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親に捨てられるHIV陽性赤ちゃん&生き埋めにされるAIDS患者

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[インド・パプアニューギニア発] HIV感染者・エイズ患者は現在世界で4,000万人いると言われ、このうち95%以上が途上国の人々で占められている。先進国では患者は手厚いケアと高度な先進治療を受けるインフラが整っているが、途上国では貧困と病気に対する無知のため、満足な治療も受けれず不当な差別に苦しむ患者が多い。そんな彼らの状況を端的に示すニュースが二件相次いで報道された。


親に捨てられるHIV陽性赤ちゃん

国連合同エイズ計画(UNAIDS)のレポート(2006年度版)によると、2005年末時点でのインド国内のHIV感染者・AIDS患者数は570万人と推測され、世界でも最大規模である。これに対し、インド政府の国立エイズ管理機構(NACO)が今月発表した推定総数は250万人から310万人となっている。いずれにせよ、もう一つの人口大国である中国の同推定総数65万人に比べて、飛躍的に高い。

UNAIDSによれば、今や200人に1人がHIVキャリアとなってしまったインドであるが、HIVキャリアは社会的に疎外されている。チャッティスガー州、バスター郡のコンダガオンで生まれたばかりの我が子を売ろうとしたゴルディさんもキャリアの1人だ。

30代の彼女は公立病院で出産した後、8月15日に赤ちゃんと共に退院している。しかしながら、彼女は貧困のため食べる物にも事欠き、生後一週間の娘を売りに出したそうだ。

赤ん坊を養女として迎えたいと興味をしめした人々もいたのだが、公立病院の検査で母子共にHIV陽性であることが判明して、断られたという。赤ん坊を売ろうとした母親のことは郡の行政当局に知られる事となり、母子は同郡のライプールにある公立病院に入院し高度の治療が受けれる手はずが整えられた。

一方、今月の始めにはニューデリーで、赤ちゃんがHIV陽性だという理由で二度捨てられるという事件も起こっている。

生まれてすぐ母親によってオートリクシャー(三輪タクシー)の中に置き去りにされた赤ちゃんは、子供がない貧しい夫婦に拾われたのだが、HIV陽性だということで、医療関係者の自宅に連れていかれた。現在、この赤ちゃんは民間非営利団体に引き取とられている。


生き埋めにされるAIDS患者

パプアニューギニアでは1990年代後半よりHIV感染が急激に広がり、2005年の時点で感染者数は国民の1.8%に当る6万人にのぼっている(同国立エイズ審議会事務局に拠る)。

ボランティア組織で保健師として働くマーガレット・マラベさんは同国の人里離れたサザン・ハイランド州で5ヶ月間、エイズに関しての啓発活動を行ってきたのだが、過去に5人の人々が生きながら土中に埋められるのを見たという。

そのうちの1人は彼女の従兄弟であったそうで、頭にショベルで土を被されながらも、「ママ、ママ」と母親に助けを求めていたそうである。

マラベさんが、村人に「なぜ、そんなことをするんですか?」と聞いたところ、「同じ屋根の下に住んで食事を共にし食器を共用したら、わしらも病気に罹って死ぬかもしれんからじゃ」と答えたそうだ。この地域ではエイズ患者を生き埋めにするのは珍しくないという。

また、政府の役人や研究者たちによると、エイズに冒された若者が死ぬと、本当の死因を知らない村人が魔女に呪い殺されたと信じ込み、魔女だと言いがかりをつけられた女性が村人の集団に拷問にかけられ殺されたことも何度かあるという。

マラベさんは、政府や援助機関に対し、都市部で実施されるHIV/AIDSに関する認識を高めるプログラムは病気の知識が乏しい農村部にも拡大されるべきだと訴えている。

ソース

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