Ubuntu 12.04 LTS Precise Pangolin(プリサイス・パンゴリン: 精密なセンザンコウ)が、2012年4月26日に正式リリースされました。
Ubuntu 12.04 LTSは、Unityを採用した初めてのLTS(Long Term Support: 長期サポート版)で、このバージョンからサポート期間が、3年から5年に延長されます。※ LTS - Ubuntu Wiki https://wiki.ubuntu.com/LTS
以下、Ubuntu 12.04 LTSのインストール方法と、Ubuntuをより快適に使うために、インストール直後に行うシステム設定、さらに、新機能をいくつか紹介します。
Ubuntu 12.04をインストールするには、まず、Download Ubuntuから、Ubuntu 12.04のディスクイメージ(約700MB)をダウンロードします。
※ Download Ubuntu: http://www.ubuntu.com/download/ubuntu/download
次に、ダウンロードしたディスクイメージから、UbuntuであればBrasero, GnomeBakerなど、ISOイメージをCDに書き込むことができるアプリを使って、ライブCDを作成します。
WindowsでのライブCD作成方法は、以下のページに図入りで説明があるので、参考にしてください。
※ How to burn a CD on Windows: http://www.ubuntu.com/download/help/burn-a-cd-on-windows
ライブCDを作成したら、ハードディスクにインストールする前に、まずはCDからUbuntuを起動できるか確認してみましょう。
ライブCDの起動画面で、言語リストの一番下にある「日本語」を選んで、「Ubuntuを試す」ボタンで、Ubuntuが起動します。
あとは、Firefoxを起動してインターネットにつながるか、また、画面が正常に表示されるかなど、一通り動作ををチェックします。
ライブCDでの動作確認が終わったら、左上のインストールアイコンをクリックして、Ubuntuのインストーラーを起動します。
Ubuntuのインストールは、最初にいくつかの簡単な質問に答えるだけで、30分程度で完了します。
まず、インストールの準備として、ハードディスクの容量やインターネット接続の確認が行われます。
次は、インストールの種類です。すでにインストールされているOSとデュアルブートにするか、クリーンインストールかを選びます。
選択したインストールの種類にしたがって、インストール先のパーティションの確認画面が表示されます。
ここで、「インストール」ボタンをクリックすると、すぐにファイルのコピーが始まり、後戻りできなくなるので、十分に注意してください。
続いて、住んでいる場所とキーボードレイアウトが自動検出されるので、「続ける」ボタンをクリックします。
最後は、ユーザー情報の入力です。ユーザー名やログインパスワードを入力すれば、インストールの質問は終わりです。
あとは、スライドショーを見ながら、インストールが完了するのを待ちましょう。
Ubuntu 12.04のデフォルトブラウザは、Firefoxです。メインブラウザにGoogle Chromeを使いたい場合は、debパッケージから正式版をインストールしましょう。
※ Google Chrome ダウンロード http://www.google.co.jp/chrome/intl/ja/landing_ch.html
Google Chromeのダウンロードページから、debパッケージ「google-chrome-stable_current_i386.deb」をダウンロードしたら、右クリックしてメニューから「Ubuntuソフトウェアセンターで開く」を選びます。
Ubuntuソフトウェアセンターが起動するので、「インストール」ボタンをクリックして、Google Chromeをインストールします。
Ubuntu 11.10では、インストール直後に、漢字が中国語書体になるという問題がありましたが、Ubuntu 12.04では、問題なく日本語がきれいに表示されます。さすがLTSですね。
「Ubuntu Desktop 日本語 Remix CD」からではなく、オリジナル判のCDからUbuntuをインストールした場合は、Japanese Teamによる日本語追加パッケージをインストールして完全な日本語サポート環境を整えましょう。
Ubuntuの端末から、以下のコマンドを実行して、「ubuntu-defaults-ja」パッケージをインストールします。
$ sudo add-apt-repository ppa:japaneseteam/ppa $ sudo apt-get update $ sudo apt-get install ubuntu-defaults-ja
※Ubuntuの日本語環境: http://www.ubuntulinux.jp/japanese
パッケージを提供するサーバーを最適化すると、Ubuntuアプリのインストールを高速化できます。
Unityランチャーから「Ubuntuソフトウェアセンター」を開いて、「編集」メニューから「ソフトウェアソース」を選びます。
「ダウンロード元」リストは、デフォルトで「日本のサーバ」になっていますが、これを「その他」に変更します。
「最適なサーバーを探す」ボタンをクリックすると、テストが開始され、自動的にダウンロード元のサーバーが、最適なサーバーに設定されます。
「サーバーの選択」ボタンで、サーバーを選んだら、端末から「$ sudo apt-get update」コマンドを実行して、パッケージリストを更新しておきましょう。
