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数十年ぶりに“サバゲー”復帰。電子トリガーの電動ガンとかトレーサーとか、あまりにもデジタル化していた
2025年9月18日 06:18
(一応)ITライターのジャイアン鈴木です。2022年5月29日にサバゲーに復帰。当初は月に1回だったのが、いまでは毎週サバゲーフィールドに足を運んでおり、すっかり中級者の域に入りました。一昨年からはPC Watchの兄弟サイトであるHOBBY Watchでもエアーソフトガンのレビュー記事を書いているほどです。
「サバゲーに復帰」と書いているとおり、筆者は中学生、高校生時代にサバゲーの経験があります。ただ当時はまさにエアーソフトガン、サバゲーの黎明期であり、まだ東京マルイは電動ガンを発売していません。空気の力でBB弾を発射する「エアーコッキングガン」が大多数を占めており、ガスガンがいくつか出てきた……ぐらいの時代でした。基本的に電気とは無縁の世界だったわけです。
ところが筆者がサバゲーに復帰してみると、電動ガンが本流になるほど大躍進しており、性能も大幅に向上。日本発祥のサバゲーは世界中で楽しまれるようになっており、エアーソフトガンやサバゲーをより楽しむために多くのデジタルデバイスが活用されるようになっていました。ウン十年のブランクがあるので、本当に浦島太郎の気分。でも、だからこそ個人の嗜好としても、仕事柄としてもサバゲーにどっぷりとハマっているわけです。
……ということをPC Watch編集部はもちろんご承知だったようで、今回「サバゲーで使われるデジタルデバイス」というお題をいただきました。最近のサバゲーでは皆さんの想像以上にデジタルデバイスが利用されているのです。そこで今回は実際に筆者が使用しているサバゲー関連デジタルデバイスをまとめてご紹介いたしますね。
電動ガンで優れたレスポンスや多彩な発射モードを実現する「電子トリガー」
最近の多くの電動ガンに搭載されているのが「電子トリガー」。この電子トリガーが近頃では高機能化、低価格化しており、5万円前後の電動ガンにも標準搭載されるようになりました。特に多くの新製品に採用されているのがGATE社の「ASTER V2」です。
「ASTER V2」は、あらかじめピストンを後退させることで鋭いレスポンスを実現する「自動プリコッキング」、トリガーをどのぐらい引けば発射されるかを設定する「トリガー感度調整」、モーターに逆電流を流すことでギアとピストンを正確な位置で停止させる「アクティブブレーキ設定」、トリガーを引いたときと戻したときに1発ずつ発射する「バイナリトリガー」などの機能が実装されています。
またUSB接続アダプタ、Bluetooth接続アダプタ経由でスマホと接続することで、上記を含む細かな機能を設定したり、「ASTER V2」のファームウェアをアップデート可能です。
筆者が電子トリガーで最も重視しているのが「プリコッキング」。電動ガンのレスポンスを向上させるには、高回転のモーターに換装する、高電圧バッテリに変更する、セクターギアが1回転する間にピストンを2回動作させる「DSG(ダブルセクターギア)」に交換するなどの方法がありますが、これらはギア、ピストン、メカボックスに与える負担が増えます。その点、電子トリガーの「プリコッキング」でレスポンスを向上させても、比較的メカボックス内部への負荷は低めです。
もちろん高回転モーター、DSG、電子トリガーのすべてを組み込んだ電動ガンが最強なわけですが、筆者の3年3月のサバゲー歴の間だけでも、電動ガンのノズルを前後させる「タペットプレート」という部品が3回折れました。もし皆様がキレのいい電動ガンでサバゲーに参加したいと考えているのであれば、まずはプリコッキング機能だけを備えた電子トリガー搭載機をおすすめいたします。
エアーソフトガンのカスタムを嗜むなら必須の「弾速計」
エアーソフトガンのカスタムを楽しむなら必ず買わなければならないデジタルデバイスが「弾速計」。弾速計は名前の通り、BB弾の速度を測るための計測器で、筒状の内部に設置されたふたつの赤外線センサーによって、BB弾が通過するのにかかった時間をもとに、BB弾の速度を割り出します。また、BB弾の速度だけではなく、BB弾が持つ運動エネルキー、連射速度も計測可能です。
なぜ「弾速計」が重要なのかというと、「銃砲刀剣類所持等取締法」により、エアーソフトガンの威力は0.989ジュール(0.2gのBB弾で約98m/s)が上限と定められているからです。これを超えるエアーソフトガンは「準空気銃」と見なされるので違法。違反した場合には1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
エアーソフトガンは、インナーバレルや、BB弾を保持する「チャンバーパッキン」を交換するだけでも0.989ジュールを超える可能性があります。また、「HFC143aガス」などのフロンガスを動力源とする「ガスガン」も、夏場の直射日光下にマガジンを放置しておくと圧力が高まり、0.989ジュールをオーバーすることがあります。というわけで、業界や同じエアーソフトガン愛好家、そして一般の方々に迷惑を絶対にかけないためにも、「弾速計」は必須のデジタルデバイスというわけです。
