先日クリアしたダンガンロンパのレビュー行くぜ!こっちはネタバレ無しね。
めっちゃ面白かったよ!
最近はDSiウェアとかWiiウェアとかの小粒なゲームを中心に遊んでいたし、
それ以外だとアームズハートとかいう、
シャドウハーツの監督やキャラデザが関わってるクソゲーで苦しんだり、
仮面ライダークライマックスヒーローズオーズで、
隠しキャラの出現条件が分からなくて
延々と彷徨い続けて苦しんだりしてたから余計に面白かった。
久々に「面白いゲームをガッツリ遊んだッ!」って満足感があったぜ。
ダンガンロンパはスパイクから発売されたアドベンチャーゲーム!
超高級の人材だけが入学できるという、
政府公認の超エリート学校『希望ヶ峰学園』
主人公の「苗木真」は何の才能も無い平凡な学生だったが、
抽選で選ばれた「超高校級の幸運」としてこの学園に招かれる。
しかしその学校はモノクマと名乗る謎の存在に乗っ取られていた。
集まった主人公を含めた15人の生徒達は
この学園で一生、共同生活を送ることを強制される。
学園は完全閉鎖されており脱出は不可能。
晴れて「卒業」した生徒だけが脱出出来るが、
それは生徒の誰かを殺し、かつそれを他の生徒に悟られないことが条件。
完全犯罪を犯した人間だけがここから脱出できる。
殺人が起こったら「学園裁判」によって誰がクロかを生徒全員で議論。
見事に真犯人を当てることが出来たら
犯人は「おしおき」という名の処刑を受けて学園生活は続行されるが、
もし真犯人を当てることが出来なかった場合は犯人以外の全員が「おしおき」!
誰が誰を殺すのか。誰が殺したのか。誰が殺されるのか……。
こうして、疑心暗鬼渦巻く絶望の学園生活がはじまった!
というストーリーだ。
絶望した!絶望的過ぎるストーリーに絶望した!
ゲームは(非)日常パートと非日常パートと学級裁判パートの3つで構成されており、
これが1シナリオ1セットで進行する。
(非)日常パートでは学園のあちこちを歩き回り、
他の生徒達と会話をしたり、
ゲーム中にゲットしたアイテムをプレゼントして好感度を上げたりと、
割と普通の学園モノゲームみたいな内容だ。
好感度が上がると生徒達のキャラを掘り下げる色々な話を聞けるし、
学園裁判パートで有利になるスキルもゲット出来る。
このキャラとの会話がかなり良いだけに
もうちょっとバランスは考えて欲しかったかな。
登場人物が多いせいもあって、1周目じゃ半分も見れないぞこれ。
死んじゃったキャラとは当然会話出来なくなるしね。
何回か繰り返してストーリーが進行すると殺人が発生して非日常パートに叩き込まれる。
現場検証や証拠の発見の為にあちこち歩き回り、
フラグをすべて立てたら学園裁判パートに移行する。
ちなみにこのゲーム、移動は3Dの学園を実際に歩き回る形式だが、
全体マップでイベントが発生する場所と、
生徒のいる場所が一目で分かる親切設計になっているので、
「あのキャラとお話したいのにどこにいるか分からない!」
「どこに証拠があるのか分からない!」という状況にはならないので安心だ。
学園裁判パートは
ノンストップ議論、閃きアナグラム、マシンガントークバトル、クライマックス裁判と。
様々な要素が詰め込まれていてこのゲームのメインだ。
ここでのセリフはフルボイスで臨場感はバツグン!
