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文科省から放射線教育の手引きが配布されたが、
「事故後の福島の実態にそぐわない」という意見があり
その為かそれを使用しての指導は進んでいないのが実態である。

福島市は、独自に手引きを作成して教員に配布している。
夏休みには、講習会も行われた。
今年度中に、2時間の指導も計画されている。

すでに、会津では研究公開授業も行われ、TVニュースでその模様も放映されていた。
しかし、その内容は「会津は汚染が少なかったからあの教材も使えるが他の地区ではね・・」
というものもあった。
その教材は、民家や原発などの模型の建物を使用し「原発出事故があった。放射性物質が飛び散った」
というもので、模型の家などに小麦粉だろうか白い粉をふりかけていた。
昨年、放射性物質が室内に入るのを恐れて、暑い中窓を締め切って授業をしていた福島市の子どもが見たら
かなりショッキングで、あの時のことを思い出すだろうし、自分の住んでいる所にあのようにまき散らされたのだと、視覚的に感じることになるだろう。

「放射線教育のねらい」とは何なのだろうか。
○ 放射線は身近にあるもので、医療にも有効活用されているものである。その量によっては健康に害をもたらすので、気をつけて恐れすぎずにつきあっていきましょう、というものだろうか。

 様々な疑問がわいてくる。
● 放射線は身近にあるものであり、医療で有効利用されている などは指導しやすい内容であるが、量が 多いと、どんな健康被害がでるのかについてはどの程度説明するのだろうか。
● 東京電力福島第一原子力発電所の事故による福島県内の放射線の影響や、福島に住むことによる内部・ 外部被曝について、どの程度どの様に子どもに教えたら考えさせたらよいのだろうか。
● 非常事態で年間20㍉に引き上げられている福島の基準で物事を教えると、どんな生活をしてもよいこ とになるが、放射線をむやみに浴びすぎないという二つの相反する内容を、どう教えたらいいのだろうか。
● 『他の都道府県の子どもよりも、初期被曝をし毎日平常より高い外部被曝も受けている福島県の子ど  も』ということを考えると、この先長い人生であるから、追加被曝をなるだけ避けて暮らすことを指導す べきではないのだろうか。
● 食品からの内部被曝については、野生の物は避ける、自家栽培のものは測定して食べるということは教 えられる。が、基準値以下の市場に出回っている食品なら大丈夫と言い切ってもいいのだろうか。
● 福島の子どもはこれから先も、追加被曝を出来るだけ避ける事が必要という考えなら、できるだけ汚染 の少ない食品を選んで食べていくスキルを身に着けなくてもよいのだろうか。
 (基準値以下といっても、基準以上だから食べるの禁止という訳でもない。食べなければならない訳でも  ない。自分で、基準をどう捉えて判断するか、その知識を身に着けさせなければいけないのだろうな   ・・・。)
● かりに、汚染の少ない食品を選んで食べる方法を教えるとすると、福島県産農産物を否定することに  なり、風評被害を招くのではないかという批判にさらされるのではないか。
● 外部被曝については、20㍉/年であれば、どんな生活をしてもいいことになってしまう訳だが、実際 に放射性物質のたまりやすい所があり、家庭内もその周辺も線量の高めな家庭あり土壌汚染も深刻なのに 『生活に制限をつけるとストレスになる。なんでもやらせたほうがいい』のか、『なるだけ、無用な外部 被曝も避けて生活するように』と指導するのか。
● 保護者の考えにより外活動をしていない子どももおり、現在も外での体育の授業等に参加していない児 童もいる実態があり「放射能がなくなるまで外で遊びたくない、外で体育をしたくない」という状況で、
 その子どもの意志を尊重するのか、この程度なら外にでたほうがいいと指導するのかも、はっきりしてい ない現状である。どのように指導していくべきなのだろうか。
● 放射線教育・指導が「原発事故後の辛い状況を思い出させる。不安を煽るな」という意見にはどう対処 すればいいのか。
● 今後、もし仮に放射性物質が放出されるような事故が起こった時の対応などに関して、どの程度指導す べきなのか。

◇ 幼小中高校の連接を図り、福島県内の教育委員会・管理職・教員・医師・保護者なども交えて、専門家 と意見を交換しあい、方向を見つけていくべきだと感じる。

2012.11.7
 
2012.11.07 / Top↑
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