異常気象・災害・病気・戦争その他原因不明の現象により、集団・地域または国家・世界といった単位で人々がパニックに襲われ、どう対処するかを描いた内容を対象とします。
ジャンル的にはSF・ホラーによく見られますが、ゾンビや宇宙人襲来による内容でも可です。
回答する際は、どのへんがオススメか理由を書いてください。
回答内容によって、ポイントを配分します。
「こういう内容の本もアリ?」といった疑問はコメント欄でお願いします。
なお、新刊で購入できる方が望ましいですが、品切れ状態でも廉価中古本で入手できるならOKです。
【参考】
第1回の質問
http://q.hatena.ne.jp/1179549041
第1回質問分も含めた既読本はコメント欄参照(回答前に確認してください)。
海底のメタンハイドレートの層を掘り進むゴカイの群れにより大陸斜面が崩壊して北ヨーロッパに大津波が! さらにカナダではクジラやシャチが船を襲い、フランスでは猛毒を持ったロブスターが! というたいへん大盤振る舞いなパニックが人類を襲う海洋SF小説です。ドイツの作品。長いんですが、たいへんおもしろいので一気に読めます。
こちらは国産海洋パニック。『日本沈没』の向こうを張って、今度は琉球列島が沈没の危機にさらされます。スケール小さい? いやいや。科学考証の密度はこちらの方が上。ちょっと神秘主義的な部分があるのが好みが分かれるところかも。
貴志祐介「新世界より」
貴志祐介さんの『天使の囀り』を挙げられておりますが、貴志さんであればこちらの方が条件には該当するかなと思います。
>1000年後の日本。「呪力(じゅりょく)」こと、念動力を手に入れた人類は、「悪鬼(あっき)」と「業魔(ごうま)」という忌まわしい伝説に怯えつつも、平和な社会を築いていた。
という社会で主人公達は生活していますが、とある出来事をきっかけに問題が起き、それへの対処、またなぜこんな世界ができあがったかが描かれています。
最近、ノベルス版が出ました。ただ953ページあるので、とても分厚いです。厚さだけ見ると京極夏彦作品のような印象を受けます(笑)。
同じく貴志祐介さんですが、「クリムゾンの迷宮」
とある環境に突然放り込まれ、その中でいかにして生き残っていくかというサバイバル作品です。ただ、これは国家レベルと言うよりは2人×4グループが放り込まれるだけなので、スケールとしては小さいかもしれません。
貴志さん作品ばかりになってしまってすみません。天使の囀りとはどちらも毛色は違うかなと思います。
貴志祐介は『黒い家』の頃から読んでいた作家でして、『クリムゾンの迷宮』は特に好きな作品です。そういえば前もこれお薦めしてもらって既読だと返答した気がしたなぁと思ったらちょうど一年前でした。
http://q.hatena.ne.jp/1218373168#a848924
世界設定にしてもストーリー(特にラスト!)にしても非常に惹かれるものがあるのですが、これをパニック小説と呼ぶのはちょっと無理がある気がしますね。
実は『天使の囀り』も微妙なんですが、未知の寄生虫(だったはず確か)によって不特定多数の人が犠牲になるバイオホラーとして近いと思って挙げました。
で、最近は新作をチェックしてなかったのですが『新世界より』。いいですねぇ。
こういうダークファンタジーっぽいストーリーも好きです。まったく異なる世界観を構築された長編は作者の力量によってすんなり入り込めるかどうかが分かれると思いますが、この作家ならば期待はずれは無いと思います。
「Q&A」
恩田 陸著
出版 : 幻冬舎
http://www.gentosha.co.jp/search/book.php?ID=100675
02年2月11日14時過ぎ、都内郊外の大型商業施設で重大死傷事故発生。死者69名、負傷者116名。未だ事故原因は不特定――。質問と答えだけで進行するリアルかつシリアスな、これぞ小説!
かなりハラハラしながら読みました。
文庫版も出ています。
いかがでしょう。
恩田 陸という作家はまったく未読なんですが、こちらはあらすじ読んだだけでも不気味で怖くてエグくてかなり期待できそう。
ただ、レビューを見ると、答えをはっきり求めてはいけないみたいですね。
この人も未読でした。
パニックの渦中にある普通の人々を取り上げて個別のストーリーを書いてみたって感じですね。
パニックに陥った世界をマクロ視点で描くのも面白いけど、こういう身近なところから描きだした作品も、感情移入できそうでいいですね。
まず、最近読んだレッド・デス、上下巻。アマゾン一円本です。
世紀の大発見だった。南極の氷中から発掘された十万年前のオオナマケモノ。だが、その内臓に今なお猛毒のウイルスが生きていようとは。伝染病はたちまち南米に猛威をふるい、さらにはオーストラリア、インドが餌食となる。この病にくらべればエイズといえども物の数ではない。治療法を求めて、細菌学者たちの時間との闘いが始まった。人類のかつて知らなかった疫病。その総毛立つような恐怖を巨細に描くパニック・ノヴェル巨編。
映像化すればおもしろいだろうなあと(グロいですが)。ただ、中途半端に恋愛が絡んでくるのが、好みが分かれるというか、海外小説っぽいというか。英国が話の中心です。
パニック違いで、ちょっと古いので入手が難しいかも、アーサー・ヘイリーの大空港、上下巻。
ローマ行きのトランスグローバル航空(架空)旅客機内に、爆弾が持ち込まれているという通報が入りました。機長と主任スチュワーデスは、爆弾の入ったアタッシュ・ケースを確保しようとしますが、犯人は爆弾もろとも自殺してしまいます。その衝撃で、旅客機の胴体に亀裂が入り、空中分解の危機が訪れます。急遽、リンカーン空港(架空)に向かいますが、空港は猛吹雪のため一切の機能を停止していました。
http://community.edita.jp/c_topic_show/c-47baeb68be5d3/t-4a7fed7...
