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自主避難区域で、放射線被曝防護しながら、気にしながら過ごす人は
「放射線被曝に対して、潔癖度が高く、許容度が低い人」なのだろうか。

原発事故後の放射線に関する基準値は、
本当に本当に人々の今や将来の健康影響を考えて決められた数値なのだろうか。
そんな不信感があるから受け入れられないという理由もある。
潔癖度、許容度の他に様々な感情がある。

原発事故の為に、緊急被曝状況、現存被曝状況に暮らしている私達。
事故直後からさしたる防護も呼びかけられず、
むしろ「普通ににこにこ笑って過ごせばよい」とまで言われて、
避難区域から避難して来た方方を受け入れ、支援してきた避難区域外の人々。

この程度の被曝は全然問題ない、風評被害だと思っている人々。
事故前と明らかに違う状況なのに、少量だから大丈夫だと。

しかし被曝の影響を見るために
「県民健康管理」はしましょうという状況に、違和感を持ち続ける人々。

初期被曝や現存被曝を気にする人々。
子どもの将来を考える人々。

復興の為に、県民自ら食べて応援する人々。

放射性物質汚染に伴う、いろいろな哀しい出来事に胸を痛める人々。

いつまでも同じ状況にいることをやめて、前へ進むうとする人々。

本当にさまざまな人がいて、いろんな価値観があって、いろんな選択があって、
認め合ったり、非難しあったり、陰でこっそりささやきあったり。
そんな中にいて まとまらない自分の思い。

2015.01.22 / Top↑
「差別」については、やはり福島に住んでいれば気になるところではある。

差別はどんな理由があれ、いじめと同じで「する方が悪い」と思っている。
原因がなにかあるにせよ、差別をする者の方に問題があると思う。

それこそ選民意識や排他的な考え、
被曝でいうのなら「自分の子孫に悪い影響を残したくない」という
利己的な感情から生まれてくるものにしか過ぎないと思う。

過去の被曝については、遺伝子に影響がでるのでは無いかという不安や、被曝した人への偏見から、
また何と無く気持ちが悪いという事などから受け入れたくないということで、
結婚や就職や住む所も不自由だったと聞く。
原爆の影響も2世3世に大きく出ている訳では無いし、
今生きている者が、将来に生きる者の、
それも予想でしかない考えに差別されて、幸せに生きられないなんて、おかしな話だ。


「この原発事故では、日本全体が多かれ少なかれ被曝しているのだから、みな同じ、差別される筋合いはない」
くらいに思って堂々と胸をはって生きていけばよいと思う。
そして、被ばく防護は、それを跳ね除ける自信にとなるであろう。

しかしそう思わせる原因を取り除くことも大切なのだろうとも思う。
「健康影響被害があると思うので差別をする」ということならば、
被曝による偏見を無くすために(事実はどうなるのか誰にも分からず予測でしかありませんが)
「被曝による健康影響や遺伝子への影響は、今回の事故程度なら現れない」という事を
広く啓発するのも方法だと思う。(盛んに行われているのだろうが…)
その上で、「被曝は合理的に達成可能な限り減らしていく」という方策が理想だと思っている。

誰もが安心安全と思えるなら、被曝に対する差別は起こらないのではないかと思う。
早く安心して暮らしたい。

現実には
「20mSv未満やその程度なら
健康影響は小さ過ぎて見えない、遺伝的影響も見えない、だから帰還してもよい(したいのなら可能)
被曝防護はいらない」
という事になってしまっている様に感じる。

それが感情的な問題ではなく、「具体的な差別政策を受けている」という考えもある。
それなら20mSvで帰還の方々だけでなく避難区域外の福島市に住む私たちも同じだ。
事故前は1mSvだった訳ですから。
まず基準値に皆が納得していないから、
いくら安心安全で帰還してもよい住んでも良いと言っても受け入れられないし、
そういった基準値が人々の中でも引き上げられていないから、浸透していないから、
安心安全ではない所に住んでいる人や物を(初期被曝のことだけではなく)
現在も被曝している人々だと差別されるとようなことにもなりかねないという懸念がある。

基準値がもっと低ければ、避難区域ではない低線量の地区も避難区域となり、そうであれば「現在被曝している人」ということにならないので、その件においては差別されないという事になるだろう。

今となってはそれは難しいので除染でしのいでいる状況だが、除染も思うように進まず、不安は消えない。


ここに住む誰もが安心安全と思えるなら、被曝に対する差別は起こらないのでは無いかと思う。


避難区域が解除になって帰還できるようになっても、収束がいつになるか分からない原発が近くにある所で、被曝を気にしながら、差別されながら暮らしていくなんて自分には耐えられないだろう。

しかし、そこに好きで住んでいて、あまり気にもしないという方もいらっしゃるし、
「法の下の平等に照らして、具体的な差別をされている」という考えもある中
騒がないで欲しいという声があるのもまた事実なのでしょうから(直接聞いたことはありませんが)
難しい問題だと思います。


被曝しているから差別するということはしてはいけないことだと思うが、
差別と放射線防護をごちゃまぜに混同させて有耶無耶にすることも、大変おかしなことだと思う。

差別を恐れる心理を逆手にとり、実害であることを、風評被害である復興の妨げであるという風に
すり替えられてしまうことも、大変おかしな事だと思う。

それは今現在や今後の課題のひとつなのだろうと思う。
2015.01.15 / Top↑