12月22日返還式典会場前で350人が抗議行動。夜には名護で「欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」に4,200人。
- 2016/12/25
- 01:13
Ryuukyuuheiwaより:
12月23日の琉球新報紙面
12月23日の沖縄タイムス紙面
集会アピール
2016 1222 QAB News
12月22日夜、名護市で欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会
https://youtu.be/pxl9F4WFR-A
12月22日夜、名護市21世紀の森屋内運動場で「欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」が4,200名の県民が参加して開かれました。映像は集会のダイジェストです。翁長県知事の挨拶は完全収録してます。
12月22日の琉球新報号外
12月23日 琉球新報
社説:北部訓練場過半返還 「負担軽減」にならない 県民の力で圧政はね返そう
誰のための返還なのか。米軍と安倍政権が仕組んだ欺瞞(ぎまん)に満ちた茶番と断じるほかない。
米軍北部訓練場過半の返還を記念した式典で、菅義偉官房長官は「今回の返還は本土復帰後最大の返還であり、沖縄の米軍施設の約2割が返還され、沖縄の負担軽減に大きく寄与する」と強調した。
在沖米軍基地機能強化による沖縄の負担増を、返還面積の広さで覆い隠し「負担軽減」と偽装することは断じて認められない。
2016年12月22日を新たな「屈辱の日」に終わらせてはならない。真の負担軽減を勝ち取る「出発の日」として位置付けたい。
新基地建設論理と矛盾
菅氏は式典で、北部訓練場約4千ヘクタールの返還の起点を1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意とした。沖縄戦までさかのぼるべきだ。
県民は本土の捨て石にされた悲惨な沖縄戦に巻き込まれた揚げ句、土地を米軍に強制的に接収された。その事実を踏まえれば軽々に「負担軽減」とは言えないはずである。
菅氏は「20年もの歳月を経てようやく返還を実現することができた」と述べた。米軍が「使用不可能」とする土地が返されるまで多くの年月を要したことを、まず謝罪すべきではなかったか。
東村高江の集落を囲む六つのヘリパッド移設が北部訓練場過半返還の条件である。オスプレイは既に訓練を繰り返している。夜間も騒音が激化し、睡眠不足になった児童が学校を欠席する事態を招いたこともある。
高江の状況を見れば、ヘリパッド移設を条件にした今回の返還がまやかしの「負担軽減」であることは明らかだ。
政府は米軍普天間飛行場の危険除去のため、人口の少ない名護市辺野古移設を進めるとする。だが、北部訓練場ではそれと逆のことをやっている。山林にあるヘリパッドを集落近くに移すことは、辺野古新基地建設の論理と矛盾する。
菅氏は「ヘリパッド移設で、これからもご迷惑をお掛けする」とし、住民に負担を強いることを認めた。これが安倍政権の言う「負担軽減」である。
稲田朋美防衛相は式典で「オスプレイ事故を受け、集落上空を避けるなど、地元の生活環境への配慮が十分得られるように取り組む」と述べた。期待できない。
防衛省は米軍に、民間地域でのオスプレイの危険なつり下げ訓練の中止を要請した。だが、米軍は訓練を強行した。日本政府に米軍の危険な訓練を止める力はない。
知事欠席は当然だ
空席が目立った返還式典とは対照的に、政党や市民団体でつくる「オール沖縄会議」主催のオスプレイ撤去を求める抗議集会は熱気であふれた。
翁長雄志知事もうちなーぐちで決意を述べ、「皆で心を一つにして子や孫のため、どうしても負けてはならない。辺野古新基地ができなければ、オスプレイの配備も撤回できる。必ず造らせないように頑張ろう」と呼び掛けた。
基地の過重な負担への不安が高まる中、知事が県民に粘り強い運動を求めたことに、県民の多くが勇気付けられたはずだ。
