一部ディーゼル車に、排ガス試験を不正に逃れる違法なソフトウェアを搭載していたフォルクスワーゲングループ。同社の技術者が米当局に対して初めて、不正への関与を認めたことが分かった。
これは9月9日、米国司法省が明らかにしたもの。「フォルクスワーゲンの技術者が、米国の排ガス試験を巡る不正における自らが果たした役割について、起訴内容を認めた」と公表している。
フォルクスワーゲンが一部ディーゼル車に搭載していたソフトウェアは、アクセルの動きやスロットル開度などの情報から、排出ガステストを受けていることを察知。試験の時だけ、排出ガス浄化機能をフル稼働できる巧妙な仕掛けが施されたものだった。
その半面、通常の走行時の排出ガス浄化機能は、大幅に低下。米国EPA(環境保護局)によると、排出ガス中の有害物質のひとつ、NOx(窒素酸化物)は、最大で米国の排出ガス基準の40倍にも達するという。
米司法省によると、フォルクスワーゲンの技術者は2006年ごろ、「EA189型」ディーゼルエンジン搭載車を米国市場に導入するにあたり、厳しい排ガス規制をクリアするために、別の技術者とともに違法ソフトの開発に携わった、と認めているという。