集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ「安保関連法案」に反対する憲法学者・研究者たちが7月3日、東京・永田町の国会議事堂前でリレー形式の演説をおこなった。時おり雨に見まわれながらも、10人以上の学者・研究者らが安保関連法案を廃案にするよう訴えた。
安倍政権が成立を目指す安保関連法案をめぐっては、多くの憲法学者が「憲法違反だ」という意見を表明している。また、10代、20代の若者を中心したグループなどが「戦争法案だ」と反対する国会前デモを起こすなど、これまでの「護憲運動」を超えた動きが起きている。
リレートークでは、清水雅彦・日本体育大学教授は「憲法のどこをどう見ても、集団的自衛権は認めれない。安倍政権は無理なことをしようとしている」と述べた。また、三輪隆・埼玉大学名誉教授は「正確に言うと、戦争法案じゃなくて、人殺し法案だ」と強調した。
呼びかけ人の一人である石崎学・龍谷大学教授は「樋口陽一先生(東京大学名誉教授)の国会前アピールに心を打たれた。私でもやれることはないかと研究室を飛び出してきた」と述べた。登壇者の一人は「こんなところで話すのは恥ずかしいが、我慢できずにやって来た」と語った。
荒天でときどき雨が降りかかる国会前には、学者や研究者、弁護士のほか、メディアや市民50人近くが集まった。また、社民党の福島みずほ参議院議員や、生活の党の山本太郎参議院議員ら国会議員も数人駆けつけて、改めて安保関連法案に反対していた。