日本式『アニメの魂 協働する創造の現場』
日本研究が盛んなデューク大学 から出現した「ジャパニメーション業界の文化人類学」!
「なぜアニメを研究するのか」この問いに対する私の答え、それは、巨額の利益を成功の尺度の前提にしなくても成立する文化的な運動の原動力の謎を探りたいからだ。
著者が訪問したスタジオにはどこも女性従業員がいたが、代表取締役が女性だったのはSTUDIO4℃だけであり、スタジオを代表する地位に女性が就いていることは稀だった。
女性アニメーターは大勢観察されたが、制作工程のもっと上の階層、つまりプロデューサー、脚本家、監督、原画マンたちの打ち合わせに同席すると、男女比は六対一から五対一程度と推測され、多くても二対一だった。
日本政府肝入りのクール・ジャパンと呼ばれる産業振興政策は「男性ギーク文化」に偏重しており、結果として若い女性の創造性を殺している。ジェンダーの問題は、アニメにおいて無視することのできない問題だ。
日本では「アフレコ」だが、アメリカでは台詞が先に録音される。ただの技術的な話に聞こえるかもしれないが、そのことが応用されるアニメーション技術すべてに影響する。
アメリカ製のアニメ劇映画の場合、一人のキャラクターに対して一人のアニメーターが配役されます。日本の場合は一人のアニメーターが担当のシーンを全部描きますよね。
「動画」は人件費の安い韓国、フィリピン、中国といった海外に外注されている。見方によれば、「日本製アニメ」のほとんどは海外で作られているということもできる。
オタクという視点から見た男らしさからは、理想的とされる男性像の陰に多くの男性が経験する傷が想起される。
すべての男性が良い教育を受けて高給を取り、良き伴侶と子供に恵まれるわけではない。では、恵まれなかった者はどうすればいいのか。
イアン・コンドリー著『アニメの魂 協働する創造の現場』ようやく買った!財布の中身がレッドゾーン! pic.twitter.com/tlStQdGjx8
— Ryuto (@dirryuto) 2014年3月14日
コンドリー『アニメの魂』を読んでる。日本語訳でちょっと変で意味不明な部分があるけど面白い。著者が文化人類学者なので、相対化が徹底してて「日本アニメ文化オリジナル論」みたいなのに反論してるのが面白い。
— WARE_bluefield (@WARE_bluefield) 2014年7月4日
【八王子図書館】新着の棚から~「アニメの魂 : 協働する創造の現場 」アニメが製作される現場を文化人類学的なフィールドワークの手法でとらえています。誰がどのように造っているのか、協働の中から生まれるものを描写。訳者は映像翻訳者で細部に行き届いた訳だと思います。
— 多摩美術大学図書館 (@tamabi_library) 2014年9月11日
▶楽天
『アニメの魂 協働する創造の現場』
イアン・コンドリー
エヌティティ出版
ゴンゾ、アニプレックス、マッドハウスを中心に、スタジオジブリ、プロダクションI.G、東映アニメーション、サンライズ、ほか小規模スタジオにもお邪魔してクリエイターたちの仕事をアメリカン文化人類学で書き下ろす!
Amazonで評価をチェック
現実的に広範に広まってしまっているファンサブを全部敵に回すのは、ビジネスの観点からは正しいかもしれないけどファン(オタク)に対する反応としては必ずしも正しいとは言えない。コンドリー『アニメの魂』を読めば、現実の複雑さと、逆にいかに海外オタの情熱がすごいかもよく分かったりする。
— バーニング (@burningsan) 2014年8月1日
『ミニ特集:社会一般 サブカル』
『ミニ特集:サブカルとヒトの社会を考える本 その1』
『ミニ特集:サブカルとヒトの社会を考える本 その2』