こんにちは。わたくし、WEBライターのモンゴルナイフと申します。
久しぶりに「ちゃお」を読んでいるのですが、懐かしさよりも絵の進化に驚きを隠せてません。ちゅるんとしてますね。
時代は変わるねえ~。お!でもここは変わってない!
サン宝石の通販!
懐かしいなあ! 小学生でも買える低価格のアクセサリーに夢中になって、はがきに切手いっぱい貼ってお買いものしてたわ…。
学校で友達とアクセサリー交換したり、好きな先生(男性)にアクセサリーを毎月貢いだり。
そんなサン宝石ですが、
・今時の小学生もサン宝石でおしゃれしているのかな?
・商品ラインナップはどう変化したの?
・価格も値上げされてるのかな?
気になりません? いや、すべての女性が気になるはず!
ファンシーポケット原宿店に潜入!
というわけで原宿・竹下通りにて、サン宝石のアイテムを販売する直営店「ファンシーポケット原宿店」にやってきました!
私は通販しかしたことなかったので、路面店は初めて! 外観からゴリゴリにファンシーです。
ファンシーポケット原宿店
〒150-0001
住所|東京都渋谷区神宮前1-19-2 ミノワビル 2F営業時間|10:00~19:00(年中無休)
店内はどこを見てもポップでカラフル! 「地味な」「落ち着いた」といった言葉とは宇宙で一番かけ離れた空間です。
そして爆安の商品! 情熱の価格…は違うお店か!
これこれ!
サン宝石で小学生のとき買ってたのは「マグネットピアス」だったよなあ~。
ピアスという大人のアクセサリーを、小学生でも身につけられる魔法のアイテムだった!
おお! 文具のコーナーだ!
小学生の頃は、ペンをたくさん持った者が、女子のスクールカーストを制してる時期があるんです。
特にミルキーペンが一世を風靡していた気がする。
はぁ、一気に小学生の頃の記憶が蘇ってきました。
さっそく店長さんに色々聞いてみましょう! 店長さぁ~ん!
「初めまして~! 原宿店・店長の『チェリー』です♡」
「(すごいロリな店長さんだ……!)こんにちは! いきなりなんですけど、今の女子小中学生のみんなも、サン宝石さんでお買いものしておしゃれしてるんですか?」
「女子小中学生のお客様はたくさんいらっしゃいますよ!」
「私が買ってた頃とは流行が変わってると思うんですけど、今はどういうアクセサリーが人気なんですか?」
「数年前から、花冠なんかが人気ですね。こういうのです」
「これが花冠! フェスで充実してる人たちがつけている代物だと思ってたんですけど、子供たちもつけてるんですね」
「あと今年は圧倒的にチョーカーがキてます。女子大生あたりがつけてるイメージありますが、小学生たちもコーデに取り入れてるんですよ〜!」
チョーカーはサン宝石オンラインショップでも人気
「そして手元はアクセサリージャラづけする、と」
「手首にジャラづけってシノラーを彷彿させますね。子供の時にこんなかわいいアクセサリーを着けたかった……!」
「何言ってるんですか。今からでも遅くないですよ!」
「え、じゃあ……あの、私を女子小学生だと思い込んでコーディネートしていただけませんか?!」
「いいですね! やっちゃいましょう!」
「ノリがいい~~~~! じゃあお願いします!」
バァァーーーン!!!
「どうですか、かわいいですか?」
「かわいいですよ~♡」
「かわいい~??」
「かわいい~~♡」
「ほんとに? ほんとにかわいい~??」
「ほんとにかわいい~!」
「ほんとのほんと? ほんとにかわいい~??」
「か~わ~い~い~」
「ほんとのほんとのほんとに……」
「もういいでしょ」
「すいません、嬉しくてテンションあがっちゃった! さて、だいぶてんこ盛りにしてもらったのですが、総額どれくらいなんですか?」
「花冠、チョーカー、指輪、ブレスレッドなど、合計19点で……お値段総額でこちらになります♡」
全部で2,322円!?