菅氏は返還式典後、「基地の負担軽減を掲げる知事が出席できないのは極めて残念だ」と述べた。知事が式典を欠席した重みを受け止められないとあっては、沖縄基地負担軽減担当相の資格はない。
知事が欠席したのは当然だ。それに不快感を示すこと自体おかしい。オスプレイ墜落事故直後に返還式典を強行することで、県民を愚弄(ぐろう)したことに気付くべきだ。
沖縄が求めていることは子どもたちが健やかに育つ生活環境の保障である。今回の返還が安全な暮らしにつながることはない。抗議集会参加者だけではない。多くの県民がそのことを知っている。
沖縄の未来を切り開くのは県民である。県民の力で圧政をはね返すことを改めて誓いたい。
12月23日 沖縄タイムス
社説;オスプレイ抗議集会 配備撤回のうねり再び
オスプレイ墜落への怒りが会場内に渦巻いた。
名護市安部海岸での墜落事故を受け、「オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」が22日、名護市内で開かれた。辺野古新基地建設に反対する政党、経済界有志、市民らでつくる「オール沖縄会議」が主催し、約4200人(主催者発表)が集結した。
参加者に共通していたのは「墜落の不安が現実になった」との衝撃だ。そして墜落事故の原因が究明されていないにもかかわらず、事故からわずか6日後に飛行訓練を再開した米軍と、それを容認した日本政府への怒りだ。
翁長雄志知事は、日本側が主体的に原因究明に当たることができない日米地位協定を批判し、強行された飛行再開に「政府は沖縄県民を日本国民として見ていない」と強い憤りを示した。
この日、米軍北部訓練場の過半となる約4千ヘクタールが返還され、同じ名護市内で政府主催の返還式典が開かれた。ただ、日米両政府がどんなに基地負担軽減をアピールしようとも、それがまやかしだと県民は気付いている。返還と引き換えに、東村高江集落を取り囲むように6カ所のヘリパッド(着陸帯)が整備され、その運用が始まれば基地負担は、むしろ増すからだ。
オスプレイ配備撤回を求めるうねりが、再び高まろうとしている。抗議集会で登壇した大学生の玉城愛さんの「県民の生活が安全なものになるには、オスプレイの配備撤回と新基地建設断念が必要だ」との訴えが象徴している。
登壇者からは「にじららん(もう我慢できない)」「がってぃんならん(合点がいかない)」と、うちなーぐちによる発言が相次いだ。
翁長知事は「チムティーチナチ、クヮウマガヌタミニ、チャーシンマキテーナイビラン(心を一つに子や孫のためにどうしても負けてはいけない)」と呼び掛けた。稲嶺進名護市長も「オスプレイ、辺野古新基地、高江のヘリパッドも駄目なものは駄目だ」と、しまくとぅばで訴えた。
在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官の「感謝されるべきだ」との発言に代表される米軍の高圧的な態度や、日本政府の住民軽視の姿勢に対し、沖縄の怒りは頂点に達しようとしている。
オスプレイ配備撤回という政治的運動と併せ、沖縄の歴史体験に根差した県民の尊厳を守る闘いになりつつある。しまくとぅばでの表明はその表れだ。
新基地建設を巡る「辺野古違法確認訴訟」の上告審で、県の敗訴が確定した。国は翁長知事の取り消し処分の取り消しを待って、埋め立て工事を急ぐ意向だ。
県の動向に注目が集まる中、翁長知事は集会参加者を前に「今後も県が持つあらゆる手法で辺野古に新基地を造らせない公約実現に不退転の決意で取り組む」と表明した。政府主催の式典を欠席し、抗議集会に参加した翁長知事の発言に会場が沸いた。
大規模返還をアピールしたい政府が式典を強行し、沖縄との溝をさらに深めたことを政府は直視すべきだ。
12月22日、名護署前で山城さんらを激励、接見室から手を振る山城さん。
https://youtu.be/F-ItFwXwYF8
12月22日、名護署前で不当にも長期拘束されている山城さんらを激励する行動。途中接見室から手を振る山城さんの影が見え(残念ながら映像では鮮明に取れてません)ました。その場には山城さんのお連れ合いもおられました。その後接見を終えた照屋寛徳(弁護士)さんが報告。