実は下巻しか読んでないんだけど(上巻は売ってなかった)パニック映画のエアポートシリーズの第一作で、わりと自然な紙一重の連続で、おもしろかったです。(´ー`)y-~~。
おお、未知の猛毒病原菌モノですか。パニックの王道ですなぁ。
宇宙からの隕石に謎のウイルスが紛れ込んでいるとかそんな説があるくらいだから、十万年前を経ても生きているってのもあるんだろうなぁ。
>中途半端に恋愛が絡んでくるのが、好みが分かれるというか、
お話を盛り上げるためのエッセンスでもあるのかもしれないですね。
まぁ途中でそっちが主題にならなければいいとは思いますけど。
レビュー見るかぎりは前半はわりとダラダラしていて、後半にはいるとテンポがよくなるみたいですね。できれば最初から読みたいもの。
既読本では『超音速漂流』みたいなエア・パニックか。
>わりと自然な紙一重の連続で、おもしろかったです。
長編で読ませるにはそういうところは大切ですよね。
横須賀に巨大(全長3mとか)なエビの大軍が出現して人間をバリバリ食べてしまう、という災害下でのお話。
エビに取り囲まれた潜水艦に籠城する自衛官と子供たちの状況と、少ない装備で巨大エビと闘うことを余儀なくされた警察の奮闘が書かれています。荒唐無稽な設定ですが、それに対峙する人間側の動きはかなりリアルで話に引き込まれます。
もし、これがお気に召したら同じ作者の「空の中」もおすすめです。
小川一水の「復活の地」もおすすめしようかと思ったら、既読でしたね。
有川 浩と言えば『図書館戦争』以来です。
一見荒唐無稽に思える設定でも緊迫感もって読ませてしまうのはいいですね。
理不尽な状況でも市民を守ろうとする警察官や自衛官の活躍が見ものになりそう。これも読んでみたいですね。
考えれば考えるほどパニック小説の要件を満たしていないような気がしますが、せっかくのお誘いですので。
小説全体が「科学的な危機を正確かつ客観的に記録した報告書」という体裁で成り立っており...
という所で読者を選びますが、パズラーなミステリーがお好きならお勧めです。
逆に言うと、人間群像とか心理の綾とか恋愛模様の彩りとかは、期待しないで下さい。
そんなものがなくても、論理だけで充分楽しめる作品だと思います。
>考えれば考えるほどパニック小説の要件を満たしていないような気がしますが
いえいえ、コメントで教えていただいた時にamazonのページをちょっと見ましたが、興味そそられるSFミステリでしたので。
>そんなものがなくても、論理だけで充分楽しめる作品だと思います。
これは楽しみ。そういう謎ときの面白さでぐいぐい引っ張っていってくれる作品も好きです。
海底のメタンハイドレートの層を掘り進むゴカイの群れにより大陸斜面が崩壊して北ヨーロッパに大津波が! さらにカナダではクジラやシャチが船を襲い、フランスでは猛毒を持ったロブスターが! というたいへん大盤振る舞いなパニックが人類を襲う海洋SF小説です。ドイツの作品。長いんですが、たいへんおもしろいので一気に読めます。
こちらは国産海洋パニック。『日本沈没』の向こうを張って、今度は琉球列島が沈没の危機にさらされます。スケール小さい? いやいや。科学考証の密度はこちらの方が上。ちょっと神秘主義的な部分があるのが好みが分かれるところかも。
『深海のYrr』
北欧を舞台にしたSF小説はたぶん初めて、そしてドイツ人作家も初めてです。
長編ですが、紹介文の通りにかなり賑やかそうな海洋パニック小説ですね!猛毒を持つロブスターなんて・・・。
『ハイドゥナン』
ふむ、同じ海洋小説でもスケールよりも密度の濃い作品のようですね。それだけにハマる可能性が高そう。神秘性と科学考証の高さがどうマッチさせるのか見ものです。
どちらもレビュー読んでみても評価高いし、楽しみですね。
期待できそうな作品をふたつも紹介していただき感謝です!
そういえば、読書関係の質問ではkanan5100さんに何度もお世話になっていますね。
いつになるかわかりませんが、またこういう質問の時にはよろしくお願いします。
『深海のYrr』
北欧を舞台にしたSF小説はたぶん初めて、そしてドイツ人作家も初めてです。
長編ですが、紹介文の通りにかなり賑やかそうな海洋パニック小説ですね!猛毒を持つロブスターなんて・・・。
『ハイドゥナン』
ふむ、同じ海洋小説でもスケールよりも密度の濃い作品のようですね。それだけにハマる可能性が高そう。神秘性と科学考証の高さがどうマッチさせるのか見ものです。
どちらもレビュー読んでみても評価高いし、楽しみですね。
期待できそうな作品をふたつも紹介していただき感謝です!
そういえば、読書関係の質問ではkanan5100さんに何度もお世話になっていますね。
いつになるかわかりませんが、またこういう質問の時にはよろしくお願いします。