「こんなに大人買いしたのに?! いつも買うイヤリング1個分くらいの値段だ。サン宝石やっぱり安い!」
「子供のおこづかいで買える価格帯ですからね」
「それにしても、大人が使っているアクセサリーを子供向けに落とし込むのがうまいですね! どういう人が作ってるんだろ?」
「お会いになります?」
「会ってみた~い! この店の奥にオフィスが…?」
「山梨県に本社があります」
「やまっ…………?」
プァーン
山梨県中央市、空気がおいしいなあ……
というわけで、サン宝石本社に話を聞きに来ちゃいました。
サン宝石本社に潜入!
話を伺ったのはこちらのお二人。企画部の岩渕さん(左)と土橋さん(右)
「今日はよろしくお願いします! お二人とも、やっぱり子供の頃からサン宝石のファンで、入社されたんですかぁ!?」
「……いえ」
「あまり買ったことはなかったですね」
「そういうこともありますよね! ではサン宝石という会社自体のことについて聞いていきましょう。どのような経緯でアクセサリーを作り始めたのでしょうか?」
「実は最初からアクセサリーを販売してたわけじゃなくて、創業当初(1967年)はハンコ屋だったんです」
「なんでハンコ屋さんがアクセサリーを売ろうと思ったんですか?」
「山梨が宝石の街だから、というのがありますね。いわゆる地場産業というやつです。水晶や鉱石の産地だったんですよ」
「そこで最初は、ごく普通に大人向けのアクセサリーを作っていたんです。これが初期の頃のカタログです」
「わあああ〜〜〜本当だ! 価格も現在の商品と比べてお高いですねえ。そこからどうやって子供向けのアクセサリー事業に発展したんですか?」
「大人向けの商品って、他にもやってるメーカーが多いから埋もれちゃうんですよね。当時は子供向けのアクセサリーって珍しかったから、やってみようと」
「え、そんな理由なの!?」
「本当は『女の子に向けてわくわくドキドキするような商品を届けたい』という理念もあったんですが、恥ずかしいので言いませんでした」
「言ってくださいよ」
ちなみに、サン宝石と言えば女子のアイテムというイメージですが、実はメンズ向けのアクセサリーもあったんです。昔はジャンプの後ろのページにも掲載してたんだそう。
あのページもサン宝石だったんだ……!
時代が反映されるサン宝石のアイテム
ここで広報の方が昔のカタログを持ってきてくれました
「これは今までのカタログです」
「わぁ、デザインに時代を感じる! 私がちょうど通販していた時代のカタログもありますね」
私が小学生くらいの頃(2003年)のカタログ
「人気のアイドルとかモデルさんの影響ってあるんですか?」
「ありますあります!AKB48が出てきたときはチェック柄の商品やシュシュとかカチューシャが売れたり、ミニモニ。が人気のときは派手なパステルカラーのものが売れたりしましたよ」
ミニモニ。が日本で猛威を振るっていた頃の紙面
「あと浜崎あゆみさんがつけてた、ふわふわした尻尾とか」
「時代によって流行って変わっていくんですね。逆に、昔から変わらず売れてる定番商品っていうと、どういうものになります?」
「『ホコリ取り』ですかね。制服を着る学生さんから、大人まで機能的で使いやすいと評判のロングセラー商品です」
「あぁ! 持ってた~!! 値段が安くて重宝してました」
10年くらい前からデザインがほぼ変わっていないそう
ちなみに現在は¥190で販売中!安い!
現在の人気商品は意外にも……?
「昔はアクセサリーが主流でしたが、年々雑貨も仕入れるようになって、今では雑貨も主力商品となりました」
「学校でネタ的に使えるものが人気商品になりやすい傾向にありますね。このサンマのクッションとかもそうです」
「これをどう使うのでしょう。もしかして小学生たちは、学校で大喜利してるの?」
「子供の間でもスマートフォンが普及したことによって、みんなSNSを利用していて、YouTubeにアップする動画のネタにしたりしてるみたいですよ」
「あぁ~!なるほど! 少ないお小遣いでネタ探すのは難しいけど、サン宝石さんなら手が出るっちゅ~わけですね。他にどんなものが人気ですか?」
「最近一番売れているものはスクイーズですね」
スクイーズというのは触って楽しむ不思議な触感のおもちゃのこと
「網に入ったカラーボールみたいなものがありますけど、これもスクイーズですか?」
「それは『つぶすと飛び出るぷにぷにボール』という商品ですね。握ってみてください」
ニュグッ
ぎゃああああああああああああああああああ!!