12月23日の琉球新報紙面
12月22日雨の中、返還式典会場前で350人が抗議行動。
https://youtu.be/eBrFphJ5VGc
12月22日政府主催の北部訓練場返還式典に、強い雨の中会場前で高江のオスプレイパッド建設に反対する市民350人が抗議、「街宣右翼?」が大音声で妨害行為を繰り返す。
12月22日の琉球新報紙面
12月22日 琉球新報
社説:相次ぐ米軍機事故 安全意識の欠如明らか 全ての訓練を中止すべきだ
米軍や日本政府の言う「安全」は、やはり信用できぬ。
米空軍嘉手納基地で19日、P8哨戒機が事故を起こした。沖縄防衛局は「小さな破損」「軽微な事案」とするが、損害の程度の問題ではない。事故を起こしたこと自体、問題なのである。
13日には米海兵隊のオスプレイが名護市安部の浅瀬に墜落して大破した。別のオスプレイは米軍普天間飛行場に胴体着陸している。
県内で頻発する米軍機事故の背景に、米軍と日本政府の安全意識の欠如があることは明らかだ。相次ぐ事故に強く抗議し、全ての訓練中止を求める。
組織に構造的欠陥
米海軍によると、P8哨戒機は牽引(けんいん)装置が外れて胴体下部などが損傷した。日常的に実効ある整備点検や安全確認を実施しているのか疑わしい。
しかもオスプレイ墜落事故直後である。墜落事故を受けて、日本に駐留する全米軍は緊張感を持って安全な運用に取り組む責任がある。ニコルソン四軍調整官は在沖米軍にその徹底を指示したのだろうか。
牽引装置や整備に必要な機器に不具合がないかも含めて常に点検・確認する意識がなければ、万全な安全対策を取ったことにはならない。米軍の組織自体に構造的欠陥があると断じるしかない。安全対策を講じた上で、事故が起きたなら問題はさらに大きい。
沖縄防衛局が嘉手納町に事故を報告したのは20日である。遅過ぎる。基地内で起きた事故に県民は関係ないとし、連絡を急ぐ必要はないと考えるなら間違いだ。即座に県民に知らせるべきである。
防衛局が町に「牽引を伴う通常整備中、P8の前輪と胴体下部に小さな破損が生じた」「軽微な事案に対する調査が行われている」と報告したことも許し難い。損害は多額で最重大事故「クラスA」だが、大した事故ではないとの意識が見える。
相次ぐ事故に対する緊張感がないのではないか。防衛局が事故を矮小(わいしょう)化することでは米軍に緊張感を与えることはできない。その結果、事故も防げない。
整備体制に不備はなかったのかなどを米軍にただし、町に報告することは、防衛局の責務である。
四軍調整官はオスプレイ墜落事故に関連して「訓練にはリスクを伴い、危険も伴うことはある」とし、訓練中の事故発生を否定していない。今後も墜落を含む大事故は起きるということだ。
米軍と日本政府の言う「安全」は県民の安全を意味しないのである。訓練は県民を危険にさらす。訓練中止しか事故防止策はない。
政府の責任重大
安全に対する意識が低いのは米軍だけではない。日本政府も同様である。
菅義偉官房長官はオスプレイ墜落事故を受けて「米軍機の飛行に際しては安全面の確保が大前提だ」と述べた。これは何もオスプレイだけを指しての発言ではあるまい。
9月には米海兵隊のAV8ハリアー戦闘攻撃機が墜落し、今年だけでも県内では米軍機の墜落は2件も発生している。3カ月足らずで2件もの墜落事故が発生していることは「安全面の確保」ができた状況にはないということだ。日本政府は事故多発に重大な責任があることを自覚すべきだ。
オスプレイの飛行再開では、安倍政権は米軍の「安全宣言」をうのみにした。稲田朋美防衛相は「県民と国民が理解して安全だということがない限り、飛行することはやめてほしいと申し入れた」と翁長雄志知事に説明していたにもかかわらずである。
県民の誰がオスプレイの安全を理解し、認めたというのか。防衛相には説明する責任がある。
米軍と日本政府が事故を重く受け止めない姿勢こそが墜落事故の要因である。その姿勢が変わらぬ限り、沖縄の「負担軽減」は実現しない。
12月22日 沖縄タイムス
「重大事故」地元連絡は1日半後 嘉手納の米軍機破損「軽微」と一報
