※参考
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20070518#1179495636
※条件
・新刊で入手可能なもの。
・今回は都市から国家・全世界といった集団的な範囲でパニックとなるような内容を対象とします。「こういう内容の本もアリ?」という疑問はコメント欄でお願いします。
回答する際は、どうしてその本がオススメか理由を書いてくださいね。
回答内容によって、ポイントを配分します。
この質問を見てから、パニック小説というくくりを意識して読んでなかったなぁと実感しました。
また存外に定義もはっきりしたものを見つけられず。
なので、goldwellさんが質問文で定義されている事柄に自分なりに定義を追加してみて、
といった感じのお話をあげてみます。
とりあえず海外古典を押さえていく感じで。
パニック小説といってしまうのはちょっと厳しいですが、パニック小説の下地といった方が良いのかも。
幼年期の次にこれを読むと更に味が出てきます。
ただしこの作品はかなり難度が高いかも。
地球規模の災厄。オーウェルの1984が出ていたので、対照的なブラックユーモア作品を一つ。
視認できない声だけの火星人が地球に襲来。
けれども征服云々の前にとにかくウザイ。地球人はパニックに…。
ただ、人のふり見て我がふりなおせ的な観点で言うと、阿部公房の「人間そっくり」はこの作品をもっと静かで不気味にした感じかも。
意外に穴なのではと思う赤川氏。かなり古い作品なので既読の可能性もありますが、
パニック小説と言われて最初に思い出したのはこの作品だったり。
(中学生くらいの時に読んだような)
一気に読んで「はぁ~」とため息をつく感じ。
番外的に。
黄泉がえり (新潮文庫)は映画作品は恋愛色やファンタジー色が前面に出ていましたが、
原作は梶原さんらしいSF作品です。
「パニック」状態にはならないので番外としましたが、日常に起こった非日常を受け入れていく市井の人々の描写が「日本沈没」などに描かれる、逆境と闘う市井の人々に重なります。
ちなみに私はまだ読んでいませんが、谷さんと共同執筆された日本沈没 第二部というのもありますね。
レビューが今ひとつで怖くてちょっと手が出ていませんが。(旦那も渋るんですよ。う~ん)
映画は今回募集されていませんが、「交渉人真下正義」はおもしろかったです。
シナリオブックが出ていますが、ノベライズがないのでこれも番外。
以上ご参考まで。
http://www.amazon.co.jp/%E8%B6%85%E9%9F%B3%E9%80%9F%E6%BC%82%E6%...
天変地異なぞに比べればちと規模は小さくなりますけれど、ネルソン・デミル『超音速漂流』などはいかが。高々度19000m、もう空ではなく「亜宇宙」と形容されるような高ーい所を、時速2000kmでずばーっと突っ切っていく乗客満載の大型旅客機があって。その横っ腹に突然ミサイルが穴を開けちゃう。ぽっかりと。
そこで生まれる阿鼻叫喚の巷を、歯切れの鋭い平易・簡勁な筆致でざくざくと書き殴っていくのです。大変面白う御座いました。
http://www.amazon.co.jp/1984%E5%B9%B4-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B...
それから、ダイアリの方を覗いてみましたら「非日常へ叩き出された人類~」という辺りへの言及がありますので、格別血飛沫や断末魔をご所望な訳でもないのでしょうか。とすると所謂ディストピア小説も射程内に入りそうですので…その方面では押しも押されぬ巨塔としてジョージ・オーウェル『1984年』を併せてお薦めしておきましょ。
ナントカ学の教材にもしばしば持ち出されるくらいの古典名作で、ちょっと見すると全体主義・管理社会・言論統制と何やらややこしげな言葉ばかりが並んでますが、主役はあくまでそうした暗い世界に生きざるを得ない人間一人。私はこの小説、何より「物語として秀抜」「胸に迫る悲しさ、おぞましさがある」からこそ真率な訴求力を持つ、本当に怖い話に仕上がったと思ってます。まずは小理屈抜きで気軽にどうぞ。
ちなみに1900年代の前半分を生きたオーウェルさんの霊感は、当時実際に君臨していたスターリン社会政体治下のソ印連邦からやってきたそうですけれど。思考実験が身上のSFにはそうした現実を敷衍し、架空の世界に翻案して非日常に遊ばせてくれる小説がちょいちょいあります。私が実検した限りでも味の良いのが…レイ・ブラッドベリ『華氏451度』、フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 、アーシュラ・K・ル=グウィン『所有せざる人々』、マイク・レズニック『キリンヤガ』等々。上記二作がお気に召しましたら、その辺りにも目を通してご覧なさると上々吉。
『超音速漂流』
おぉー、これは面白そうですね。
ただでさえ機長が死亡し、破損した旅客機をどうするかだけでも難しいのに、
・酸欠により凶暴化した乗客
・事故の陰蔽のために生存者もろとも機を墜とそうとする計画
このあたりがドキドキさせます。
>格別血飛沫や断末魔をご所望な訳でもないのでしょうか
そうですね。そちらが読みたければホラー・ジャンルなり、猟奇事件を扱った作品を求めますので。
パニックに陥った人々が、いかにして克服していくかという面もパニック小説の面白さの一つだと思います。
>ディストピア小説
今回のお題としては難しいところですねー。
何らかのきっかけで、別世界(パラレルワールド)にほうりこまれて戸惑う人々、という内容などは近い気がしますが。
それはそれとして、海外作品はあまり読んでいない方ですので、参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%96%E3%...