「なんですかこれ! シメジみたいなものが生えてきた~~~~~~!」
「これが今人気ですね。握ってストレス発散したり癒されたり。店頭では売り切れ続出しています」
「スクイーズが人気ということは、現代っ子は疲れている…?」
※ちなみに後で聞いたんですが、原宿店でもスクイーズが人気で、売れ筋商品の上位をスクイーズが占めているそうです
原宿店の売れ筋商品ベスト3
※すべてスクイーズ!
3位 クマドーナツのむにむにストラップ
2位 食パンダさん
1位 顔付食べかけチョコまんむにむにストラップ
ピンチのサン宝石、救世主となったキャラ
「そういえば私が子供のときは、500円ぶん買えたらリッチな方でしたが、現代の小学生は一回のお買い物でどれくらい使うんでしょうか?」
「今もみなさん500円くらいですよ! 変わらないですね」
「ほっ。確かにカタログを見ると、昔と値段に変化がないですね。子供向けのアクセサリー通販で、サン宝石さんはずっとトップを独走しているんですよね?」
「確かに、子供向けのアクセサリーを作り始めてから、少女漫画や少女誌にも載せていただいたりして、売り上げは右肩上がりでした」
「だけど2000年くらいに少しずつ停滞し始めたんですね」
「ええ!なぜですか?」
「100円均一のお店の台頭ですね。身近に安くアクセサリーが買えるところが増えたからか、売り上げが伸びなくなりましたね」
「ああ、100円でなんでも買える!って子供ながらに軽く革命でした」
「試行錯誤した結果、幅広い世代に向けた商品展開をしたんです。大人向けの高めの値段設定の商品を出したんですね」
「おかげで大人のお客さまもチラホラご購入してくれたんですが、逆に今までのお得意だったお子さまは離れてしまって……結果的にはマイナスになりましたね」
「サン宝石さんの氷河期ですね」
「そこで、『子供たちがおこづかいの中でおしゃれできるものを作る』という初心に戻り、大激安セールを行ったんですね」
当時のカタログ。右上に注目してください。安さを前面に押し出しています
「おお!安そう!これは目を引きますね」
「この企画で離れていたお客さまが戻ってきてくれたんです……が! 持ち直したのも束の間、2006年くらいからまた停滞し始めるんです」
「ええ?!せっかく復活したのに、今度は何!?」
「このあたりから安いアクセサリー屋さんがどんどん台頭して、競合他社が増えてきたんですよね」
「万事休す! 今度こそ終わった……?」
「そんなときに、救世主とも言えるキャラクターが誕生するんです」
「アニメの展開みたい。どういうキャラクターなんですか?」
「現在も大人気の、ほっぺちゃんです」
「ほっぺちゃん? もしかして、原宿店や本社にたくさんいるこのキャラクターですか?」
これが人気のキャラクター、ほっぺちゃん
ちなみに本社の正面玄関を入った直後もこんな状態
そこかしこにほっぺちゃんが!フィーバーっぷりがヤバい
「ほっぺちゃんは幼児から小学低学年のお子さまに人気が出て、サン宝石を代表するキャラクターになりました。原宿に『ほっぺちゃんショップ』もオープンして」
「ほっぺちゃんって、どういう経緯で生まれたんですか?」
「当時、スイーツデコという、シリコンのパーツを駆使してかわいいパフェを作るブームがあったんですね」
「懐かしい! 食品サンプルみたいなパーツを買って来て自分で好きなものにつけてデコるやつですよね」
「そのときに工房のパートさんが、余ったシリコンを絞り出して、ラインストーンをつけて顔みたいにしたものを作ったんです」
こういう感じで余ったシリコンを絞り出して、なんとなく顔をつけたそう
「たまたまお店で、袋に詰めたスイーツデコ3点セットを売るということになって、このキャラかわいいから入れちゃう?ということになったんですね。そしたら飛ぶように売れまして」