米軍嘉手納基地を離陸する19日に事故があったP8対潜哨戒機の同型機=21日午後3時4分
沖縄県米軍嘉手納基地所属で海軍のP8A対潜哨戒機が19日午前6時ごろ、胴体下部と前輪を破損する事故を同基地内で起こしていたことが21日、分かった。海軍は事故の規模を4段階で最も重大な「クラスA」に分類した。名護市安部の海岸に13日墜落した海兵隊のオスプレイが19日午後2時ごろに飛行再開する8時間前に、別の米軍機が重大な事故を起こしていた。
海軍安全センターの発表によると、同基地内でP8Aをけん引する際に棒が外れて、機体とけん引用装置が衝突し、機体の前輪と胴体が破損した。本紙は在沖海軍に事故の詳細を質問しているが、21日午後6時現在、回答はない。
沖縄防衛局によると、事故から1日半過ぎた20日午後5時ごろ、米軍から事故の一報があった。防衛局は同日午後6時すぎ、県と嘉手納町、北谷町、沖縄市に「軽微な事案」が発生し、調査中であることをメールで伝えた。事故発生を伝えるメディア報道を受けて、21日午後に「クラスA」の重大事故と修正した。
北谷町と嘉手納町、沖縄市でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」会長の野国昌春北谷町長は「オスプレイの墜落と胴体着陸と合わせ三つの重大事故が続いて起きていることは、米軍の態勢に問題があるのではないか」と述べ、年内にも米軍に再発防止を申し入れるとした。
嘉手納基地では21日正午ごろ、重大事故を起こしたP8Aの同型機6機が基地内に並び、午後には離着陸する様子が目撃された。
クラスAの事故は200万ドル(約2億3500万円)相当以上の被害や航空機の損壊、死者が出るなどした場合に適用される。
P8A対潜哨戒機とは
P3C哨戒機の後継機として、米国外では初めて、2013年12月から段階的に米軍嘉手納基地へ配備された。P8配備は、同年10月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表で、機種を交代させる方針が明記された。米大手航空機メーカーのボーイング社が開発を手掛けた。同社の旅客機ボーイング737の改造機で、愛称は「ポセイドン」。
12月23日の琉球新報紙面
12月23日の沖縄タイムス紙面
集会アピール
2016 1222 QAB News
12月22日夜、名護市で欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会
https://youtu.be/pxl9F4WFR-A
12月22日夜、名護市21世紀の森屋内運動場で「欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」が4,200名の県民が参加して開かれました。映像は集会のダイジェストです。翁長県知事の挨拶は完全収録してます。
12月22日の琉球新報号外
12月23日 琉球新報
社説:北部訓練場過半返還 「負担軽減」にならない 県民の力で圧政はね返そう
誰のための返還なのか。米軍と安倍政権が仕組んだ欺瞞(ぎまん)に満ちた茶番と断じるほかない。
米軍北部訓練場過半の返還を記念した式典で、菅義偉官房長官は「今回の返還は本土復帰後最大の返還であり、沖縄の米軍施設の約2割が返還され、沖縄の負担軽減に大きく寄与する」と強調した。
在沖米軍基地機能強化による沖縄の負担増を、返還面積の広さで覆い隠し「負担軽減」と偽装することは断じて認められない。
2016年12月22日を新たな「屈辱の日」に終わらせてはならない。真の負担軽減を勝ち取る「出発の日」として位置付けたい。
新基地建設論理と矛盾
菅氏は式典で、北部訓練場約4千ヘクタールの返還の起点を1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意とした。沖縄戦までさかのぼるべきだ。
県民は本土の捨て石にされた悲惨な沖縄戦に巻き込まれた揚げ句、土地を米軍に強制的に接収された。その事実を踏まえれば軽々に「負担軽減」とは言えないはずである。
