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アメリカのいかさまアフガン戦争 by William Engdahl


繰り返しになりますが、http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/266/ より

アメリカのいかさまアフガン戦争 by William Engdahl 10月21日
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15761

 
オバマ大統領の行程表の注目すべき側面の一つは、メディアの殆ど誰も問題提起しないことであるが、なぜ一体アメリカ国防総省はアフガンの軍事占領を目指しているのか、ということだ。
 
ここには二つの基本的な理由がある。どちらも公的には認めることができないものだ。
 
「勝利」するためにやれ3万人だ、いや少なくとも20万が必要ではと、どれほどの軍隊が必要なのかという公式に話されている偽りの議論の背後で、本当の米軍の存在の目的は隠されている。

2008年の大統領選キャンペーン中でさえ、オバマ候補はイラクではなくアフガンではアメリカは戦争を継続する、と話していた。

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彼のその理由は何か?アルカイダ組織が存在していて、そのアルカイダはアメリカの安全保障にとっての脅威であるからだ、というものだ。しかしアメリカのアフガンでの戦争にはまったく違う理由があるのだ。

アフガンにおけるアメリカ軍の存在には二つの理由がある。第一は、アヘン市場における世界最大のアヘンの供給地を掌握し、そのアヘンを敵対者、特にロシア相手に地政学的武器として使用する、というものだ。アフガンのドラッグ市場を支配するということは、破綻し腐敗しているウォール街の金融マフィアの流動資産のため重要なのだ。


アフガン・アヘンの地政学
 
国連の公式レポートでさえ、アフガンのアヘン生産はタリバン政権が2001年に倒れてから劇的に増大していると記している。UNODCのデータは、タリバン政権時のいかなる時よりも過去4回の成長期(2004年~2007年)の各時期でケシの栽培が増えていることを示している。

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アフガンではラテン・アメリカのコカイン栽培よりも一層多くの土地がケシ栽培に使用されている。2007年では、世界のアヘン剤市場でアフガン産が93%を占めた。

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アメリカがポパルザイ族から出た問題の多いパシュツン軍閥長であるハミド・カルザイ氏をピックアップしたことが記録されている。この人物はCIAと仕事をしてきた男だ。

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アフガンからの情報では、カルザイは今日のアフガンのアヘンのゴッドファーザーである、という。

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彼がかつて、そして今もアメリカ政府の好む人物であることは何かの間違いでも何でもない。しかし大規模な選挙の不正と脅しなどでカルザイの政権は終わりに近づいていいるかもしれない。


胡散臭いビンラディンや彼のアルカイダ・テロリスト集団は誰なんだ、という点を世界は忘れてしまった後、アメリカ軍がアフガンにとどまる第二の理由は、米軍の戦闘部隊を、アフガン中の永久空軍基地と共に作り上げる口実のためだ。
 
これらの基地の目的は、アルカイダを掃討するためでも、謎めいた「タリバン」を根絶するためでもない。アメリカのアフガンでの基地の狙いは、アメリカの世界的帝権を脅かす二つの国を標的とし攻撃することができるようにするためだ。


失われた「天命」
 
ウォール街とワシントンのアメリカの権力エリートたちの問題は、彼らが深刻な金融危機の真っ只中にある、という事実だ(引用注:深刻な危機の真っ只中は、人類かも)。この危機は世界全体ではっきりと認識されていて、各国は生き残りのための動きをしている。アメリカのエリートたちは中国の帝国の歴史でいうところの天命を失ってしまった。天命は支配者が民衆を正義に基づき公平に支配することで与えられる。彼らが暴君として専制君主的に支配し、民衆を弾圧し酷使すれば彼らは天命を失う。

もしも、アメリカの金融と外交政策を過去1世紀にわたって支配してきた力ある民間の富豪エリートたちが天命を持っていたとすれば、彼らは間違いなくそれを失ったのだ。民衆に与えられている憲法上の権利を剥奪して、警察国家の創設に向かう国内の動きや、選良ではない財務長官のポールソンや今はティム・ガイトナーなどによる権力の恣意的な行使、「破産させるには大きすぎる」と言われるウォール街の最大の銀行の破綻の救済のため、納税者の同意もないまま数兆ドルを盗んだこと、これら一切は彼らは天命を喪失したことを示している。

