中国4月の貿易額▲5.8%減と再び減少 1~4月日欧米とも減少
中国の4月の貿易総額が、前年同月比▲5.8%減少し、2ヶ月ぶりにマイナスに転じた。中国の景気減速が今後、一段と進む可能性がある。
中国の税関総署が8日発表した貿易統計によると、今年4月の中国の輸出と輸入を合わせた貿易総額は約3000億ドル(1ドル/6.50元、1元/0.15ドル)で、前年同月比▲5.8%減少した。
3月の貿易総額は2.0%増と、13ヶ月ぶりにプラスになっていたが、4月は再びマイナスに転じる結果となった。(3月の輸出額は11.5%増、輸入は▲7.6%減となっていた)
4月の輸出額は前年同月比▲1.8%減、輸入額も▲10.9%減(18ヶ月連続減)とともに落ち込んだ。国・地域別では、最大の輸出先である米国向けの輸出が▲9.3%減少。一方、2番目の規模の欧州連合(EU)向けは3.2%増加した。
今年1月から4月までの地域別累計では、日本との貿易総額は▲7.5%減っているほか、最大の貿易相手であるEU=ヨーロッパ連合とは▲5.2%減、アメリカは▲10.2%減となっている(いずれもドルベース)。
コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「輸出と輸入はともに予想よりも弱かった。これはアジア各国の貿易低迷と一致しており、新興国にとり、今年も厳しい年になることを示している」と語った。
4月の貿易黒字額は、455億6000万ドルとエコノミスト予想の400億ドルを上回った。
周浩氏は「中国の指標がやや下振れするリスクに市場は備える必要がある。一定の市場調整はおそらく不可避となるだろう」と述べている。
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