2016年のカーオーディオ界、最大の注目作の1つ、Clarion『Full Digital Sound』が、ますます絶好調だ。これを使うユーザーは増え続け、薦めるプロの声も多く聞かれる。それら生の声にじっくりと耳を傾けるべく、今月は大阪に飛んだ。
向かった先は、大阪府・高石市の“EAST”と、堺市の“AV Kansai 堺店”。“EAST”ではユーザーの声を、“AV Kansai 堺店”ではプロの声をそれぞれ聞いてきた。『Full Digital Sound』に興味を持ちつつ、まだこれを導入していないという方には特に、当記事をお読みいただきたい。参考になる話が出てくるはずだ。
■カーオーディオ経験豊富なユーザーが、これを選んだ理由とは…。
まずは“EAST”に伺ってお聞きした話からお伝えしていく。
取材にご協力いただいたのは、原田宗司さんだ。『Full Digital Sound』を搭載している車両は、「スズキ・イグニス HYBRID MZ」。
ちなみに、原田さんのカーオーディオ歴は約8年。現在は3台のクルマを所有している。1台がメインのクルマ、もう1台は奥さまが乗るクルマ、そして仕事車である「イグニス」という内訳だ。すべてに何らかのカーオーディオシステムが搭載されている。
もっとも本格的なシステムを搭載しているのは、メインの乗用車である。そのクルマのシステムはアナログシステム。アンプ内蔵のDSPを核とする、合理的な本格システムである。スピーカーレイアウトはフロント3ウェイ+サブウーファー。そしてサブウーファーを鳴らすパワーアンプにはウルトラスモールタイプをチョイスしている。
このシステムからもわかるように、原田さんはカーオーディオを楽しむ際に、“合理性”を重んじている。かつては外部パワーアンプを搭載したこともあったとのことだが、システムが重くなることや、必要なケーブルの本数が増えることが少々心に引っかかった…。そして結局は、外部パワーアンプを用いないスタイル(サブウーファー用には軽いものを使う)に行き着いた、ということだ。
さて、今回『Full Digital Sound』を選んだ理由は何だったのだろうか。単刀直入に聞いてみた。
「一番の理由は、“革新的な製品であること”です。いまだに、技術的な詳しいところは理解できていないのですが(笑)、とにかく画期的なものであることは確か。そして、合理性が極まっているところにも惹かれました。サブウーファーを鳴らすのにもパワーアンプがいらないというのもすごい。
音は…。実を言うと、搭載を決めた段階ではまだ聴いていませんでした。聴いたのはその後です。たまたま試聴会イベントに寄る機会があって。
驚きましたね。期待以上の音がしたんです。コストパフォーマンスは相当に高いと感じました。
実は、カーオーディオ以外では、楽器を演奏するのが趣味なんですよ。音楽は大好きです、演奏するのも聴くのも。そしてもちろん、聴くときには良い音で楽しみたい。実際のサウンドを聴いて、付けるのがさらに楽しみになりましたね」
原田さんのお話は、いちいち腑に落ちた。システムの合理性を望む人には、そしてその中でできる限りの高音質を楽しみたいと考える人には、今、これ以上のものはないだろう。
「営業で回るのにこのクルマに乗っているんですね。遠くまで行かなくてはならない日は、うれしくなります。クルマの中にいる時間が増えることが、仕事に対するご褒美だと思っていて(笑)」
革新性に惹かれて『Full Digital Sound』に興味を持ち、そしてそれを手にして大きな満足感を得ている原田さんの楽しそうな表情を見て、話を聞きながらうれしくなった。
原田さんを楽しませているその音を、実際に聴かせていただくと…。
最初に感じたのは、“アナログっぽさ”だった。音の輪郭のシャープさや、クリアさ、反応の速さ等々、『Full Digital Sound』ならではの良さは十分に出ている上で、そこに暖かみもしっかりと宿っている。
後から、“EAST”のカーオーディオ担当・藤原さんにお話を聞いてわかったことだが、そのあたりはまさに狙ったところ、とのことだ。『Full Digital Sound』の性能を引き出しながら、上質なアナログシステムを聴いているかのような気分に浸れる…。そんなサウンドを目指してチューニングにあたったという。
『Full Digital Sound』の存在意義と、懐の深さを再認識できた。『Full Digital Sound』には“買う理由”がしっかりある。大ヒットしているのも頷ける。
■“良さ”を引き出し、“らしさ”を体感できるデモカーを製作。
次には、“AV Kansai 堺店”で得られた情報をお伝えしたい。岩田店長にお話を聞き、デモカーの音を取材してきた。