この状況の中で、アメリカの権力エリートたちは彼らのメディアによって「グローバリゼーション」と欺瞞的に呼んでいる彼らの寄生虫的帝国の支配を維持するために必死でいるこの支配を維持するために、アメリカの将来の唯一のスーパーパワー支配に立ち向かうようになるかもしれない、ユーラシア大陸にある二つの大国の生起する経済、エネルギー、軍事における協力関係をぶち壊さねばならない。中国とロシアの連携のことだ。

二つの大国はそれぞれ重要な要素を持っている。中国は世界で最も活気のある経済、若く活動的な労働力、教育を受けた中流階級である。ロシアはソ連時代からの破壊的な経済、またエリツイン時代の原始的な略奪からまだ完全に復活はしていないが、それでもこの両国の連携に枢要なアセットを持っている。ロシアの核攻撃能力と軍事力は冷戦時代の残滓であってもアメリカの軍事的支配に対する唯一の脅威となっている。
 
またロシアは中国が緊急に必要とする世界最大の天然ガスと石油の大きな埋蔵量を持つ国だ。この二つの国は2001年に設立された上海協力機構(SCO)を通してますます連携を深めている。この機構にはロシアと中国以外に、中央アジアのカザフスタン、キリギス、タジキスタン、ウズベキスタンが含まれている。

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アメリカのタリバンやアルカイダに対する戦争の目的は、実際は自国の軍事力を直接中央アジアで生起しているSCOの地理的空白地帯に配備するためである。

公式的には、勿論アメリカは2002年以来アフガンに軍事プレゼンスを果たしているのは、アフガンの脆弱な民主主義を守るためだ、と主張している。これは奇妙なことだ。

2004年の12月、ドナルド・ラムズフェルド国防長官がカブールを訪問した時、アフガンのヘルマンド、ヘラト、ニムロズ、バルク、ホスト、パクチアに新しい9つの基地を建設する計画を立てた。この9つの基地は、2001年から2002年の冬に、表向きはオサマ・ビン・ラディンらのテロの脅威を封じ込め、根絶するためだとしてアフガンを占領した時建設した3つの主要な基地に追加されるものだ。

ペンタゴンの最初の3つの基地を、カブール北の米軍の主要な兵站基地であるバグラム飛行場、南部のカンダハル飛行場、西部のヘラトのシンダンド飛行場に建設した。シンダントはアフガンでのアメリカ軍の最大の基地だが、イラン国境からわずか100kmしか離れていない。またロシアと中国に対する攻撃を可能とする距離にある

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アフガンは歴史的に19世紀から20世紀にかけて中央アジアの支配を争うイギリス・ロシアのグレート・ゲームの中心舞台であった。イギリスの戦略は「帝国の王冠にはめ込まれた宝石」であったインドを脅かすことになるロシアのアフガン支配をなんとしてでも阻止するというものであった。

ペンタゴンの戦略立案者らには、アフガンは高度に戦略的であるとみなされていた。これはアメリカ軍が直接ロシアと中国とを脅かすことができ、同時にイランや石油の豊富な中東地帯に対し、にらみを利かせることができる位置にある。一世紀以上の戦争を超えて地政学的には殆どこの構図は変わっていない。

アフガンは南アジア、中央アジア、中東に接する非常に重要な位置にある。アフガンはまた、計画中のカスピ海の油田からインド洋に達するパイプラインの敷かれる地域となっている。

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これにはアメリカの石油会社であるユノカル、エンロン、チェイニー元副大統領のハリバートンが絡んでいる。これらの企業は、トルクメニスタンからアフガンとパキスタンを経由し、エンロンの巨大な天然ガスプラントのあるムンバイに近いダブホールまで運ぶパイプラインの独占的利権を交渉中だ。カルザイ大統領はアメリカの傀儡大統領になる前は、ユノカルのロビイストだった人物だ。


