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macOS Tahoeで超絶進化したSpotlightの新機能「アクション」「クイックキー」を使いこなそう!

 macOS Tahoeでは、Spotlightがこれまでで最大の進化を遂げました。その目玉となるのが「アクション」機能です。Spotlightからメールやメッセージを送信したり、リマインダーを作成したり、タイマーをセットしたりと、日常的な操作をすぐに実行できます。さらに「クイックキー(Quick Keys)」を設定すれば、よく使うアクションを短い文字列で呼び出せるため、操作スピードをさらに向上させられます。本記事では、このアクション機能の基本的な使い方から便利な活用例までを紹介します。

Spotlightのアクションを使えば、Macの操作をこれまで以上に効率的に行なえます

アクションの基本的な使い方

 従来のSpotlightといえば、アプリやファイルを探し出すためのツールという印象が強かったかもしれません。しかし、macOS Tahoe(以下、Tahoe)のSpotlightには、新たにアクション機能が追加されました。

 ここでいうアクションとは、Macで行なう各種操作のこと。メール送信やリマインダー作成、タイマー設定など、システムやアプリに関わる何百もの操作をSpotlightから直接実行できるようになったのです。

 アクションの使い方はとてもシンプルで、これまでと同じようにSpotlightを開き、検索フィールドに文字を入力するだけ。

 たとえば「メッセージ」と入力すると「メッセージを送信」といったアクションの候補が表示されるので、これを選択。そして続く画面で本文や宛先を入力して[return]キーを押せばメッセージの送信が完了します。

 本来であればアプリを起動してメニューを辿る必要がある操作を、Spotlight上で瞬時に済ませられるのが大きな魅力。日常的によく使う機能ほど、その利便性を強く実感できるでしょう。

 また、検索結果にアクション以外の候補が多く表示されてしまう場合は、検索フィールド横の「アクション」ボタンをクリックすればアクションに限定できます。

 さらに、このボタンには[command]+[3]のショートカットも割り当てられているため、Spotlightを[command]+[スペース]で開いた直後に実行すれば、マウスに触れることなく目的の操作をスムーズに実行できます。

検索フィールドに「メッセージ」と入力すると「メッセージを送信」というアクションが表示されます。特定の相手と頻繁にやりとりしている場合は「〇〇に送る」といったアクションも表示されます
「メッセージを送信」を選ぶと、文面と宛先を入力する画面に切り替わります
文面を書いたあと[tab]キーで宛先入力に移動できます。そして相手を選んで[return]キーを押せば送信完了。「メッセージ」アプリを起動する必要はありません
別の例を試してみましょう。「タイマー」と入力すると「タイマーを開始」というアクションが候補に現れます
数字キーで時間を入力し、矢印キーで単位を選びます。[return]キーを押せばタイマーがすぐに始まります。こちらもキーボード操作だけで完結します
Spotlightを開いてしばらく待つと、検索フィールドの横に4つのボタンが表示されます。右から2番目が「アクション」ボタンです
「アクション」ボタンをクリックすると、アクションの実行だけに制限できます。アクションの一覧が表示されるので、そこから操作を選ぶこともできます

アプリの各メニューもSpotlightから実行

 Spotlightのアクションの優れている点は、現在開いているアプリのメニュー操作まで実行できることです。

 たとえば「Pages」で書類を作成している際、写真から背景を削除したいとします。通常であればメニューバーから[背景を削除]を探す必要がありますが、頻繁に使わない機能だと場所が分からず、探すのに時間がかかってしまいます。

 そこでSpotlightを開いて「背景」と入力すれば、Pagesの「背景を削除」アクションがすぐに表示されますので、あとは[return]キーを押すだけで、目的の操作を瞬時に実行できます。

Pagesで画像を選択したら、Spotlightを開いて「背景」と入力。「背景を削除」を選びます
画像から背景が削除されます。該当するメニューを探し回る必要はありません

クイックキーの指定で素早く呼び出せる

 Spotlightのアクションは、「クイックキー」を使って短い文字列を割り当てることで、さらに高速に実行できます。

 たとえば「メッセージを送信」というアクションに「ms」と設定しておけば、Spotlightを開いて「ms」と入力するだけで最優先候補に表示され、即座に実行可能です。