まあシステム的にはここがちょっと微妙なんだけどね……。
ノンストップ議論はキャラのボイス付きセリフが
リアルタイムで画面右から左にどんどん流れて行く。
どこかにかならず矛盾点があるので、手持ちの証拠をダンガンにし、
方向キーで狙いをつけて発射して破壊するパート。
「凶器はAだったな」という発言に、
「凶器はB!」という証拠を撃ち込んだりと、そんなノリ。
たまにノイズセリフが流れてくるのでそれは○ボタンのサイレンサーで撃ち落す。
逆転裁判の証言パートに近いノリだが、
フルボイスと演出のおかげでそれなりに楽しいし気持ち良い。
ちょっとしたアクション要素がいいアクセントになってると思う。
閃きアナグラムとマシンガントークバトルは、
ガンシュー風に文字を撃ち落して単語を完成させるパートと、
音ゲー風味のミニゲームでこっちの話を聞かない相手を黙らせるパート。
ここは取ってつけた感が強くてイマイチだなぁ。
シナリオ上の演出として効果的な場面もあるにはあるんだが……。
クライマックス推理。
犯人と事件の全貌が明らかになったところで最後にやることになるパート。
事件発生から殺人までの流れをコミックで再現。
ところどころに抜け落ちた部分があるので、
そこに正しいコマを当てはめるというものだ。
これは惜しい!このコミック形式の部分がかなり凝っていて、
表現としては物凄く面白いのに、コマが小さくて字が潰れてたり、
何をやっているコマなのか分かりづらかったりで、
流れは分かってるのに不正解になりやすいってのがホント惜しいぜ。
ゲームの流れとしてはこんな感じ。
一応ノンストップ推理ゲームを謳っているが、
推理ゲームとして見ると難易度は非常に低い。
話の流れでほとんど答えが分かってる状態で、
プレイヤーが再確認するような感じで進んでいくからちと物足りなくはあったかな。
アクション要素もそこまで斬新ってわけではないし、
トリックも「うん?」ってのがチラホラ。
一般的な推理ゲームと一番違うのが、
「殺人が起きた!犯人判明!めでたしめでたし!」じゃなくて
「殺人が起きた!犯人判明!犯人をぶっ殺して絶望的学園生活は継続!」
ってとこよね。事件解決しても全然スッキリしないどころか
プレイヤーの心がダメージを受けるという。
またこっちの心を折るような展開をどんどんと続けてきてね……。
それでも続きが気になってやめられないのはキャラとシナリオと演出のおかげ。
登場人物でキャラの立っていないキャラは1人も存在しないと断言していい。
「超高校級の○○」という肩書きで個性付けされたぶっ飛んだキャラ揃い。
超高校級の幸運や超高校級のアイドルから始まって、
超高校級の格闘家やら超高校級の暴走族やら
超高校級のギャンブラーやらなんでもあり。そして超高校級の……。
魅力的なキャラデザと豊かな表情に加え、キャラ同士の絶妙な掛け合い。
学級裁判パートで最大限に生かされる大御所・実力派声優の演技力。
とにかくキャラの魅力でグイグイとプレイヤーを引き込んで行く。
そこでドーン!殺人!疑心暗鬼!処刑!
プレイヤーを突き落とす!俺の心はボロボロだ!
キャラの魅力を色んな意味で最大限に使ってやがるぜ!
まあ、「超高校級の○○」って肩書きが
あんまり生かされてないキャラの方が多かったような気もするけどさ。
おしおきムービーはストレートにえぐいものから、
笑っていいのか絶望していいものか迷うものと様々。
ムービーのテンポや魅せ方は見事で、
キャラの心理が手に取るように伝わってくる絶妙な表情変化も素晴らしい。
あのおしおきムービーだけでもかなり色々と妄想や解釈が出来るわ。
大山のぶ代が演じることが話題になった黒幕のモノクマはマジで外道!
あの声で下ネタやら皮肉たっぷりのセリフやらのギャップが凄いわ。
演技はちょっと幼い感じではあるけどまんまドラえもんなのに本気で不気味で、
最後にはこのファングジョーカーもどきに本気で怒りを覚えるようになる。
笑わせられるシーンも多いんだけどえぐいシーンはえぐい。
こののぶ代、本気で真っ黒だべ!悪役としてすっげぇ良いキャラ!
設定イラストでの後姿の指定から察するに、
体型は原作初期のぽっちゃりしたドラえもんがモデルなのかね?