菅氏は「20年もの歳月を経てようやく返還を実現することができた」と述べた。米軍が「使用不可能」とする土地が返されるまで多くの年月を要したことを、まず謝罪すべきではなかったか。
東村高江の集落を囲む六つのヘリパッド移設が北部訓練場過半返還の条件である。オスプレイは既に訓練を繰り返している。夜間も騒音が激化し、睡眠不足になった児童が学校を欠席する事態を招いたこともある。
高江の状況を見れば、ヘリパッド移設を条件にした今回の返還がまやかしの「負担軽減」であることは明らかだ。
政府は米軍普天間飛行場の危険除去のため、人口の少ない名護市辺野古移設を進めるとする。だが、北部訓練場ではそれと逆のことをやっている。山林にあるヘリパッドを集落近くに移すことは、辺野古新基地建設の論理と矛盾する。
菅氏は「ヘリパッド移設で、これからもご迷惑をお掛けする」とし、住民に負担を強いることを認めた。これが安倍政権の言う「負担軽減」である。
稲田朋美防衛相は式典で「オスプレイ事故を受け、集落上空を避けるなど、地元の生活環境への配慮が十分得られるように取り組む」と述べた。期待できない。
防衛省は米軍に、民間地域でのオスプレイの危険なつり下げ訓練の中止を要請した。だが、米軍は訓練を強行した。日本政府に米軍の危険な訓練を止める力はない。
知事欠席は当然だ
空席が目立った返還式典とは対照的に、政党や市民団体でつくる「オール沖縄会議」主催のオスプレイ撤去を求める抗議集会は熱気であふれた。
翁長雄志知事もうちなーぐちで決意を述べ、「皆で心を一つにして子や孫のため、どうしても負けてはならない。辺野古新基地ができなければ、オスプレイの配備も撤回できる。必ず造らせないように頑張ろう」と呼び掛けた。
基地の過重な負担への不安が高まる中、知事が県民に粘り強い運動を求めたことに、県民の多くが勇気付けられたはずだ。
菅氏は返還式典後、「基地の負担軽減を掲げる知事が出席できないのは極めて残念だ」と述べた。知事が式典を欠席した重みを受け止められないとあっては、沖縄基地負担軽減担当相の資格はない。
知事が欠席したのは当然だ。それに不快感を示すこと自体おかしい。オスプレイ墜落事故直後に返還式典を強行することで、県民を愚弄(ぐろう)したことに気付くべきだ。
沖縄が求めていることは子どもたちが健やかに育つ生活環境の保障である。今回の返還が安全な暮らしにつながることはない。抗議集会参加者だけではない。多くの県民がそのことを知っている。
沖縄の未来を切り開くのは県民である。県民の力で圧政をはね返すことを改めて誓いたい。
12月23日 沖縄タイムス
社説;オスプレイ抗議集会 配備撤回のうねり再び
オスプレイ墜落への怒りが会場内に渦巻いた。
名護市安部海岸での墜落事故を受け、「オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」が22日、名護市内で開かれた。辺野古新基地建設に反対する政党、経済界有志、市民らでつくる「オール沖縄会議」が主催し、約4200人(主催者発表)が集結した。
参加者に共通していたのは「墜落の不安が現実になった」との衝撃だ。そして墜落事故の原因が究明されていないにもかかわらず、事故からわずか6日後に飛行訓練を再開した米軍と、それを容認した日本政府への怒りだ。
翁長雄志知事は、日本側が主体的に原因究明に当たることができない日米地位協定を批判し、強行された飛行再開に「政府は沖縄県民を日本国民として見ていない」と強い憤りを示した。
この日、米軍北部訓練場の過半となる約4千ヘクタールが返還され、同じ名護市内で政府主催の返還式典が開かれた。ただ、日米両政府がどんなに基地負担軽減をアピールしようとも、それがまやかしだと県民は気付いている。返還と引き換えに、東村高江集落を取り囲むように6カ所のヘリパッド(着陸帯)が整備され、その運用が始まれば基地負担は、むしろ増すからだ。
オスプレイ配備撤回を求めるうねりが、再び高まろうとしている。抗議集会で登壇した大学生の玉城愛さんの「県民の生活が安全なものになるには、オスプレイの配備撤回と新基地建設断念が必要だ」との訴えが象徴している。