「なるほど。ラーメン屋でまかない飯の人気がでて、お店のメニューに採用されるみたいな感じですね」
「え? そんな感じ……なんですかね?」
乾燥室で出荷を待つほっぺちゃんの貴重なショット
小学生のトレンドをいつまでも追い求める
「大人になっても小学生の女の子たちの気持ちを知るのって難しいのでは? どうやって今のトレンドを追ってるんですか?」
「やっぱり原宿に行くことが多いですね。定期的に竹下通りで定点観測してます。それで何が流行っているか見てたりします」
「あと、お子さんがいる社員は、子供(リアルカスタマー)が集まるイベントに行く機会が多いのでそこで何が流行っているのかリサーチしたりしますね」
「なるほど、それは手っ取り早い」
「そういった情報を、できるだけ早く反映させるのが大事なんです」
「最近だとハンドスピナーなんかは、ネットで見つけたとき、会議にかけもせず急いで発注しましたね。店舗は土日の売り上げがかなり多いので、流行りのものは週末に間に合うように死に物狂いで発送してます」
最近流行のハンドスピナー
「今、会議とおっしゃってましたが、企画会議みたいなものは当然あるんですよね? ヒット商品ばかり世に出しててすごいですね」
「企画は女性ばかりを集めた専門チームがいます。ただ、決してヒット商品ばかりってわけじゃなくて、ボツもたくさんあります。100個アイディアを出して10個採用できたらいい方ですよ」
「わえ〜〜〜! つらい! 企画・デザイン職の宿命ですね」
貴重なラフやデザイン画を見せてもらいました。絵の段階ですでにかわいい~!
「大人の“かわいい”と、子供の“かわいい”って全然違うんですよ。大人の感覚で作ってみたら、色が渋すぎる!って指摘されたりしますね」
「大人になるとベージュとかカーキみたいな、落ち着いたアースカラーをよく着るようになりますからね~」
「ボツを乗り越えて自分なりの“かわいい”の感覚をやしなって行くんです。うちの企画チームはそうやって叩き上げてきた、優秀な人間ばかりだと思ってます」
こちらが企画チームの皆さん
和気藹々と企画出しをしているんですって。この雰囲気が良い商品を生み出すの?
人はみなサン宝石に帰ってくる
「ひとつ気になってることがあるんですが、聞いてもいいですか?」
「なんでしょう?」
「女子小中学生向けに商品を作るということは、いつかはみんなサン宝石を卒業していってしまうということですよね?」
「そうなりますね」
「いつかやってくる卒業を想定しながら作るのは、寂しくないですか?」
「う~ん、寂しくはないですね。だって、また帰ってきてくれると思っているので」
「帰ってくる??」
「子供の頃にサン宝石を利用してくれていた方は、大人になった時に、お子さんと一緒にまたサン宝石で買い物してくれるんです。だから寂しいとは思いません」
「原宿のショップでは実際にそんな光景をよく見ますよ」
「わぁ~良い話! シャケが生まれた川に戻ってくるみたいな感じですね!」
「え? そんな感じ……なんですかね?」
「私も早くサン宝石に戻ってこれるように婚活に励みます…!」
「ぜひ頑張ってください!」
というわけでサン宝石のショップ、そして本社と話を聞いてきましたが、いかがだったでしょうか。
いつの時代も、「お小遣いで買えるアイテム」を作り続けるサン宝石。私も、もう良い歳なのに、魅力的なアイテムを見て胸がときめいてしまいました。
だって……女の子だもん!
(おわり)
なお、記事でモンゴルナイフが購入したアクセサリーを、まとめて1名さまにプレゼントします!
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— どこでも地元メディア「ジモコロ」 (@jimocoro) 2017年7月13日