キャラの魅力に加えて、ゲームが進行するごとに学園で行ける場所が増えていき、
そのたびに少しずつ謎が明らかになったり、新しい謎が増えたりするので、
ダークなシナリオでプレイヤーの心を折りに来る酷い展開ばかりなのに、
もうとにかく遊んでいて続きが気になって気になってしょうがない。
誰が誰を殺すかまったく分からないので常に緊張感もあるしで、
ほとんどぶっ通しでクリアしちまったよ。
このゲームのプレイヤーを引き込むパワーは本当に凄いわ。
展開によって目まぐるしく変わる音楽も見事にマッチしてるし、
2Dのグラフィックと3Dのグラフィックの融合、
公式によると「2.5D」で表現された学園内も見ごたえアリ。
色んな意味でヘビーな内容を和らげるためか、随所にパロネタもてんこ盛り。
北斗の拳やドラゴンボールネタから、スクライドのクーガー兄貴ネタ。
wizにザナドゥ、ファザナドゥまで。レトロから新作までてんこ盛り。
もちろん、22世紀から来たネコ型ロボット関係も豊富に取り揃えております。
幅広くネタが散りばめられていてなかなか楽しませてくる。
ただ、シリアスなシーンでもお構いナシに入れて来たり、
何の脈略も無く喧嘩番長4の宣伝ムービーが始まったり。
ここら辺はなんとなくスパイクの悪いトコが出てしまってた気がするかな。
ゲーム中に手に入れたコインを使って
サウンド、イベントイラスト、設定資料、ムービーなどを
開放することが出来るのも嬉しい。どれもレベル高いからね。
コインはイラストや音楽を一つ解禁するのに3~10個必要だけど、
学級裁判をクリアする度に70~100枚くらい手に入るので
無駄遣いしなければそんなに困らない。
というわけで荒削りながらも見所満載で非常に面白かったんだけど、
ゲーム自体は好き嫌い分かれるよなあ。
まず登場キャラが次々に死んでいくし、描写もかなりえげつない。
「このキャラいいなあ!」って思った次のシナリオで
お気に入りのキャラがぶっ殺しされることも多いのですよ!
それ以上に好みが別れそうなのが、「絶望と希望」というテーマを
プレイヤーにぶつける以外の要素を捨ててると言ってもいい所かな。
シナリオ上、物凄く重要なことであっても、
詳しく説明すると陳腐になるような部分は容赦なくブン投げて行って、
劇中にそれを皮肉るようなセリフまで飛び出してくる。
ある意味で非常に潔いんだが、
「さすがにそれはもうちょっと説明してよ!」ってのが多い。
エンディングの解釈も意見が分かれるところ。
でも俺はだからこそ、このゲームはここまで面白いんだと思う。
シナリオ、システム、キャラ、演出、音楽。このすべてを最大限に使って
プレイヤーに「絶望と希望」というテーマを一直線に弾丸のように撃ち込んで来る。
そこにすべてを燃やしたゲーム構成になっている。
だからこそ、好き嫌いが分かれるんだが
だからこそ!このゲームはここまで面白いんだと思う!2回言ったぞ!
荒削りではあるが、とにかく随所から作り手の熱い意気込みが伝わってくる一本。
まさにこのゲームそのものが“超高校級の意欲作”だと言っていいだろう。
初週で25000本、電撃調べの方だと32,915本売れていたみたいで、
完全新作のADVとしては凄く健闘してるけど、
口コミでもっと広がってもっともっと売れて欲しいなあ。
こういうゲームが売れるべきだし、それだけのポテンシャルは持っている。
ただ、続編はムリだよねぇ。
伏線とか設定を掘り下げる形で作れなくはないけど
絶対にダンガンロンパより面白くはならないと思うし蛇足になりそう。
俺としてはこのノリを引き継いだまったくの完全新作が欲しいところだぜ。
ダンガンロンパスタッフのこれからの活躍に期待だ!
スパイク (2010-11-25)
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