところ、こちらのロシア語記事に行き着いた。もしかしたら英語版もあるのかもしれないが、そちらは未確認。ロシア語版の元記事には、上掲のような表が掲載されており、図表好きの私ゆえ色めき立った。

 上掲表は、まず青の部分で、2022年時点の国家プログラムでは、各モデルを何年に生産開始し、2030年までに累計何機を生産する予定かが示されている。しかし、制裁で重要な部材やコンポーネントを入手できなくなり、赤の部分に見るように、最新の2024年の国家プログラムでは各モデルの生産開始年が軒並み先送りされたということを伝えている。


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72a

 こちらに見るとおり、ロシア統計局が11月のロシア消費者物価を発表したので、恒例によりグラフを更新してお目にかける。

 11月の消費者物価は、久し振りに大きな動きがあった。11月の消費者物価は前月比1.43%増であり、これはウクライナ侵攻開始直後の2022年4月以来の高さであった。前年末比では8.09%増、前年同月比では8.88%増であった。

 インフレの亢進をもたらしたのは、この秋に進行し、11月下旬に加速したルーブル安であろう。11月には、非食料商品が0.51%増に留まったのに対し、食料品は2.33%増となった。特に値上がりしているのは青果物である。食料品は輸入されてから商店に並ぶまでが速いのに対し、非食料商品は輸入品でも価格に反映されるのに一定のタイムラグがあるはずなので、それで差が生じたのではないか。また、サービスは1.31%値上がりしたが、海外旅行費の値上げが影響した模様である。なお、ルーブル安とは関係ないはずだが、携帯通信量も値上がりした。

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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、チャートの下の方を見ていたら、93位にLee Morgan - The Sidewinderというのが入っていて、驚いた。人気トランぺッターの有名曲ではあるが、まさか名門ジャズレーベルのBlue Noteがシングル盤を出して、それがポップチャートに入るようなことがあったとは、知らなかったのである。この曲、最終的には81位まで上がる。

その頃ソ連では
1964年12月22日:ソ連で1963年に形成されていた「中央アジア経済地区」が廃止される。

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19641219a
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2011

 こちらの記事が、ロシアにおける石炭の鉄道輸送の問題について報じている。ロシア鉄道としては、収益性の低い優遇的な石炭輸送は一部の主要産地だけに限定したかったが、ロシア政府に押し切られ、来年も続けざるをえなくなったようである。

 記事によると、ロシア政府は、過去数年間適用してきた東部への鉄道による石炭輸出スキームを2025年も維持すべきだと判断した。ロシア鉄道が多くの採炭地域との間で、石炭輸送の保証量に関する協定を締結することになる。A.ノヴァク副首相が議長を務めた12月5日の会議で結論が出された。会議には、各省庁、ロシア鉄道、ノヴォシビルスク州知事、ケメロヴォ州知事、UGMK、ロシア石炭社の代表などが出席した。

 議事録には、「今回の議論を踏まえ、ロシア鉄道は2025年に採炭地域(ケメロヴォ州、イルクーツク州、ハカス共和国、トゥヴァ共和国、ブリヤート共和国、サハ共和国)から、2024年の輸送量(約1億t、うちケメロヴォ州が5,410万t)を下回らない量の石炭輸出を確保することが望ましいと考える。また、ロシア鉄道の東部管区の輸送能力が1億7,300万tから1億8,000万tに増加することを考慮し、ノヴォシビルスク地方からの石炭輸出を確保する」と記されている。

 本件に関しては、10月にロシア鉄道のO.ベロジョーロフ社長が、今年の契約を来年には延長しないよう、プーチン大統領にかけ合っていた経緯があり、それ以降、議論が続いていた。政府内での議論では、ロシア鉄道は2024年以降はケメロヴォ州とノヴォシビルスク州に石炭輸出枠を与えるとされていた。残りの石炭は、企業との直接契約によって輸送することができる。

 ベロジョーロフ社長はプーチン大統領への書簡の中で、5地域との協定を破棄する必要性について説明し、このような慣行が続けば、投資計画が資金不足に陥り、ロシア鉄道はインフラ鉄道プロジェクトに携わる3万人の従業員を削減せざるを得なくなる危険性があると指摘した。その結果、建設プロジェクトが頓挫し、非原料・非エネルギー貨物の輸出拡大という「国家目標」の達成を妨げることになる。潜在的な収入損失は250億ルーブルと推定された。現在、東方面への輸送はロシア鉄道の収入の30%以上を占め、東方管区の輸送能力の約60%は協定に基づく石炭輸送に使用されており、その他の貨物輸送の利益率は石炭輸送の1.8倍であると、ベロジョーロフ社長は強調していた。


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2007

 中国と欧州をコンテナ鉄道輸送で結ぶ「中欧班列」は、実は私の隠し芸的な研究テーマの一つである。その話題は昨日も取り上げたが、このほど中国鉄道が開設した中欧班列のHPがあることを確認したので、今日はそのことに触れておきたい。

 このHPは、2023年10月に開設されたらしいのだが、個人的には今般初めてその存在に気が付いた。中国語・英語・ロシア語の3言語になっている点は感心するが、ただ中国語情報の更新の方がさすがに少し早いようだ。