筆者がメインで使っているのは、Bluetooth経由でスマホと接続できるACETECH製「AC6000MKIII BT」(実売価格1万5,000円前後)。iOS、Android用にアプリ「AceSoft」が用意されており、計測結果を同期したスマホに表示可能。また計測結果をCSV形式のファイルとして共有して、そのデータをもとに表やグラフを作成できます。筆者としては、エアーソフトガンのレビュー記事を書くためにも非常に役立っているアイテムです。
インドアサバゲーで限りなく「必須」に近い「トレーサー」
必須ではないですが、インドアサバゲーをプレイするならぜひ欲しいデジタルデバイスが「トレーサー」。トレーサーには強力な紫外線LEDライトが内蔵されており、BB弾が通過する瞬間に光を照射するように設計されています。トレーサーに組み合わせるのが、蓄光塗料が練り込まれた「蓄光BB弾」。蓄光BB弾は光を蓄えて一定時間自発光する性質を持ちます。エアーソフトガンにトレーサーを装着して、蓄光BB弾を発射すると、まるでレーザー光線のように弾道が光るというわけです。
トレーサー、蓄光BB弾は単に綺麗な弾道を見て楽しむだけのものではありません。暗いインドアフィールドでは普通のBB弾の弾道を見ることは非常に困難。エアーソフトガンから発射する弾が遠くに届くように縦方向の回転をかける「ホップアップ量」の調整と、スコープやドットサイトの照準を合わせる作業が非常に難しいのです。
トレーサーと蓄光BB弾を使えば室内でも弾道がしっかりと見えるので、ホップアップ量と光学サイトの照準を合わせる「ゼロイン」作業が屋外と同じように行なえます。また、光る弾道を見ることで、撃ったあとに狙いを調整するのも容易です。インドアフィールドでトレーサーを必ず使わなければならないというルールはありません。しかし快適に準備し、しっかりとヒットを取るためには、限りなく「必須」に近いデジタルデバイスと言えます。
電動ガンに絶対必要な「充電器」、それより重要な「耐火袋」
電動ガンのバッテリを充電するためには専用の充電器が必要です。いま筆者が使っているのは、ハイテック「X1 Pocket II」(実売価格5,600円)と、東京マルイ「MS•Li-Po セーフティチャージャー」(実売価格1万2,800円)、「MS•Li-Po バッテリーチェッカー」(実売価格6,800円)。2つの充電器を持っている理由は、一般的なリポバッテリと、東京マルイ製リポバッテリ「MS•Li-Po バッテリー」には互換性がないからです。
使っていて安心、かつラクなのは東京マルイ「MS•Li-Po セーフティチャージャー」。ケーブル1本で接続できるのは助かります。また、「電池温度異常検知」「電池電圧異常検知」「ACアダプター入力電圧異常検知」「充放電保護タイマー」「充電電流異常検知」「電池温度警告表示」の6つの保護機能が搭載されており、安心感が高いです。
ほかの電動ガンでも使いたいところですが、東京マルイ「MS•Li-Po バッテリー」は他社製電動ガンでは「絶対に使用しないでください」と説明書に記載されていますし、そもそもサイズ的に他社製電動ガンのバッテリスペースに入らないことが多いです。そのため規格の異なる2種類のバッテリ、充電器を使い分ける必要があるわけです。
なお、ある意味では充電器より重要なアイテムが「耐火袋」。皆さんご存じの通り、バッテリは充電中が最も発火する可能性が高いです。また車や公共交通機関で移動中に発火すると、大きな事故につながります。そこで業界で強く推奨されているのが、バッテリ充電中に「耐火袋」を使用すること。この中に入れていれば、万が一発火した場合でも、延焼を防いだり、対処する時間を得られます。
ただし、通販サイトで1,000円以下で販売されている「耐火袋」はどのぐらいの性能を備えているのか分かりません。個人的には最低でも1,500円以上の製品を購入したほうがいいと考えています。
ちなみに最強の耐火袋として強く推奨できるのが、東京マルイ「MS•Li-Po セーフティバッグ」(実売価格7,800円)。難燃性素材を採用した耐火袋を二重にして使用するように設計されており、炎の吹き出しを軽減してくれます。電動ガンのバッテリだけでなく、一般的なモバイルバッテリの充電、携帯にもおすすめできる一品です。大きいほうが300×230mm、小さいほうが230×150mm。スマホ用モバイルバッテリであれば問題なく収納できるはずです。
このほかにもアクションカメラや水冷ベストなども使用中
個人的にはこのほかにもアクションカメラや水冷ベストなどさまざまなデジタルデバイスも使用しています。サバゲー中にドローンで上空から追尾撮影させたこともありました。これらのほかのデバイスについては、機会を改めてPC Watchでレビューしたいなーと考えています。
筆者はPCワークの運動不足解消をひとつの目的に、サバイバルゲームを始め、どっぷりと浸かりました。このゲームは老若男女の体力差を問わず、一緒に楽しめるゲームだと感じています。埼玉県住みの筆者は、「ヒルズ」「H.E.A.D.S 川越」「パトリオット2」「HQ-RELOAD」などでよく遊んでおります。機会があればぜひご一緒しましょう。そのときには新しいデジタルデバイスの魅力をお伝えできるかもしれません。