アウトブレイク (文庫)
都市から国家・全世界というとウィルスものになってしまう・・・・・・絵空事じゃないから怖いね~。
ダイアリーの方でBeiriiさんご推薦の『ザ・スタンド』もそうでしたが、ウイルス感染ものというのもパニック小説の王道でしょうか。
ウイルスというのは、目に見えないうちに知らず知らずに広まっていく怖さがありますね。
残念ながら絶版のようですね・・・。
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B2%88%E6%B2%A1-%E4...
日本沈没 上 下
あまりにも有名ですが映画がまだならオススメします。
ぐはっ・・・
先週光文社版を再読したばかり。
質問文のリンク先は読んでもらえなかったですか。
既に回答にも出ていますが、ウイルスものは「目に見えないものが対象」であり、「身近に起こりそうな怖さ」と言う点でやはりパニック小説の王道ではないかと思います。
個人的にも人畜共通感染症やバイオハザードには興味がありますので昨年ドラマ化もされました、こちらを一押し。
以下に示したドラマのページはかなりのところまであらすじが明かされていますので、原作のほうを読むまえに見てしまうのはオススメできないかもしれません。
ドラマのほうのストーリーは「噂に惑わされる人々」がメインとして描かれているようですが、原作でも明確なヒーロー像がなく「いかにも日本的な」社会や人々のありようが印象的でした。
それから、「集団的な範囲」でのパニック小説ではないのですが、積読状態になっているけれどかなり面白そう!だと思っているのが小川一水の
です。
壁一枚隔てた向こう側は真空、という極限状況の中でも一致団結しない登場人物たちにハラハラしております。
kapibaraさん、いらっしゃいませ。誘ってみて正解(笑)
篠田節子は聞いたことがありましたが、まだ読んだことがありませんでした。
パニックとなると、それに対する人々の混乱状態から色んなものが垣間見られると思いますが、そのあたりをどう書くかが作家の腕の見せ所でしょう。
そのへんで、2作ともレビュー見ても期待できそうです。
それにしても『天涯の砦』のような作品があるとは。質問してみないと知ることがなかったですねぇ。
ありがとうございました。
この質問を見てから、パニック小説というくくりを意識して読んでなかったなぁと実感しました。
また存外に定義もはっきりしたものを見つけられず。
なので、goldwellさんが質問文で定義されている事柄に自分なりに定義を追加してみて、
といった感じのお話をあげてみます。
とりあえず海外古典を押さえていく感じで。
パニック小説といってしまうのはちょっと厳しいですが、パニック小説の下地といった方が良いのかも。
幼年期の次にこれを読むと更に味が出てきます。
ただしこの作品はかなり難度が高いかも。
地球規模の災厄。オーウェルの1984が出ていたので、対照的なブラックユーモア作品を一つ。
視認できない声だけの火星人が地球に襲来。
けれども征服云々の前にとにかくウザイ。地球人はパニックに…。
ただ、人のふり見て我がふりなおせ的な観点で言うと、阿部公房の「人間そっくり」はこの作品をもっと静かで不気味にした感じかも。
意外に穴なのではと思う赤川氏。かなり古い作品なので既読の可能性もありますが、
パニック小説と言われて最初に思い出したのはこの作品だったり。
(中学生くらいの時に読んだような)
一気に読んで「はぁ~」とため息をつく感じ。
番外的に。
黄泉がえり (新潮文庫)は映画作品は恋愛色やファンタジー色が前面に出ていましたが、
原作は梶原さんらしいSF作品です。
「パニック」状態にはならないので番外としましたが、日常に起こった非日常を受け入れていく市井の人々の描写が「日本沈没」などに描かれる、逆境と闘う市井の人々に重なります。
ちなみに私はまだ読んでいませんが、谷さんと共同執筆された日本沈没 第二部というのもありますね。
レビューが今ひとつで怖くてちょっと手が出ていませんが。(旦那も渋るんですよ。う~ん)
映画は今回募集されていませんが、「交渉人真下正義」はおもしろかったです。
シナリオブックが出ていますが、ノベライズがないのでこれも番外。
以上ご参考まで。
rikuzaiさん、【Six Words Stories】 お疲れ様でした。
これはまた見事にいい感じの作品を持って来られました。
ダイアリにも書きましたが、パニック小説というひとつの独立したカテゴリーというより、SFとかホラーとか色んなジャンルにまたがっているように思います。
私もたまたま読んだ小説がパニック小説だったこともありますね。
