[コスタリカ発] 「すわっ、人がワニに襲われようとしている!」。一見、そう見えてしまうこのスナップショット。実は、大の仲良しの人間とワニがいっしょに水遊びしている場面なのだ。人間は地元の漁師、チトさん(52)、対するワニは全長5メートル、体重445キロのアメリカワニ、ポチョ君(推定50)だ。
二人のなりそめは、今を遡ること20年前、チトさんがパリスミナ川(カリブ海沿いのリモン州)の岸辺で死にかけていたワニを発見した時に始まる。牛の群れを襲ったワニが、牛飼いに反撃され、銃で左目を撃ち抜かれたのだった。
動物好きのチトさんは、瀕死のワニを捨ててはおけず、数人の仲間に手伝ってもらって自分のボートに積み込んだ。そして、ワニを自宅に運び込んで、6カ月間懸命に介護した。彼に助け出された時、ポチョは体重68キロと痩せこけていたが、ニワトリや魚を与えられ、薬ももらって回復に向かった。その間、チトさんはポチョの横で寝起きしていた。
そんなチトさんとポチョの絆は長い年月をかけて築き上げられた。「ポチョと遊ぶようになったのは10年後でしたね。最初の頃はゆっくりと。少し遊んでは、次はもうちょっと多めに遊ぶといった具合に」
「その後、あいつの名前を呼ぶと、私の方に向かってくることも発見しました」
チトさんの呼び声に応え、緑色に濁った水の中を悠然と泳いでくるポチョ
そう言うチトさんは、家族を心配させないようにと、ワニとの水遊びは家族が寝静まった後、こっそりやっていたそうだ。4年前、彼は友人たちの前で、合図を送ってワニに両目を閉じさせる等の芸当を披露。すると大好評で、見世物として一般に公開することを勧められたそうだ。
今や、彼が自宅近くの沼で演じる
クロコダイルショーはコスタリカの観光名物の一つとなって、多くのツーリストが見学に訪れている。
まるで、亀を助けた浦島太郎のコストリカ版のようなお話だが、アメリカワニの寿命は70年とのこと。末永く彼らの友情が続いて欲しい。
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- 2009-08-19 23:35
- 動物物語
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