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映画を観て、思った事や感じた事を綴って行きます。※ネタバレありです。

死刑にいたる病

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櫛木理宇著の長編サスペンス小説「死刑にいたる病」が原作となって、本作品が
作られています。連続殺人鬼の榛村大和(はいむらやまと)から手紙を受け取った
大学生の筧井雅也(かけいまさや)が色々独自の調査をして判明することを通し
て、僕ら視聴者が色々な事実を知ると言った構成になっています。ただ、榛村は
本当に不思議な人格の持ち主です。立件されただけで24件の殺人を犯していま
す。それでいて、街で美味しいと評判のパン屋さんの店主でした。物腰が柔らか
く上品で、俳優並みに美男子な彼は、誰からも好かれる人物でした。周囲の人々
はみな彼に好意的だったのですが、その善良さの裏には殺人者の顔を持ったサ
イコパスでも有りました。
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榛村が獲物にしたのは、ハイティーンと呼ばれる10代後半の少年少女ばかりで、
監禁し、むごたらしい拷問を加えて命を奪うと言うのが手口でした。
ただ、最後に殺したと言われる根津かおるだけは、冤罪だと榛村は言い切ってい
ました。確かに、被害者の根津かおるは23歳と言う年齢で、年齢的に榛村のター
ゲット層とは異なっています。また、榛村の自宅ではなく山林で発見されたこと、
監禁や拷問は加えず24時間以内に命を奪われていたことなど、それまでの手口
とはかなり違っていて、公判記録を見ても犯行を裏付ける証拠は見つかりません
でした。忘れてはならないことは、指の爪を一つずつ剥す。それも根津かおるは
されておりませんでした。つまり、被害者像、遺棄状況、犯行の手口、どれを取っ
ても一連の事件の中で浮いていました。榛村にそそのかされるように、筧井雅也
はその事件の真相を調べ始めます。榛村は、不思議な性格・雰囲気を持ってい
て、他の者の心をつかみ、自分の思い通りにその人の懐に入っていくことができ
ました。
前に、僕にある人が「阿部サダヲにどこか似ているね。」と言われたことを思い出
しました。こんな個性的な役者さんに似ているなんて面目ない!人の懐にサッと
入れるなんてすごい性格、僕もなりたい!と思ってしまいます。
筧井雅也は、榛村を調べていくにつれ、榛村を引き取って、養母になった織子と
言う女性のボランティアを行う施設で撮られた集合写真に、若かりし 母親の柃子
が写っているのを発見しました。榛村と筧井雅也の母親は、昔からの知り合いだ
ったのです。これは、かなりショッキングなことでした。自分を生んで育てた母親が、
親から虐待を受けていて捨てられ過去が有り、母は織子に引き取られた。つまり、
榛村と衿子は同じ養母に引き取られた養子同士と言う関係でした。これを知った
筧井雅也は、このことを母に話すと、「織子さんは異性間の交渉にはすごく厳しい
人だったので、子供を妊娠してしまった後は、おろすこともできなくて、織子さんに
ばれてすぐに母は追い出された」と言いました。そこで、筧井雅也は、もしかしたら
俺は榛村の子?と言う疑問が浮かび上がって来ます。
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筧井雅也は、ただ単に榛村から手紙をたまたまもらったのではなく、意図してもら
った?とそもそもの話に戻って行きます。それと、根津かおるを殺害したのは誰?
と言う疑問が残ります。紙面の関係上、作品の寸評はこれくらいにしますが、この
作品は結局何を言いたいのか?人を制圧する妙?大量殺人者の性癖?考える
と眠れなくなるのでこれくらいにしますネ。

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評価点   82点
お薦め度  85点

2022年  129分  日本製作

 
 
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