 よく使うアクションほどクイックキーを設定しておくと、長い名前を入力する手間が省け、作業効率が大幅に向上します。

 クイックキーは、アクション名の横にある[クイックキーを設定]をクリックし、文字列を入力するだけで設定できます。

 日本語の指定も可能ですが、入力スピードを考えるとアルファベットがおすすめです。特に2〜4文字程度の短い英字なら覚えやすく、入力もスムーズです。

 なお、クイックキーはアクションを初めて実行した際に自動で割り当てられます。そのまま使っても構いませんが、別の文字列に変更したい場合は、クイックキーをクリックして再設定できます。

例として「ディスプレイをスリープさせる」アクションにクイックキーを設定します。項目右側の[クイックキーを設定]をクリックします
文字入力欄が表示されるので、呼び出しやすい文字列を設定します。ここでは「sl」と入力しました
以後、Spotlightで「sl」とタイプすると、このアクションが最優先候補として表示されます。[return]キーを押せば即座に実行できます

さまざまなアクションを試してみよう

 Spotlightのアクションは、驚くほどたくさん用意されています。

 「メッセージを送信」や「新規リマインダー」など、名前を見ただけで用途が想像できるものもあれば、アクション名だけではすぐに内容が分かりにくいものもあります。

 しかし、実際に試してみると意外なほど便利なものも少なくありません。そこでここでは、その中から特におすすめのアクションを3つ紹介します。

1.「画像からテキストを抽出」
Finderで画像ファイルを選んだ状態で実行すると、画像内の文字を認識し、テキストとして取り出せます。「プレビュー」アプリでも同様の操作は可能ですが、アプリを起動して文字を選択する手間を省ける点が便利です。

Finderで画像ファイルを選択し、「画像からテキストを抽出」を実行します
選択した画像から文字が抽出されます。ファイル指定がうまくいかない場合は、ファイル名を入力して指定することも可能です

2.「数える」
コピーしたテキストを対象に、文字数や単語数を瞬時にカウントします。レポートの文字数チェックやSNS投稿の文字制限確認など、意外と活躍する場面が多いでしょう。

あらかじめ文字列をコピーし、Spotlightで「数える」アクションを実行します
1つ目の欄で「コピーされた項目」、2つ目で「文字」を選び、[return]キーを押します
即座に文字数が表示されます

3.「移動時間を取得」
2つの地点を指定して、移動にかかる時間を調べられるアクションです。移動手段は「車」「徒歩」「自転車」「交通機関」から選べます。「マップ」アプリを開かずに確認できるのが魅力です。

Spotlightで「移動時間を取得」を選び、[return]キーを押します
「Current Location」は現在地を意味します。現在地以外を指定する場合は、場所を入力すると候補が提示されます
2つの地点を選び、移動手段を指定して[return]キーを押すと、すぐに所要時間が表示されます

Spotlightのアクションでどんどん時短!

 Spotlightのアクションの大きなメリットは、なんといってもその手軽さです。

 これまでも「ショートカット」アプリを使えば複数の作業を自動化できましたが、利用には自分でフローを組み立てる必要がありました。

 その点、Spotlightのアクションはそうした準備をすることなく、使い出せます。検索する感覚で「やりたいこと」を入力するだけで実行できるため、自動処理に不慣れな人でもすぐに活用可能です。

 さらに、操作をキーボードだけで完結できる点も大きな魅力です。長時間キーボードに向かう人にとって、マウスに手を移さず操作できるのは大きな効率化につながります。

 文章作成の合間にリマインダーを追加したり、コードを書きながら計算を素早く実行したりと、作業の流れを止めずにタスクを処理できるのは非常に快適です。

 Spotlightのアクションによる時間短縮は、一度の操作では数秒から数十秒に過ぎないかもしれません。

 しかし、その積み重ねが確実に効率化につながります。日々のワークフローにどう取り入れるか、ぜひ一度検討してみてください。