Ubuntuアプリのインストールの基本は、Ubuntuソフトウェアセンターからですが、アプリのインストール中に、どうも少しひっかかるような感じがあり、インストールが遅くなることがあります。
より、すばやくインストールするには、「Synapticパッケージマネージャ」を使いましょう。
Synapticパッケージマネージャは、ソフトウェアセンターから「synaptic」で検索すれば、インストールできます。
Ubuntuインストール直後の状態では、著作権制限等の関係で、wmv,mp4などの動画ファイルやDVD、mp3などの音楽ファイル、また、動画サイトのFlashビデオを再生することはできません(YouTubeでHTML5動画は視聴可)。
これらのメディアを再生できるようにするには、「ubuntu restricted extras」というパッケージをインストールします。
Ubuntuソフトウェアセンター、またはSynapticパッケージマネージャから、「ubuntu restricted extras」で検索してインストールすれば、動画や音楽を再生するために必要なコーデックがインストールされ、再生できるようになります。
ubuntu restricted extrasのインストールで再生できるようになるのは、著作権制限のない自作DVDなどだけです。
市販のDVDを再生するためには、以下のコマンドを実行します。
$ sudo /usr/share/doc/libdvdread4/install-css.sh
これで「libdvdcss2」というパッケージがインストールされ、市販のDVDでも再生できるようになります。
特定のファイルの種類を、新しくインストールしたアプリケーションで開くように変更するには、Nautilusファイルマネージャから、そのファイルを右クリックして、メニューから「プロパティ」を選びます。
「開き方」タブから、新しいアプリケーションを選んで、「デフォルトに設定する」ボタンをクリックすれば、以後そのファイルをダブルクリックしたときに、設定したアプリで開くようになります。
【注意】この方法でグローバルメニューを無効にすると、Ubuntu 12.04の新機能HUD(Head Up Display: ALTキータップで、アプリケーションのメニューを検索して実行する機能)が動作しなくなります。
Ubuntu 12.04からは、グローバルメニュー(上部パネルに表示されるメニューのこと)を無効にできるオプションが実装される、という話もあったのですが、HUDを実装したためか、なくなってしまったようです。
グローバルメニューを無効にする方法は、Ubuntu 11.10と同じで、Synapticから「appmenu」で検索して、グローバルメニュー関連のパッケージをすべて削除します。
Ubuntu 12.04になっても、デフォルトでは、新しくインストールしたテーマやアイコンを適用する機能はありません。
テーマやアイコンを変更するには、Ubuntu 11.10と同様、Advanced Settings (gnome-tweak-tool)を使います。
Advanced Settings (gnome-tweak-tool)は、ソフトウェアセンターかSynapticから「gnome-tweak-tool」で検索して、インストールできます。
ここでは、デスクトップテーマを「MediterraneanNight」に、また、アイコンテーマを「Simple Icon Theme」に変更してみました。
Ubuntu 12.04には、「プライバシー」という、ファイルの使用履歴を削除する機能が追加されました。
「プライバシー」を開くには、Unityパネルの電源アイコンをクリック、メニューから「システム設定」を選び、「プライバシー」アイコンをクリックします。
「最近のアイテム」タブでは、Unity Dashに表示される「最近使ったファイル」の履歴を、期間を指定して削除することができます。
また、右下にあるトグルボタン「アクティビティの記録」をオフにすれば、すべてのロギングを停止することもできます。
他にも、「ファイル」タブで、画像、オーディオ、ビデオなど、ファイルの種類ごとにロギングを停止したり、「アプリケーション」タブで、特定のアプリケーションのロギングを停止することもできます。
いままでなかったのが不思議なくらいですが、Ubuntu 12.04からはシステム設定の「外観」から、Unity Launcherのアイコンサイズを変更できるようになりました。
「外観」タブの下にある、「Launcherアイコンのサイズ」のスライダーを動かすだけで、簡単にLauncherアイコンのサイズを変更できます。
また、「挙動」タブでは、Launcherを自動的に隠す設定もできるのですが、「表示感度」をあげても、いまいちレスポンスが悪いようです。
システム設定の「外観」でデスクトップの壁紙を変更すると、そのままログイン画面にも適用されるようになりました。
ログイン画面の背景に適用されるのは、ホームフォルダ内の「ピクチャ」フォルダの直下にある壁紙だけです。
他の場所にある壁紙を指定した場合は、ログイン画面はデフォルトの背景のままになります。
最後に、これは便利!!という新機能を紹介します。
Ubuntu 12.04 LTSでは、Superキー(Windowsキーのこと)長押しで、いつでもショートカットキーを表示できるようになりました。
ここに表示されているショートカットキーを使いこなせば、Ubuntuでの作業が格段に速くなりますよ。
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