お薦めされたアーサー・C・クラークにしても、ハインラインやスティーブン・キングといった海外の大御所を今まで読んでいなかった(たぶん)のは勿体無かったなぁと思うところです。
レビューをみるかぎり『幼年期の終り』はどういう結末が用意されているのか気になりそうです。
『ブラッド・ミュージック』はちょっと瀬名秀明『パラサイトイヴ』を思い出しました。でもただのパニック小説に収まらない人類の未来まで展開しているところが気になります。
『火星人ゴーホーム』で書かれている異星人はすごく嫌な侵入者ですねぇ。ウイルスとは違う意味で非常にパニックになりそう(笑)
火星人で思い出したけど、アメリカではニュースの実況形式で放送された火星人襲来の話が現実と信じられてパニックになったことがありましたね。
http://explorer.road.jp/us/nj/mercer/groversmill.html
アメリカ人というのは独立以来、侵略された経験が無い国民だから、そういう侵略話に敏感だという意見を聞いたことがあります。
それとは別に日本人は自然災害に慣れているから、立ち直りが速いとか(アメリカ人はどうなんだろう?)。
そういう視点で読んでみるのも面白いかもしれませんね。
赤川次郎は十代の頃にある程度読んだのですけど、手元に無いので読んだタイトルをよく憶えてないですよね~。やだなぁ、歳取ると。
『夜』は新書版の刊行が1983年とあるので微妙なところ。でもこういった内容は好きなので、読んでいれば憶えているはず・・・。気になりますねぇ。
『黄泉がえり』は既読でした。穏やかなパニック小説と言っていいでしょうか。『日本沈没』とまた違って、地域を熊本市近辺に限定し、市民や行政の状況を丁寧に描いたところが逆に良かったような気がします。
『日本沈没 第二部』は出版されていることを最近知りましたので、読んでみたいところ。谷甲州ですから、地味な話になるのかなって気もしますけど(笑)
たくさんの紹介、ありがとうございました。
ちなみに映画はですね。過去に質問があったので今回は別にいいかなぁと思いまして。
rikuzaiさん、【Six Words Stories】 お疲れ様でした。
これはまた見事にいい感じの作品を持って来られました。
ダイアリにも書きましたが、パニック小説というひとつの独立したカテゴリーというより、SFとかホラーとか色んなジャンルにまたがっているように思います。
私もたまたま読んだ小説がパニック小説だったこともありますね。
お薦めされたアーサー・C・クラークにしても、ハインラインやスティーブン・キングといった海外の大御所を今まで読んでいなかった(たぶん)のは勿体無かったなぁと思うところです。
レビューをみるかぎり『幼年期の終り』はどういう結末が用意されているのか気になりそうです。
『ブラッド・ミュージック』はちょっと瀬名秀明『パラサイトイヴ』を思い出しました。でもただのパニック小説に収まらない人類の未来まで展開しているところが気になります。
『火星人ゴーホーム』で書かれている異星人はすごく嫌な侵入者ですねぇ。ウイルスとは違う意味で非常にパニックになりそう(笑)
火星人で思い出したけど、アメリカではニュースの実況形式で放送された火星人襲来の話が現実と信じられてパニックになったことがありましたね。
http://explorer.road.jp/us/nj/mercer/groversmill.html
アメリカ人というのは独立以来、侵略された経験が無い国民だから、そういう侵略話に敏感だという意見を聞いたことがあります。
それとは別に日本人は自然災害に慣れているから、立ち直りが速いとか(アメリカ人はどうなんだろう?)。
そういう視点で読んでみるのも面白いかもしれませんね。
赤川次郎は十代の頃にある程度読んだのですけど、手元に無いので読んだタイトルをよく憶えてないですよね~。やだなぁ、歳取ると。
『夜』は新書版の刊行が1983年とあるので微妙なところ。でもこういった内容は好きなので、読んでいれば憶えているはず・・・。気になりますねぇ。
『黄泉がえり』は既読でした。穏やかなパニック小説と言っていいでしょうか。『日本沈没』とまた違って、地域を熊本市近辺に限定し、市民や行政の状況を丁寧に描いたところが逆に良かったような気がします。
『日本沈没 第二部』は出版されていることを最近知りましたので、読んでみたいところ。谷甲州ですから、地味な話になるのかなって気もしますけど(笑)
たくさんの紹介、ありがとうございました。
ちなみに映画はですね。過去に質問があったので今回は別にいいかなぁと思いまして。
question:1123859269