第6回 古代の鏡をつくろう!
今は100円ショップで簡単に買える鏡も、私が子どものころは結構、値が張ったような気がします。そんな鏡ですから、お風呂と洗面所と母親の鏡台というように、限られた場所にありました。またそれはガラスの鏡で、よく見ると裏に鏡面があるものでした。
サイエンス倶楽部でもシャーレに銀鏡反応を施して鏡を作りますが、日本でこの方法の鏡が作られるようになったのは大正15年(1926年)ごろのことです。さらにさかのぼると、ガラスの鏡を初めて日本にもたらしたのは、かの有名なフランシスコ・ザビエルといわれています(東京都鏡商工業協同組合のホームページより)。16世紀のことですね。鏡の長い歴史から見ると、ガラスの鏡が日本に入ってきたのはつい最近のことなのです。
ではそれまではどんな鏡を使っていたかというと、みなさんも歴史で習ったように金属の鏡が主流だったと思われます。弥生時代や古墳時代の遺跡から出土するあの青銅の鏡ですね。私も、緑青のふいたものが頭に浮かびました。
ところがこれ、実際に作ってみると、なかなか味わいがあってよいものなのです。体験した子どもたちが『ものすごくたいへんだけど、完成したときの感動はハンパない!』と口をそろえていう、古代の金属鏡作りを紹介します。
金属鏡の作り方(実験室バージョン)
●用意するもの
銅(21g)、スズ(9g)、るつぼ、マッフル炉、スタンド、リング、ガスバーナー、炭粒(金属を覆うぐらい)など
せっかく作るのですから、古くから鏡として使われている素材で作ってみたい、と思い、歴史的にもたいへん有名な青銅を使った鏡作りを紹介します。
1 実習ではスズも銅も粒状のものを使っているので、扱いは簡単ですが、板状の場合は細かく切っておきます。
2 るつぼにスズ、銅の順に入れます。
3 上から炭の粒を入れます(酸化防止)
4 マッフル炉というものに入れ、ガスバーナーで熱します。