『Full Digital Sound』が搭載されていたのは、「アルファロメオ・GTクーペ」だ。『Full Digital Sound』によるフロント2ウェイ+サブウーファー(1発)という基本レイアウトが敷かれている。
ソースユニットは3タイプを使用していた。『Full Digital Sound』のデジタル入力の2系統に、ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤーと、HDDを接続可能なデジタルメディアプレーヤーをそれぞれ繋ぎ、アナログ入力にはナビの音声を入力。ハイレゾ音源を聴きたいときにはハイレゾプレーヤーを、大量の音楽データを持ち込みたいときには、デジタルメディアプレーヤーを、という使い分けができる。
なお、デジタルメディアプレーヤーは、映像出力をナビのHDMI端子に入力することでビジュアルソースユニットとしても活用できる。
続いて、このクルマのオーディオ・コンセプトを、岩田店長にお聞きした。
「『Full Digital Sound』であれば多彩なソースユニットを楽しめることを、提案したいと思っています。デジタルトランスポーターを用いなくても、ダイレクト接続可能な機器が多いので、この利点が活きてくるんですよね。
そして、『Full Digital Sound』に興味を持つであろう人にとっての、現実的な取り付け方をしたいと考えました。『Full Digital Sound』に関心を持たれる方は、システムは軽いほうが良いと思っているでしょうし、見た目的にもできるだけさらっと付けたいと思っているのではないでしょうか。
システムを発展させる楽しみも味わいたいと思われる方はアナログシステムを選ぶでしょうし、そのような方ならばアウターバッフルにも興味があるとは思うのですが、『Full Digital Sound』を選ばれる方は、後付け感が出ない方向性を望まれるケースが多くなるだろうと考えたんです。ドア内部のデッドニングはスタンダードメニューを施してあります。見えないところには手をかけてありますが、表面はできるだけ純正のままで」
なるほど、つまりは、『Full Digital Sound』の良さを伸ばすことが考えられていて、音質性能の部分も含めて、“らしさ”を最優先している、というわけなのだ。
そして岩田店長は、さらにこんなことも教えてくれた。
「サブウーファーを入れずに、フロント2ウェイで完結させても面白いと思っています。そうすることで、軽さや後付け感が少ないといった『Full Digital Sound』ならではの良さが、さらに伸びますから。やり方次第では、サブウーファーなしでも、良い線のサウンドは作れると思います。
逆に、アナログ出力を使って、アナログパワーアンプ+アナログサブウーファーを入れてみるのも良いですね。そのほうが、重心の低いサウンドは作りやすい。ただ、この方法を取ると話が変わってしまうのですが(笑)。でも、こうでなくてはいけない、というものではないんですよ。『Full Digital Sound』にはさまざまな可能性がある、とも思っています」
さて、音はどのような仕上げ方になっているのだろうか。興味津々で試聴をさせていただいた。
さすがは実力店だ。レベルの高いサウンドが耳に飛び込んできた。クリアで、そして1音1音が実に生々しい。ボーカルからはシンガーの体温も伝わってくるかのようなイメージだ。高解像度、高S/N、そしてレスポンスがハイスピード。それぞれが高いレベルで実現されている。さらには、音楽性が豊かだ。聴き手を引き込む力がある。
ハイレゾ音源も聴かせていただいたが、こちらでは輪をかけて音楽の説得力が上がっていた。それをしっかりと表現する『Full Digital Sound』も見事であるし、それを引き出すショップのワザもあっぱれだ。
ここでもまた、『Full Digital Sound』の良さを再確認できた。それでいて、楽しみ方の幅が広いことも、改めて実感できた。これを用いるならば、ソースユニットは多彩に楽しみたいし、アナログ機器との融合もなしではない。楽しみ方は自由だ。
『Full Digital Sound』の快進撃は、まだまだ続きそうである。
これに興味を持ちながら、いまだこの音を未体験だという方がいたら、今からでも遅くない。まずはお近くのプロショップで、またはクラリオンホームページに掲載されるイベント情報をチェックして、ぜひぜひこの音色を、良さを、じっくりと感じ取っていただきたい。
デモカー試聴可能店や取り扱い販売店、イベント情報についてはClarion Full Digital Sound Special Contentsをご覧下さい!