アルカイダは脅威ではない
 
こういった、アフガンにまつわる本当の目的についてのあらゆるごまかしを暴く真実は、アフガンにおける「アルカイダ」の脅威と言われるものをじっくり観察することではっきりする。
 
作家であるエリク・マルゴリス氏によれば、2001年9月11日同時多発テロ事件以前に、アメリカの情報機関はタリバンとアルカイダに対する支援をしていた。マルゴリス氏は、「CIAはウィグル人イスラム教徒を扇動し中国の支配に反対させるためオサマ・ビン・ラディンのアルカイダを利用し、ロシアの中央アジアの同盟国に対してはタリバンを利用して撹乱させよう計画していた」と主張している。

アメリカは昨年7月の世界ウィグル会議への支援をもって中国に反対するウィグル人イスラム教徒を扇動するという、別の手段を発見した。しかしアルカイダの「脅威」というものが、オバマ政権のアフガン戦争の正当化の要としていまだに使用されている。

しかし今や、前海兵隊大将でオバマ大統領の国家安全保障担当大統領補佐官のジェームズ・ジョーンズ氏は、アメリカの友好的なメディアによって都合よく隠されたのだが、アフガンにおけるアルカイダの脅威の大きさについて声明を発表している。ジョーンズ氏は議会に対し、「アルカイダの動きは非常に減少した。最大に見積もってもアフガンでの活動要員数は100人にも満たないし、基地もなく、アメリカに対しても同盟軍にたいしても攻撃を行うような力量は持っていない」と報告した。

これは、アルカイダなるものは、実際的には、アフガンには存在しない、ということだ。マジか・・・
 
パキスタンでさえ、アルカイダが活動しているのをみることは殆どない。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「アメリカの無人機で攻撃され、資金的には行き詰まっているため、パキスタンの荒涼とした山岳地帯に行くよう若いアラブ人を誘うことが困難になっているアルカイダは、アフガンでその勢力が縮まっているのを見ている、と情報機関ならびにパキスタンとアメリカ高官のレポートにはある。アルカイダが補充しようとするアラブの青年らにとっては、寒いところで腹を減らしながら隠れていることは素敵なことではない、と南アジアにいるアメリカ高官が語った」と報告している。

もしこの声明の論理的結論を見れば、アフガンの山岳地帯で、NATO要員と共にドイツの兵士が死んでいくのは、「テロとの戦争に勝利する」こととなんらの関係もないということだ。都合のよい事に、殆どのメディアは、アルカイダは存在しているとしても、1980年代のCIAの作った組織であるという事実を忘れていることにしているのだ。CIAはイスラム世界から急進的イスラム教徒をリクルートして、訓練し、アフガンのソ連兵に対する戦争をさせた。

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これはレーガン政権時のCIAのビル・ケーシー長官が作った戦略である。ソ連に対し「新しいベトナム」を生み出してやろうという目論みだった。これは赤軍の敗北とソ連の崩壊を導いた。

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今や、このジェームズ・ジョーンズ氏は、アフガンにはアルカイダは本質的には存在しないことを認めている。おそらく、アフガンのケシの収穫を守るために若い兵士を送るという本当の目的についての、もっと本音の議論が政治家たちによってなされるべき時になっているのだ。


元記事は

America's Phoney War in Afghanistan by F. William Engdahl  Global Research, October 21, 2009
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15761


参照

アフガン戦争
http://satehate.exblog.jp/6950680/

タリバンはまだCIAの仕事をしているのか? by Henry Makow Ph.D.
http://satehate.exblog.jp/12960405/

オバマ増派の残虐な実態 Bill Van Auken マスコミに載らない海外記事 2009年12月20日 (日)
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/12/post-8a67.html

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by oninomae | 2009-12-23 19:50 | 戦争詐欺・紛争

 

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