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PS6は「パストレーシング」を実用化か。AMDとの共同開発「Project Amethyst」で次世代レイトレとアップスケーリングを実現
2025年10月10日 15:33
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)およびAMDは、PlayStation公式YouTubeチャンネルにて、共同開発プロジェクト「Project Amethyst」の詳細を公開した。
SIEのPlayStation担当リードアーキテクトであるMark Cerny氏、およびAMDのコンピューティング&グラフィックスグループ担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャであるJack Huynh氏が、Project Amethystの内容を語った。このプロジェクトは、次世代PlayStation(動画内ではPlayStation 6という名称は使われていない)およびAMDの次世代GPUのグラフィックス技術の未来を形作るものであり、特にレイトレーシングとAIアップスケーリングに画期的な進歩をもたらすという。
Project Amethystの成果として、次世代コンソールでは、光線軌道の計算を従来のGPUから分離する専用ハードウェアブロック「ラディアンスコア」の搭載が計画されている。これにより、演算負荷が非常に高いパストレーシングが、ハイエンドPC専用ではなく、コンソールでも現実的な選択肢となる見込みだ。
Project Amethystのもう一つの柱が、AIアップスケーリング技術の飛躍的な進化だ。マシンラーニングをより効率化するための新方式「ニューラルアレイ」が開発された。これは複数のコンピューティングユニットが連携してデータを共有し単一の処理に取り組む方式で、速度と精度両面で大きな向上が見込めるという。
ニューラルアレイはAMD FSR(FidelityFX Super Resolution)やPlayStation独自のPSSR(PlayStation Spectral Super Resolution)の次世代版を支える基盤技術となり、高品質で低遅延なアップスケーリングが期待できるとした。
加えて、現在実用化されている圧縮技術をさらに発展させた「ユニバーサル圧縮」を実装予定だ。これはメモリに送られるすべてのデータを評価、圧縮するもので、使用帯域幅を大幅に削減し、消費電力の低減や忠実度の高いアセットなどの利点をもたらすという。
ラディアンスコア、ニューラルアレイ、ユニバーサル圧縮の相乗効果により、ゲーマーへ可能な限り最高のエクスペリエンスを提供するとした。