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2013年6月 5日 (水)

「児童ポルノ禁止法」改正法案に反対する声明

●声明●2013年6月5日

「児童ポルノ禁止法」改正法案に反対する声明

「児童ポルノ禁止法」改正法案が、5月29日、自民党・公明党・日本維新の会の3党共同で衆議院に提出された。日本出版者協議会(出版協)はこの法案に反対する。
この「改正法案」はすでにある児童ポルノ規制の範囲をこえて、実在しない児童を描いた漫画やアニメを含めて規制が拡大・強化されている。これは、表現の自由を著しく損ねる恐れがある。

性的被害に遭っている児童を守るという本来の目的を大きく逸脱して、漫画やアニメの「非実在青少年」に関わる性表現を規制することには反対である。

さらに単純所持の禁止・処罰化も問題である。

出版協(当時は流対協)は2010年11月の東京都青少年条例に改定に反対声明を出した。同条例に、都民が「児童ポルノをみだりに所持しない責務を有する」とあるのは、権力による恣意的運用の危惧があり、不当な逮捕や、えん罪を起こす疑念があり、加えて、児童ポルノの定義が曖昧なままでの単純所持規制の新設は、過去に入手した出版物を破棄しなければならない義務が生じ、焚書そのものとなり、到底容認できないという観点である。

今回の「改正法案」も現行の曖昧な定義をそのままに「単純所持禁止」と「処罰規定」(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)を設けており、反対せざるを得ない。かつて国会において、児童ポルノ処罰法が上程されたが、単純所持の処罰化に疑義が呈され、廃案になったことをふまえるべきである。

今回の「改正法案」では、規制対象が「漫画、アニメ・CG」と書かれており、これらの描写、表現を、公権力が恣意的に拡大解釈して規制できるようにするものであることが、よりはっきりした。

このような規制強化は表現の自由を著しく損ねる恐れがあり、児童を守るという本来の人権擁護の目的とはかけ離れたものとなっており、改めて反対を表明する。
以上

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