のび太としずかの結婚ストーリーの
広告についてお話しました。
「結婚改姓が当然とされる創作への批判」
「結婚改姓が当然とされる創作への批判(2)」
この広告の作者が女性が結婚改姓することは
当然と考えていると思われる根拠があります。
それはのび太は「のび太」と名前だけですが、
しずかは「野比しずか」と婚氏をつけて
表記されていることです。
これによってしずかが結婚改姓したことを、
不自然に強調していることになります。
こんなアンバランスなことをするのは、
この広告の作者は「女性が改姓して当然」と
思っているどころか「女性は改姓を
喜んでほしい」という願望が
あるのではないかと思います。
こうした場合、のび太にも「野比のび太」と
苗字を書くのが一般的です。
しずかが「野比しずか」となっていれば、
やはり女性の改姓を当然としているという
批判は出てくると思います。
それでも不自然な強調はしていないと言えます。
無難なのは「のび太」「しずか」と
ふたりとも名前だけにすることです。
そうすれば「しずかは結婚改姓して
いないのかもしれない」と思う
余地が残ることになります。
最近は世論一般のジェンダー問題に
関する意識が高まってきています。
選択的夫婦別姓も関心が強くなっています。
そうした状況にあって、かなり目立つ広告で、
女性の結婚改姓を当然どころか
強調さえするのは、無防備かつ無神経と
言わざるをえないです。
広告で、ふたりとも名前だけなら、
また印象は変わったと思います。
ふたりとも改姓していないかもしれないと、
想像する余地も出てくると思います。
>のび太はなぜ野比姓をつけないのか
のび太は苗字をつけないのに、
静香にはわざわざ「野比静香」なんて
表記するのは、偏っているというものです。
この広告作者は、「女性が結婚改姓するもの」
という思想をあえて強調していると、
言わざるをえないです。