登壇者からは「にじららん(もう我慢できない)」「がってぃんならん(合点がいかない)」と、うちなーぐちによる発言が相次いだ。
翁長知事は「チムティーチナチ、クヮウマガヌタミニ、チャーシンマキテーナイビラン(心を一つに子や孫のためにどうしても負けてはいけない)」と呼び掛けた。稲嶺進名護市長も「オスプレイ、辺野古新基地、高江のヘリパッドも駄目なものは駄目だ」と、しまくとぅばで訴えた。
在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官の「感謝されるべきだ」との発言に代表される米軍の高圧的な態度や、日本政府の住民軽視の姿勢に対し、沖縄の怒りは頂点に達しようとしている。
オスプレイ配備撤回という政治的運動と併せ、沖縄の歴史体験に根差した県民の尊厳を守る闘いになりつつある。しまくとぅばでの表明はその表れだ。
新基地建設を巡る「辺野古違法確認訴訟」の上告審で、県の敗訴が確定した。国は翁長知事の取り消し処分の取り消しを待って、埋め立て工事を急ぐ意向だ。
県の動向に注目が集まる中、翁長知事は集会参加者を前に「今後も県が持つあらゆる手法で辺野古に新基地を造らせない公約実現に不退転の決意で取り組む」と表明した。政府主催の式典を欠席し、抗議集会に参加した翁長知事の発言に会場が沸いた。
大規模返還をアピールしたい政府が式典を強行し、沖縄との溝をさらに深めたことを政府は直視すべきだ。
12月22日、名護署前で山城さんらを激励、接見室から手を振る山城さん。
https://youtu.be/F-ItFwXwYF8
12月22日、名護署前で不当にも長期拘束されている山城さんらを激励する行動。途中接見室から手を振る山城さんの影が見え(残念ながら映像では鮮明に取れてません)ました。その場には山城さんのお連れ合いもおられました。その後接見を終えた照屋寛徳(弁護士)さんが報告。
12月23日の琉球新報紙面
12月22日雨の中、返還式典会場前で350人が抗議行動。
https://youtu.be/eBrFphJ5VGc
12月22日政府主催の北部訓練場返還式典に、強い雨の中会場前で高江のオスプレイパッド建設に反対する市民350人が抗議、「街宣右翼?」が大音声で妨害行為を繰り返す。
12月22日の琉球新報紙面
12月22日 琉球新報
社説:相次ぐ米軍機事故 安全意識の欠如明らか 全ての訓練を中止すべきだ
米軍や日本政府の言う「安全」は、やはり信用できぬ。
米空軍嘉手納基地で19日、P8哨戒機が事故を起こした。沖縄防衛局は「小さな破損」「軽微な事案」とするが、損害の程度の問題ではない。事故を起こしたこと自体、問題なのである。
13日には米海兵隊のオスプレイが名護市安部の浅瀬に墜落して大破した。別のオスプレイは米軍普天間飛行場に胴体着陸している。
県内で頻発する米軍機事故の背景に、米軍と日本政府の安全意識の欠如があることは明らかだ。相次ぐ事故に強く抗議し、全ての訓練中止を求める。
組織に構造的欠陥
米海軍によると、P8哨戒機は牽引(けんいん)装置が外れて胴体下部などが損傷した。日常的に実効ある整備点検や安全確認を実施しているのか疑わしい。
しかもオスプレイ墜落事故直後である。墜落事故を受けて、日本に駐留する全米軍は緊張感を持って安全な運用に取り組む責任がある。ニコルソン四軍調整官は在沖米軍にその徹底を指示したのだろうか。
牽引装置や整備に必要な機器に不具合がないかも含めて常に点検・確認する意識がなければ、万全な安全対策を取ったことにはならない。米軍の組織自体に構造的欠陥があると断じるしかない。安全対策を講じた上で、事故が起きたなら問題はさらに大きい。
沖縄防衛局が嘉手納町に事故を報告したのは20日である。遅過ぎる。基地内で起きた事故に県民は関係ないとし、連絡を急ぐ必要はないと考えるなら間違いだ。即座に県民に知らせるべきである。
防衛局が町に「牽引を伴う通常整備中、P8の前輪と胴体下部に小さな破損が生じた」「軽微な事案に対する調査が行われている」と報告したことも許し難い。損害は多額で最重大事故「クラスA」だが、大した事故ではないとの意識が見える。