 実を言うと、これまで私は、中欧班列の輸送実績の数字を調べる際に、根性ネット検索で調べており、けっこう骨が折れた。実は、今般見付けた中欧班列HPのデータコーナーを見れば、最新統計がバッチリ出ていることが分かり、今後はこれを使おうと思う。輸送総量だけでなく、発着都市や国境通過地点のデータなども調べられるので、そのうちじっくり吟味してみたい。また、中国⇔欧州だけでなく、中国⇔アジアというデータも出ており、後者が何を指しているか個人的にはよく分からないのだが、これもそのうち確認してみたい。


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Train

 こちらの記事が、ロシア領を通じて中国・欧州間でコンテナ貨物を鉄道輸送する「中欧班列」が、制裁の懸念にもかかわらず、経済的メリットから依然として選択されている事情について論じているので、以下抄訳しておく。なお、文中に出てくるロシア政府決定はこちらに出ているもののはずである。

 中国~欧州間の鉄道貨物輸送は、依然としてロシア経由のルートに大きく依存している。しかし、EUの制裁、特にクレムリンが打ち出した新たな対抗制裁は、依然として障害となっている。イタリアの事業者は最近、中国~欧州間の鉄道で運ばれるコンテナの一部がここ数週間、ロシアで停止しており、同国の禁輸品目リストにある貨物が含まれていないことを確認するための検査を待っていると不満を表明している。

 10月15日にロシア政府が採択した政府決定(10月19日発効)により、ロシアから禁止される商品リストが更新された。これに抵触するのは、主に木材製品と繊維製品であるという。この改正の結果、貨物の一部がロシア領内の通過が禁止または特別な条件下でのみ許可される二重使用品リストに追加された。

 それに対し、ロシア税関では、中国からEUを最終目的地として搬入されたトランジット貨物に追加検査が行われたケースはいくつかあるが、それほどの広がりはないとしている。追加検査の対象となった貨物のほとんどは、すでにロシア国境を越えて輸送される許可を得ている。

 ロシア関税が最近発表したところによると、ロシアは、鉄道貨物が自国領土を通過する際、そのような検査が必要でない場合には、追加検査なしで標準的な体制で通過することを継続している。

 中国・EU間の鉄道によるコンテナ貨物の輸送は、2年間は深刻に停滞したが、今年に入り着実に回復している。ロシア運輸省によると、2024年上半期の伸びは前年同期比35%で、2024年下半期も同じ傾向が見られる。今年終了時には、危機以前の量(約40万TEU)に達する可能性が高い。

 原因の一つは、フーシ派イスラム組織による攻撃の脅威が絶えない紅海の不安定さである。この点で、荷主は再びロシア・ルートに注目している。紅海でのフーシ派の攻撃後、ロシアを経由する鉄道輸送の発注は40%増加した。ロシア鉄道によると、このルートによる中国国境からEU国境への貨物配送の所要時間は5~7日であり、過去に比べ3~5倍速くなっている。

 また、アナリストによれば、喜望峰周りのルートに変更することで、トランジット時間が平均10〜14日以上長くなり、コストが上昇し、アジアとヨーロッパを結ぶ主要貿易ルートのひとつでスケジュールが乱れた。このため、代替ルートの模索が必要となり、ロシア鉄道経由のトランジットが最も最適な解決策と受け止められている。

 加えて、ロシアを経由する鉄道輸送は、他のルートよりもまだ便利である。中国とEUの貿易量がいまだ伸びている中で、カスピ海ルートにはそのような貿易量を処理するのに必要なインフラがまだ整っていない。加えて、そうした代替ルートを利用すると、荷主にとり30%割高となる。

 中国からヨーロッパへの鉄道運賃が海上運賃の1.5~2倍であることを考慮すると、鉄道で運ばれる主な貨物は電子機器、自動車、自動車部品、機械設備、その他スピードが重要な貨物である。鉄道輸送の場合、平均12~25日であるのに対し、海上輸送では40~60日かかる。アナリストはまた、ほとんどの消費財は制裁や対抗制裁の対象ではないため、ロシアを経由するルートはEUにとって依然として有利であると指摘している。


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2005

 Wedge ONLINEに、「ロシア経済はダウン寸前か?「ルーブル急落」の背景、国庫を潤す側面あるも、規律崩壊の懸念」と題する論考を寄稿しました。無料でお読みになれるので、ぜひご利用ください。


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 個人的には今般初めて気付いたのだが、ロシアで『BRICSマガジン』という雑誌が発行されているようだ。バックナンバーのコーナーを見る限り、年に2回の発行のようだ。ロシア語雑誌ながら、時々英語版も出るようである。号を丸ごとダウンロードすることはできないようだが、少なくともロシア語版の主な記事はネット上で読めるようになっている。

 ドルに対抗してBRICS共通通貨を提唱するなど、現状でBRICSへの期待度が最も高いのが、ロシアなのではないだろうか。『BRICSマガジン』が発行されているということも、その証左の一つであるように思える。

 『BRICSマガジン』は公式的な刊行物と思われ、ロシアの一連の経済関係の機関や団体が「オフィシャルパートナー」とされている。その中の一つに、「BRICS調査国民委員会」というシンクタンク的なものが挙げられている。こういう機関が存在するというのも、今回初めて知った。


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