リトルバスターズ!EX考察 現実と虚構世界の関係
第1回目は別のことを考察するつもりだったけど、そっちの考察が不完全だと思ったのでこっちを先にしました。
まず、今回の考察の初めに以前鍵っ子ブログの掲示板で書かせていただいた考察を紹介します。
では、虚構世界と現実の関係について私の考えを書いておきますね。
虚構世界と現実の関係についてはあまり作品の中で描かれていないのですが、
その関係が最も分かりやすく描かれているのは、リフレインのエピソード恭介です。
「俺はひとり誰も知らない、抜け穴を見つけたんだ。」
エピソード恭介では現実と虚構世界を行き来し、現実世界の運命を変えようと行動します。しかし、
「この世界でどれだけ歩みを進めようが、一度でも向こうに行ってしまえば全てはリセットされる。」
この言葉からも分かるように、虚構世界に戻ればすべてはリセットされ、再び現実世界に行くと、
事故のあった直後、つまり、虚構世界を作った瞬間からやり直しになるわけです。
現実世界に行っている間もリフレインの時間は進んでいることから、このシーンから恭介が現実世界に行っている間は、虚構世界と現実世界の時間は並行して進んでいることが分かります。
これで関係については終わりですが、引っかかることがあるんですよ。
このエピソードから読み取れる虚構世界の法則が、リフレイン終盤のシーンに何か関わっているのではないかと。
そう考えると、ある可能性が考えられるのです。
最初の修学旅行のシーンは現実だったのではないか。
最初の修学旅行のシーンは現実の世界だった場合、2回の修学旅行で起ころうとしていることはまったく同じであるから、内容に関しては問題ないだろう。
問題はエンディングの後になります。
選択肢
いい
よくない
これはおそらく、虚構世界に戻るか戻らないかを選ぶ選択肢になると思われます。
いいを選べば、このまま現実を生きていくことを選ぶ。
これは比較的きれいな終わり方だと思うので問題はないでしょう。
よくないを選べば、虚構世界に戻ることを選び、現実にあったことはリセットされる。
ただ、その後に続く
「…現実でも今の通り同じになるはずだ」
が引っかかることになります。
ですが、リセットされた現実を現実と言うことができるのでしょうか?
リセットされた現実は現実ではなくなり、虚構的な世界のものとなる。
そう考えれば、この言葉を理解できると思います。
一応このくらいで…。
無印の時こんな考察をしていました。
こんな考察をした当時は誰かに否定してほしいと思う考察でした。
他に考慮しなければならないこともありましたから。
後半部分の考察が正しいのかについてはまた別の機会に考えるとして、今回は現実と虚構世界の関係について考えてみます。
この世界でどれだけ歩みを進めようが、一度でも向こうに行ってしまえばすべてはリセットされる。
つまりこの一言は『現実世界から虚構世界に戻ると現実世界の時間がリセットされる』というルールを示しています。
ですが、もう一つ掘り下げて言うと『現実世界から虚構世界へ戻ることができる』と言うことができます。
ということは、Refrainで虚構世界から現実に帰った後に虚構世界に戻ることができるのです。
そう、実際にリトルバスターズのメンバーはRefrain後に現実から虚構世界に戻っているのです。
『そんな馬鹿なっ!!』
『どうして戻るんだっ!!』
『どうやって戻ってるんだっ!!』
とこれを読んでいるあなたは思ってくれているはずです。
どうやって戻っているかは後にして、リトルバスターズのメンバーが現実から虚構世界に戻っているという証拠を提示していきましょう。
各キャラクターのシナリオの一部分だけを考察することになるのでご了承ください。
後に説明するかもしれませんが、ここでは『世界の秘密を知っている』≒『Refrain後』であると思ってください。
☆能美クドリャフカシナリオの場合
『世界の秘密を知っている』ことによって見ることができるもう一つのバッドエンドがあります。
このバッドエンドはクドに帰るか帰らないかを選ばせて、クドが帰らないことを選ぶわけです。
佳奈多がルームメイトの時の台詞、
「あの子にとっては、結局同じ答えしかないのね…」
「あの子があなたを好きでいる限り」
葉留佳がルームメイトの時の台詞、
「でも、そうか。じゃ、今までどおり、というわけだね」
「今までどおりじゃない…と思うよ」
「…そうかな。今までどおりだと、私は嬉しいんだけどな」
trueエンドを見てもわかることですが、このバッドエンドはクドが『選んだ』『現実』と同じものになっているわけです。
美魚がルームメイトの時の台詞、
「目の前の現実を受け入れること、それのみが強さではない」
「その前に何かを選ぶこと」
「…選ばぬまま、ただ進めというのは、弱さなのかもしれません」