相次ぐ事故に対する緊張感がないのではないか。防衛局が事故を矮小(わいしょう)化することでは米軍に緊張感を与えることはできない。その結果、事故も防げない。
整備体制に不備はなかったのかなどを米軍にただし、町に報告することは、防衛局の責務である。
四軍調整官はオスプレイ墜落事故に関連して「訓練にはリスクを伴い、危険も伴うことはある」とし、訓練中の事故発生を否定していない。今後も墜落を含む大事故は起きるということだ。
米軍と日本政府の言う「安全」は県民の安全を意味しないのである。訓練は県民を危険にさらす。訓練中止しか事故防止策はない。
政府の責任重大
安全に対する意識が低いのは米軍だけではない。日本政府も同様である。
菅義偉官房長官はオスプレイ墜落事故を受けて「米軍機の飛行に際しては安全面の確保が大前提だ」と述べた。これは何もオスプレイだけを指しての発言ではあるまい。
9月には米海兵隊のAV8ハリアー戦闘攻撃機が墜落し、今年だけでも県内では米軍機の墜落は2件も発生している。3カ月足らずで2件もの墜落事故が発生していることは「安全面の確保」ができた状況にはないということだ。日本政府は事故多発に重大な責任があることを自覚すべきだ。
オスプレイの飛行再開では、安倍政権は米軍の「安全宣言」をうのみにした。稲田朋美防衛相は「県民と国民が理解して安全だということがない限り、飛行することはやめてほしいと申し入れた」と翁長雄志知事に説明していたにもかかわらずである。
県民の誰がオスプレイの安全を理解し、認めたというのか。防衛相には説明する責任がある。
米軍と日本政府が事故を重く受け止めない姿勢こそが墜落事故の要因である。その姿勢が変わらぬ限り、沖縄の「負担軽減」は実現しない。
12月22日 沖縄タイムス
「重大事故」地元連絡は1日半後 嘉手納の米軍機破損「軽微」と一報
米軍嘉手納基地を離陸する19日に事故があったP8対潜哨戒機の同型機=21日午後3時4分
沖縄県米軍嘉手納基地所属で海軍のP8A対潜哨戒機が19日午前6時ごろ、胴体下部と前輪を破損する事故を同基地内で起こしていたことが21日、分かった。海軍は事故の規模を4段階で最も重大な「クラスA」に分類した。名護市安部の海岸に13日墜落した海兵隊のオスプレイが19日午後2時ごろに飛行再開する8時間前に、別の米軍機が重大な事故を起こしていた。
海軍安全センターの発表によると、同基地内でP8Aをけん引する際に棒が外れて、機体とけん引用装置が衝突し、機体の前輪と胴体が破損した。本紙は在沖海軍に事故の詳細を質問しているが、21日午後6時現在、回答はない。
沖縄防衛局によると、事故から1日半過ぎた20日午後5時ごろ、米軍から事故の一報があった。防衛局は同日午後6時すぎ、県と嘉手納町、北谷町、沖縄市に「軽微な事案」が発生し、調査中であることをメールで伝えた。事故発生を伝えるメディア報道を受けて、21日午後に「クラスA」の重大事故と修正した。
北谷町と嘉手納町、沖縄市でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」会長の野国昌春北谷町長は「オスプレイの墜落と胴体着陸と合わせ三つの重大事故が続いて起きていることは、米軍の態勢に問題があるのではないか」と述べ、年内にも米軍に再発防止を申し入れるとした。
嘉手納基地では21日正午ごろ、重大事故を起こしたP8Aの同型機6機が基地内に並び、午後には離着陸する様子が目撃された。
クラスAの事故は200万ドル(約2億3500万円)相当以上の被害や航空機の損壊、死者が出るなどした場合に適用される。
P8A対潜哨戒機とは
P3C哨戒機の後継機として、米国外では初めて、2013年12月から段階的に米軍嘉手納基地へ配備された。P8配備は、同年10月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表で、機種を交代させる方針が明記された。米大手航空機メーカーのボーイング社が開発を手掛けた。同社の旅客機ボーイング737の改造機で、愛称は「ポセイドン」。