クドが本来虚構世界でしたかったことは『後悔』したことを成し遂げること。
全てを捨ててまでクドはそれをしようとした。
クドに与えられた『未来』はなかったのだから。
だが、理樹と鈴によってその先の『未来』が開かれた。
このバッドエンドは切り開かれた『未来』と向き合う話になっているのです。
このバッドエンドで最後にクドが言った言葉
「…『帰った』ら…」
「見なくちゃいけないものがあるんです」
「一緒に、見てくれますか?」
帰る場所というのは現実。
つまり、ここは虚構であり、『帰る』『現実』があるということです。
この後の現実はtrueエンドの最後に描かれているわけですね。
☆二木佳奈多シナリオの場合
このルートは『世界の秘密を知っている』という条件でプレイできるようになります。
これもクドと同じで、三枝葉留佳シナリオでは佳奈多と仲直りするだけでよかった。「・・・私は、家のことなんかどうでもよかったの」
おねえちゃんと仲直りしたかったの」
「こんなことでもない限りは、ずっと失われてたはずの機会だから」
「願ったのはそれだけ・・・ほんとうに、それだけ」
それより先を求める必要はなかったから。
でも『未来』が切り開かれたから、『家』のことに向き合わなければならない。
これは葉留佳から見た佳奈多シナリオの要点ですけどね。
その真っ白い風景に、一瞬既視感を覚えた。
これは病室の天井をみて思ったことだと思いますが、それを前に見たということを示しているわけです。
つまり、Refrainでの現実を経験しているということですね。
葉留佳自体、繰り返しを意識しているキャラクターであることから間違いないでしょう。
このあとに描かれる現実が『家』のことに対して向き合っていく葉留佳を描いているわけですね。
☆来ヶ谷唯湖シナリオの場合
このシナリオは『先を求めた』お話ですね。
与えられていない『未来』を望んでしまったのです。
理樹と恋人同士になるという『未来』を。
Refrain後にプレイするとtrueエンドを見ることができるようになります。
私は、この世界に取り残された、ただの想い。
ここで想いを抱いた少女の残夢。
想いだけを残して、全ては消え去ってしまった。
理樹と恋人同士になるという想いを虚構世界に取り残されていた。
Refrainの現実で唯湖が虚構世界について話そうとしなかったことも考えればわかると思います。
私が還ってきたのか、『彼』が還ってきたのか。
おそらく、2人とも還ってきたのだと思います。
虚構世界に還ってくることによって、唯湖はこの世界に取り残された想いを取り戻すことができた。
そして、現実で唯湖は理樹に告白するわけですね。
☆朱鷺戸沙耶シナリオの場合
このルートも『世界の秘密を知っている』という条件でプレイできるようになるルートですね。
でも、他のルートと違って特殊だったりしますけど。
「そろそろ、今度の遊びは終わりにしない?」
「遊び?」
「うん、朱鷺戸さんとか、闇の執行部とか」
すると、なぜか恭介は笑顔になった。
「なんだよっ、気に入ってくれたのかっ」
「朱鷺戸沙耶とは俺の愛読書の登場キャラクター」
「その存在は他ならぬ俺が生み出したものだと勘違いをしていた」
「しばらく遊ばせておけば、俺の欲求は満たされ、消えてなくなると思い込んでいた」
このルートが始まったきっかけは恭介が始めた遊びだったというわけですね。
そんなところにあやが朱鷺戸沙耶としてこの世界にやってきたわけです。
もちろん、恭介は最初この事実を知らなかったと。
俺はひとつのことだけをやり遂げようとしていた。
それ以外のことはもう何も考えていなかった。
それが俺がこの世に生を受けて、最後の…
いや、ろくなことしてこなかったからな…
唯一の役割かもしれない。
それは…
理樹と鈴を成長させて、この場所から見送る。
それだけだ。
Episode恭介での恭介の想いです。
これから考えれば、朱鷺戸沙耶ルートのきっかけは起こらなかったはずなのです。
ですが、これがRefrain後であれば別です。
もう理樹と鈴を成長させるということをやり遂げる必要もなく、全員が生き延びる未来があるのだから。
そう、このルートのきっかけは現実から再び虚構世界に戻ってきた恭介がした遊びだったというわけです。
納得していただけたでしょうか?
Referainの後に虚構世界に戻ってきているということを。
まだ疑問は残っていますが、長くなったので残りは次回にします。
next→リトルバスターズ!EX考察 Refrainの修学旅行は現実
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
シナリオ自体が、現実と虚構世界間の移動が絡んでるというのは何となく分かっていたのですが…
ヒロインそれぞれの考察は不十分でした…
納得ですっ
しかし、頭が痛い…(笑)